最高時速50キロで泳ぐイルカ、ドルフィンキックで作る大きな渦の輪が推進力に…富岳で解析
大阪大のチームは、イルカが速く泳げる仕組みについて、尾びれを上下させる「ドルフィンキック」が大きな渦の輪を作り、推進力を生んでいることがわかったと発表した。神戸市にある理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」で解析した成果で、水中ドローンなどへの応用が期待できる。論文が国際科学誌に掲載された。
イルカは水平の尾びれを使って、最高で時速50キロ・メートルのスピードで泳ぐことができる。先行研究で、尾びれの動きで大小無数の渦が生じていることはわかっていたが、水の流れが複雑なため、速さを生み出すメカニズムは不明だった。
チームは、大量の計算処理が可能な富岳を活用し、水流を再現することに成功。ドルフィンキックの際、尾びれと同程度の大きさの渦の輪が生じ、強い後ろ向きの流れを作って前に進む力となっていることを突き止めた。
チームの本告(もとおり)遊太郎・阪大講師(流体力学)は「水中ドローンへの応用だけでなく、推進力を生み出す大きな渦を作れるようなフィン(足ひれ)を開発すれば、我々ももっと速く泳げるようになるかもしれない」と話した。
東海大の稲田喜信教授(バイオメカニクス)の話「同様の仕組みは魚でも報告があり、大きさやスピードも違うイルカでも共通のメカニズムがあることを示した点は意義がある。省エネな推進装置の開発に役立つ可能性がある」
