「白髪」は体ががんと闘った証?東大チームの研究で分かった驚きのメカニズム

「白髪」は体ががんと闘った証?東大チームの研究で分かった驚きのメカニズム

白髪に対する女性たちの意識は、ここ最近で大きく変わりつつある。ジェーン・フォンダやアンディ・マクダウェル、メリッサ・ギルバートといった著名なセレブたちが、染めるのをやめて美しいシルバーヘアを堂々と披露しているのを見たことがある人も多いはず。

そんな「グレイヘア」ブームに、科学的な追い風が吹いてきた。なんと、白髪は「体が皮膚がんと闘っているサイン」かもしれないという興味深い研究結果が発表されたのだ。白髪を愛おしく思う理由が、また1つ増えるかもしれない。

白髪と「皮膚がん」の意外な関係性とは

細胞生物学誌『Nature Cell Biology』に掲載され、世界中で話題を呼んでいる今回の研究。その内容は、白髪の存在をメラノーマ(悪性黒色腫)のリスク低下に紐づけるものだ。

ただし、これを「白髪があればがんにならない」と単純に解釈するのは早計。皮膚科医たちは、白髪が少しあるからといって安心するのは危険だと警鐘を鳴らしている。一体どういうことなのか、専門家の解説とともに詳しく見ていこう。

東大研究チームが解明。細胞が「脱落」してがんを防ぐ?

今回の研究で特筆すべきは、筆頭著者が日本の研究者であることだ。東京大学医科学研究所の毛利泰彰博士らのチームは、マウスの色素幹細胞(しきそかんさいぼう)に着目した。

この特殊な細胞は毛包の中にあり、髪の色素(メラニン)を生み出す役割を持つ一方で、最も悪性度が高いとされる皮膚がん「メラノーマ」の発生源にもなり得る場所だ。研究チームは、この色素幹細胞を発がん性のある物質によるストレスにさらしたとき、何が起こるかを詳細に解析した。

その結果、色素幹細胞はダメージを受けると、次の2つの反応のいずれかを示すことが分かった。

1.システムから離脱する(分化して幹細胞ではなくなる): この場合、色素を作る元がなくなるため、結果として髪が白くなる。

2.分裂を続けて増殖する: これは腫瘍(がん)の発生につながる可能性がある。

つまり、細胞ががん化する前に、自ら成熟して「幹細胞」としての役割を終え、毛包から脱落することで、がんの発生を防いでいる可能性があるのだ。「白髪ができると、それと同時にメラノーマのリスクが低下します」と毛利博士は述べている。

白髪は「名誉の負傷」?リスク低下のメカニズム

白髪があるからといって、将来のメラノーマ発生を完全に防げるわけではない。しかし、白髪の存在は、体がすでにメラノーマの種を排除しようと戦った「痕跡」と捉えることができるかもしれない。

「私たちの研究結果は、色素幹細胞が減ること自体に、メラノーマを防ぐ働きがある可能性を示しています」と毛利博士は説明する。ダメージを受けた危険な細胞が毛包からいなくなれば、当然、そこからがんが発生するリスクは下がるというわけだ。

これにはロドニー医師も納得の様子。「理にかなっています。色素幹細胞は色素を作る細胞なので、その細胞が失われれば(安全は確保されますが)、髪の色素も失われますから」

「白髪があるから安心」は禁物。紫外線対策は必須!

ここで重要な注意点がひとつ。今回の発見はあくまで細胞レベルのメカニズムの話であり、「白髪がある人は日焼け止めを塗らなくてもいい」という意味では決してない。

白髪のあるがん患者を大勢診てきたゴールデンバーグ医師は、「白髪があっても、皮膚がんにならないという保証はありません」と強く警告する。ロドニー医師もまた、メラノーマの発症リスクは白髪と同様に年齢とともに高くなると指摘。「白髪の有無だけでリスクを判断することはできません。日焼け歴、慢性的な日光曝露、遺伝など、皮膚がんにつながる要因は他にもたくさんあります」

特に日本人は欧米人に比べてメラノーマの発生率は低いとされるが、それでも紫外線対策は肌の老化を防ぐためにも欠かせない。

「今回の研究結果は参考にはなりますが、習慣を変えるべきではありません。引き続き、日焼け止めを毎日十分に塗り、紫外線対策をしっかり行うことが重要です」とロドニー医師。

鏡を見て白髪を見つけたら、「私の体、頑張ってくれたんだな」と少しポジティブに捉えつつ、日焼け止めは忘れずに塗る。それが賢い付き合い方のようだ。

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