iPhone 17 Pro搭載チップが「MacBookの未来」を切り開く

iPhone 17 Pro搭載チップが「MacBookの未来」を切り開く

iPhone 17 Proの発売に合わせ、アップルはA19 Proチップセットも発表した。近くiPad Proにも採用されると考えられているが、同社は別の使い方も検討すべきではないか。A19 Proは、より軽量で安価なMacBookへの道を開く可能性があるのではないだろうか。

■M5 MacBook ProとMacBook Air

より革新的なMacBookをめぐる憶測はあるものの、過去の年のテンポから見ると、通常のMacBookの発売スケジュールはやや遅れているようだ。

ブルームバーグのニュースレター「Power On」で、マーク・ガーマンはアップルのM5チップセットを搭載する初のMacノートが今後登場すると述べている。このチップセット自体はまだ発表されていないが、今年7月には製造が開始されたようだ。

アップルは通常、10月にMacBookのラインアップを刷新する。近年はProモデルを先行投入し、Airモデルは夏まで遅らせることが多かった。今回はそうではない。M5 MacBook ProとM5 MacBook Airの両方が 2026 年第1四半期に登場すると考えられている。

■新しいMacBookのサイズ

より小型で軽量なMacBookという発想は以前から存在している。アップルは 2015年から 2019年にかけて発売した12インチMacBookでそのような試みを行った。これらのノートは支持を獲得していたが、Intel Coreチップセットを中心に設計されていた。小型ノートのフォームファクタでは、熱設計の制約内に収めるためにこれらのチップのクロック数を抑える必要があり、その結果、性能低下を招いてしまっていた。

2020年にAppleシリコンへ移行したことで、Macのプラットフォームは大幅な性能向上を実現し、発熱量の低減とバッテリー効率の改善も得た。これらの明確な利点は現在も続いているが、アップルは小型フォームファクタに戻っていない。むしろ逆に、遂にはより大きな15インチのMacBook Airを投入した。

なお、キーボードと画面を組み合わせたほぼクラムシェルに近い小型フォームファクタは存在するが、それはアップルのiPad系列の領域だ。

■新しい MacBook の価格

軽量化に加えて、低価格のMacBookに対する要望も常に強い。アップルはエントリーレベルのMacBookの定価を999ドル(約14万7300円)に据え置いてきたが、これには注目すべき2つの例外がある。1つ目は教育割引で100ドル(約1万4700円)引きの 899ドル(約13万2500円)になる。ただし、これは一般には提供されない。

2つ目は米ウォルマート限定だが、アップルが全面的にサポートしている点である。米国の小売チェーンであるウォルマートは、初代Appleシリコンを搭載したMacBook Air M1を定価649ドル(約9万5700円)で販売している(米国時間9月14日時点では599ドル約8万8300円で入手可能)。

つまりアップルは象徴的な999ドル(約14万7300円)の壁を下回るMacBookを販売しているのだが、それを自社サイトや各種資料に掲示してはいないというわけだ。

新しいMacBookのための要素はすでに出揃っている

■新しいMacBookを支える2つの中核

アップルはこの10年の間、こうした需要に積極的に応えてこなかったが、姿勢が軟化しつつある兆しがある。同社は、ウォルマートでの提供により、より安価で仕様を抑えたMacBookに関する現実の消費者データを大量に得た。また、iPadの設計プロセスの進歩(および最近発表されたiPhone Air)により、性能と持久力を維持しつつ軽量なハードウェアを構築する知見も手にしている。

あとは、このMacBookの利益率を維持できるよう部材コストを引き下げ、日常的な処理には十分な価値を持たせつつ、既存のMacBookとの間に明確な差別化を設けて、高価格のノートを選ぶ動機も残るように仕様を定めればよい。

そしてこの難題は、iPhoneのProシリーズの心臓部が解決してくれそうだ。

■A19 Proを使ったMacBookの可能性

iPhone Air、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Maxと同時に、アップルはA19 Proチップセットを発表した。販売開始前に出回っているベンチマークによれば、A19 Proの数値は、少なくともシングルコアの計算においては、M4搭載MacBookと同等レベルであることが示されている。A19 Proの平均スコアが3758であるのに対し、MacBook Airは3650、MacBook Proは3850である。

マルチコア性能ではノート側が大きく優位であり、M4搭載のMacBook ProはA19 Proのスコアを倍以上引き離している。とはいえ、ここでのアップルの目標は、高価でプロ志向のMacBook Proに肩を並べることではない。より柔軟で、価格も手頃な新しいクラスのMacBookを提供することにある。

そもそもMacBookを駆動できるのはMクラスのチップセットだけだと決まっているわけではない。実際、iPadの製品群ではAクラスのチップとMクラスのチップが共存している。

■新しいMacBookのための要素はすでに出揃っている

アップルは、MacBookのラインナップのみならず、WindowsやChromeで動くノートPCの広い世界を揺さぶるための要素をすべて手中に収めている。iPadとiPhoneの展開は、軽量ハードウェアに関する経験を示している。ウォルマートでの取り組みにより、低価格戦略が機能するという知見も得た。そして今、A19 Proによって、AirやProを食い潰すことなくポートフォリオに独自のエントリーを加えるための適切なシリコンを手にしている。

さあ、A19 Proを搭載したMacBookの出番だ。

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