海の殺し屋シャチが人間にエサをおすそ分け…世界各地で34件も記録

海の殺し屋シャチが人間にエサをおすそ分け…世界各地で34件も記録

海の食物連鎖の頂点に君臨

海の食物連鎖の頂点に君臨し「海のギャング」「海の殺し屋」とも呼ばれるシャチ。高い知能と攻撃力で、巨大なクジラでも捕食してしまいます。人間にとっても危険な存在と恐れられていましたが……。そんなシャチのギャップを感じる一面が明らかになりました。

カナダ、ニュージーランド、メキシコの国際的な研究チームの研究によると、シャチは人間に獲物をおすそわけしてくれることがあるそうです。研究者が過去20年のシャチのおすそわけ事例を分析すると、世界各地で34件も記録されていました。写真に記録されているものでは、人間にトビエイの肝臓の一部を差し出しているシーンや、船にいた人にイトマキエイを差し出す姿、ゼニガタアザラシを丸ごと一匹渡そうとした場面など……。

提供されたものの内訳は、魚類6種、哺乳類5種、無脊椎動物3種、鳥類2種、 爬虫はちゅう 類1種、海藻1種に及びます。正直、おすそわけされても困るものばかりですが、シャチにとっては貴重な獲物だと思われます。人間にとってハムや果物の詰め合わせのお中元みたいなものかもしれません。

おすそわけの相手は、水中の人間が11件、ボートの上の人間が21件。2件は海岸にいる人間でした。どれもシャチの方から近付いてきて、食べ物を落としていったそうです。危険だと怖がられていたシャチの献身的な行為は、「ごんぎつね」の物語を連想させます。

研究者は「シャチはよく餌を分け合います。これは他者の利益になる行動であり、シャチ同士が関係を築く手段です」と語ります。「人間とも餌を分け合うのは、シャチが人間との関係構築にも関心を持っていることを示しているのかも」とのことで、何か計画的な行動なのでしょうか。ほとんどのケースで、シャチはおすそわけしたあと、人間の反応を観察していたとか。受け取りを拒否したのに、再び食べ物を差し出した事例も7件ありました。人間社会では最初は遠慮して受け取らない、という風習を察しているかのようです。

今までイルカばかりが人間と仲良くしてかわいがられてきましたが、シャチたちは挽回の機会を狙っているのかもしれません。そろそろイルカ一人勝ちの時代は終わりで、シャチと人間が手を組めば最強のパートナーになれる、と……。人間がおすそわけを喜んで受け取ることで、生態系に変化が起こる予感です。

イルカのイメージダウン?

福井県の沿岸で野生の攻撃的なイルカに人がかみつかれるという被害が続出しました。 淋さび しくてかまってほしいのか、海洋汚染など環境問題について人類に警告しているのか。調べたら「かみつきイルカ」は特定の1頭だったようで、この1頭がイルカ全体のイメージを下げかねないインパクトをもたらしました。県は、問題のイルカに発信器を装着、位置情報を把握して、被害を抑止する対策に乗り出しました。イルカは賢いので、いずれ監視されている違和感に気付いて、ショックでますます凶暴化しないことを祈ります……。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏