M5チップ搭載の新型MacBook Pro 結局いつ発売される?
アップルのiPhoneは長年にわたって安定したリリースサイクルを維持しており、Macよりも一貫性がある。ここ数年はMacBookにも同様の年次アップデートが根づきつつあるように感じられたものの、現時点のアップルのロードマップはまだら模様で、MacBook Proの愛好者は想定よりも長く待たされるかもしれない。
MacBook Proの発売時期
Apple Insiderのチームは、2025年から2026年にかけてのMacのロードマップ予想をまとめた。15製品を網羅するこのリストは、2026年のかなり先まで見通した包括的な内容で、注目を集めるM5搭載MacBook ProとM5搭載MacBook Airも含まれている。
しかしながら、このロードマップには正確な発売日が記されていない。例えば、M5搭載MacBook Proのリリースは「2025年後半」とされており、3モデル(おそらくMacBook Pro、MacBook Pro Max、MacBook Pro Ultra)を対象としている。これは毎年の発表の基点とされてきた10月中旬から下旬に収まる可能性もあるし、11月中旬から下旬にずれ込む可能性もある。その場合12月に販売されるノートパソコンはわずかとなり、その大部分は2026年1月に到着することになるだろう。
MacBook Proが先行し、MacBook Airが後に続く
初代AppleシリコンMシリーズでは、新ハードウェアの先陣を切ったのはMacBook Airだった。しかし、M5シリーズでは2025年末に発売されるMacBook Proからスタートする見通しだ。消費者向けのM5搭載MacBook Airモデルは2026年上半期に登場するとみられ、3月頃がこのMacBook Airモデルの発売時期として有力視されている。
13インチと15インチの両モデルが同時に登場すると予想される。
MacBook ProのM5競合相手
アップルのMacBookシリーズだけがM5チップセットを巡ってライバルとなるデバイスではない。昨年、アップルが2024年5月にApple Silicon M4を発表した際には、同時に第7世代iPad Proも披露された。M2搭載の前世代iPad Proと比べて、CPU性能は50%、GPU性能は4倍に向上している。
数カ月間、M4を搭載する唯一のデバイスとしてiPad Proが話題の中心となった。
アップルは、(仮称)M5チップセットを利用するハードウェアはおろか、M5チップセットそのものも、まだ公表していない。しかし、iPad Proが再び初搭載機となる可能性は十分にある。昨年はセルフィーカメラが縦位置から横位置に移動し、Magic Keyboardの追加によってiPadをノートパソコンのように使えるようになったが、縦向きモードを好むユーザーにとってはUXが少々不便になった。
ブルームバーグのニュースレター「Power On」でマーク・ガーマンが指摘しているように、新しいiPad Proのデザインでは縦向きと横向きの両方に対応するセルフィーカメラを装備し、どちらでもロック解除やビデオチャットを快適に行えるようになるという。
iPad Proにも「2025年後半」という幅広い発売時期が示されており、アップルがタブレット、ノートパソコン、デスクトップパソコンを同時に発表するのか、それとも新しいApple Siliconで再びiPad Proを先行させるのかに注目されている。
MacBook Proには価格を抑えた競合も
もう1つ興味深い可能性が浮上している。アップルがMシリーズの技術を使用しないMacBookを出荷するという話題だ。ここ数週間、iPhone向けのAシリーズチップセットを搭載した新型MacBookに関する噂が高まっている。これは性能を抑えたA18チップセットを採用する廉価版MacBookとなる考えられている。
ProやUltraチップセットを搭載するMacBookのように高い性能は求められない。AシリーズはiPadファミリーでデスクトップ級アプリを動かせる柔軟性と能力を実証しており、iPhoneでも同等の性能を発揮している。こうしたことから、ローエンドのmacOSノートには十分以上のスペックといえる。
Aシリーズのチップセットは、iPhoneへの搭載を前提にしているため9月の発表・発売に固定されている。9月のイベントではiPhoneが主役となるため、注目を集めるMacBookがこのタイミングで発表される可能性も低い。
この新型MacBookも、M5搭載MacBook Proと同様に2025年後半から2026年初頭に登場すると考えられている。
MacBook Proのさらなる刷新
M5搭載MacBook ProとM5搭載MacBook Airは、更新されMシリーズチップセットによってプラットフォームにさらなるパワーをもたらす。しかし、多くのアップルファンにとって本当の刷新はこれら2機種ではなく、その次に続くノートブックにある。
M6チップセットを搭載する予定のMacBookでは、多くの人が待ち望んでいるハードウェアの追加とデザインの一新が実現すると見られている。これには、現在のLCDディスプレイから、より鮮やかで省電力なOLEDディスプレイへの移行が含まれる。OLEDディスプレイはハイエンドのWindowsノートでは以前から提供されている選択肢だ。
M6世代のMacBookは、筐体自体の再設計により現行モデルよりも薄型で軽量になると予想される。発売時期がMacBookの20周年と重なるため、このタイミングはブランドを再活性化し、アップルのラインアップにおける位置づけを強化する絶好の機会となるだろう。
MacBook Proに欠けている心臓部
実は重要なピースが1つ欠けている。アップルはまだM5チップセットを発表していないのだ。macOS 26の開発者向けベータ版にその存在を示す情報が含まれているとはいえ、物理的なチップはどこにも見当たらない。昨年のM4は初夏に発表されたが、今年はそのタイミングが過ぎても音沙汰がない。
M5チップセットの発表が遅れているのは、MacBook Proの遅延と表裏一体の関係にある。iPhoneが12カ月サイクルで更新されるのとは対照的に、M4からM5への世代交代は約18カ月に延びつつある。