宇宙人訪問は「科学的にほぼ不可能」──元NASAの捜査官がズバリ
「地球に宇宙人が来ている?……現実を見たほうがいい。場合によっては精神科を受診すべきかもしれません」
宇宙人を信じたいロマン派の気持ちに冷や水をかけたのは、元NASA捜査官であり、現在は弁護士として活動しているジョセフ・ガサインツ氏。
UFOに関する話題が盛り上がりを見せるなか、ガサインツ氏はこの論争に冷静な視点を投げかけ話題になっています。The Economic TimesとTHE TIMES OF INDIAからまとめました。
「宇宙人にさらわれた? 精神科をご紹介しました」
NASAの監察官室に勤務していた当時、彼のもとには「宇宙人に誘拐された」「体内にチップを埋め込まれた」といった通報が数多く寄せられていたそうです。
しかし、彼の対応は一貫してこう。
「証拠はあるのか? 無ければ精神科を紹介するしかない」
きっと、宇宙人にアブダクションされたと訴えた人たちは、勇気を振り絞ってNASAに通報したことでしょう。でも、ガサインツ氏は通報者を馬鹿にしてこんなことをいっているわけではなく、彼なりに思っていることがあるから。
というのも、最も近い恒星系であるアルファ・ケンタウリすら、約4.4光年、すなわち25兆マイル(約40兆キロメートル)先だから、地球に宇宙人が訪れるというのはほぼ不可能なんだそうです。
仮に人類が持つ最速の推進力を用いたとしても、地球まで到達するのにおよそ7万年以上かかる計算になります。
「そんな距離を誰かが移動してくるとは考えにくい。科学に基づいた思考を持ち、過剰な想像は控えるべきです」と彼は語ります。
では、空に浮かぶアレの正体は?
それでは、実際に目撃されている飛行物体の正体とは何なのでしょうか。
ガサインツ氏は、UFOの多くは地球上の「何か」である可能性が高いと主張しています。
たとえば、中国やロシアによる極秘の監視機器、民間のドローン、あるいはアメリカ国内の高度な軍事技術などがその候補として挙げられます。
「宇宙人のしわざに見える多くの現象は、実は人間の技術が進化した結果なのかもしれません」と指摘しています。
米政府は「UFO神話」を利用してきた?
さらに彼は、UFOという存在が軍事開発のカモフラージュとして利用されてきた可能性にも言及します。
たとえば1940年代、アメリカが極秘にステルス機のテストを行っていた際、その目撃情報をあえてUFOの噂として拡散させることで、実際の技術の存在を隠蔽していたのではないかとしています。
「他国に知られたくない軍事プロジェクトほど、空に謎の飛行物体を見せる神話で煙に巻く──それは戦略的なフェイクニュースといえるでしょう」と述べています。
異星人よりも、まず「地球人の影」を疑うべき
ガサインツ氏の話を聞いていると、私たちが空に見上げているものの正体は宇宙の彼方ではなく、むしろ社会の裏側に潜んでいるのではないかと思えてきます。
でも、映画『コンタクト』(1997年)ではワームホールを使って移動していたから、必ずしも7万年以上かからないかも……。それに、ガサインツ氏がUFOの存在を隠すようにしていたりして…。
あ、そんなこと言ったらガサインツ氏に怒られるか。ただ、どれも証拠ないですからね。