なぜ?120年の周期で咲くレアな花 独特すぎる植物「黒竹」とは

なぜ?120年の周期で咲くレアな花 独特すぎる植物「黒竹」とは

120年に1度、花が咲くという「黒竹(くろちく)」の開花ニュースが、ネットで話題となっています。稲穂のような特徴的な見た目の植物に、「120年も花を咲かせない理由は何なのか」「本当に珍しいの?」など、さまざまな疑問が寄せられています。黒竹の独特すぎる生態の理由を、専門家にたずねてみました。(デジタル編集部)

 黒竹は、中国原産で淡竹(はちく)の一種に当たるイネ科の植物です。120年に1度の周期で咲くという花に、花びらはありません。黒い枝から稲穂に似た膨らみを付け、その先からおしべが出る形状となっています。

 千葉県木更津市のフォトスタジオ「写楽館」の茶室庭園でこのほど開花しニュースとなりました。他にも同時期に他県で開花したとの報道があり、「神秘的な植物だ」「どうして長期間、咲かないのか不思議」など、さまざまな反応が寄せられています。

◆植物ならでは、独自の生存戦略

なぜ、こうした植物が生まれたのでしょうか。

 千葉中央博物館の研究員、山本伸子さんによると、周期的に花を咲かせる植物には、独自の生存戦略があるといいます。

 毎年、同じように実を付けた場合、それを食べる動物が繁殖し、結果として食べ尽くされるという懸念が生じます。実がなる「なり年」と、実らない「裏年」を周期的に繰り返すことにより、捕食者の繁殖を防ぐ効果があるのです。

 また、竹は地下茎で増えるため、種子を飛ばさずとも生育地を拡大させることが可能です。このため、一般的な竹であっても、花が咲くのは数十年に1回程度。黒竹の開花周期が長期化した正確な理由は分かりませんでしたが、少なくとも、こうした事情が影響しているとみられます。

 花の咲く周期が、ぴったり120年なのかも気になりますね。山本さんによると、「正確に120年の周期で咲くのか」を研究することは難しいものの、少なくとも「おおよそ100年以上の周期で咲いている」ことは明らかだということです。

◆数が少なく、めったに見られない

ネットでは「よくあることなのでは」といった声も挙がりました。山本さんは「黒竹は本来、日本国内に自生していない」とした上で「園芸用に持ち込まれたものか野生化したものしかなく、数が少ないため開花自体も珍しい」と説明。一方で、同時期に開花が相次いだことについては「同じ黒竹から株分けしたものであれば、同じ周期に花が咲くこともあるのでは」と推測します。

 竹は、花を咲かせた後に一斉に枯れることが多く、根が腐って土砂崩れやネズミの増加が発生するため、一般的には好まれないことが多いです。とはいえ、120年に一度と言われる珍しい現象に、生命の神秘を感じずにはいられませんね。

120年に1度の珍事 黒竹咲く 自然界の神秘に驚き 木更津

120年に1度の周期で咲くといわれる黒竹(くろちく)の花が、木更津市中央1のフォトスタジオ「写楽館」の茶室庭園で開花した。社長の野口義信さん(80)は「一生に1度見ることができるかどうかの珍しい出来事」と驚いている。

 黒竹は、中国原産で淡竹(はちく)の一種のイネ科の植物。花びらはなく、黒い枝から稲穂に似た膨らみを付け、その先からおしべが出る。花を咲かせた後で枯れてしまうが、種が落ち新たな芽が出て再生するという。

 開花に気づいたのは4月下旬ごろ。2016年に庭園を整備した際に黒竹を植えて以来の珍事で「市内の友人宅ではササの花も咲いた。そういう時期なんでしょうか」と野口さんは自然界の神秘を受け止めた。

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