世界最古級の「ハチ」化石4点、それぞれ種類異なる新種…2億3000万年前の地層から
山口県美祢市教育委員会は16日、同市大嶺町の2億3000万年前(中生代三畳紀後期)の地層から見つかったハチの化石4点が、それぞれ種類の異なる新種であることを確認したと発表した。いずれも世界最古級で、全身の姿を残した希少な化石も含まれている。
発表によると、化石は1987~90年に道路工事に伴う発掘調査で採集した約6000点の中にあった。山口大出身で仏・パリ古生物研究センターの大山望研究員が市職員や海外の専門家と共同で研究を進め、羽の構造などから新種であることを突き止めた。
ハチの体長は最大17・2ミリ。4点とも、現在も国内に生息するナギナタハバチ科に分類される。このうち2点は、後に毒針に進化したと考えられている「産卵管」を備えており、大山研究員は「ハチの進化の出発点に位置づけられる重要な化石」と評価している。研究成果をまとめた論文が今年1月、海外で査読付きの学術誌に掲載された。化石の展示については今後、管理者の市教委が検討する。