世界最大のウミガメ、体内から縦横1m超のプラごみ クラゲと間違え食べた可能性 福井県

世界最大のウミガメ、体内から縦横1m超のプラごみ クラゲと間違え食べた可能性 福井県

 福井県内の海岸に打ち上げられた世界最大のウミガメ「オサガメ」の体内から、縦横1メートルを超えるプラスチックシートが見つかった。世界で報告されているオサガメの体内で発見された海洋ごみの中で最大サイズの事例。福井市自然史博物館の出口翔大学芸員らが研究論文としてまとめて海外の専門誌に発表した。海洋ごみは大小にかかわらず、生物に大きな脅威となっていることに警鐘を鳴らしている。

 胃腸内でプラスチックごみが見つかった個体は2022年10月、美浜町の久々子海岸で発見された。甲羅の長さ104.2センチ、幅77.4センチの雄とみられ、解剖したところ106センチ×118センチのプラスチックシートや、日本語が書かれた飲料ラベルが見つかった。

 論文は出口学芸員のほか、国立研究開発法人水産研究・教育機構研究員ら8人による共著。ウェブ上で公開される専門誌「海洋汚染紀要」の211号(24年12月12日刊行)に「オサガメの海洋ごみ誤飲について」と題した論文が掲載された。

 論文では海洋ごみの中でも、特にプラスチックが海洋生物に重大な影響を与えていると指摘。オサガメの死因がごみの摂取によるものかは不明だが、消化器に負担をかける可能性があるとみている。またプラスチックが吸引した有害化学物質を体内で吸収するなど脅威になる。

 オサガメは主にクラゲを食べるため、間違えて食べた可能性があるという。発見されたシートはオサガメの体とほぼ同じサイズで、大きなごみでも誤飲することを示している。ウミガメにとって海洋ごみは大きな脅威となっているものの、アジア地域では海洋ごみがウミガメに与える影響を調査するデータが不足しており、研究が急務となっていると指摘した。

 個体は同館のボランティアグループで骨格標本化し常設展示している。出口学芸員は「アジア地域で海洋ごみがウミガメに与える影響の調査に一歩貢献できたと思う。地元福井で見つかったことから、皆さんが海洋ごみについて考えるきっかけになれば」と話していた。

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