曲がる「ペロブスカイト太陽電池」、世界最高クラスの効率達成…京大などのチーム
次世代太陽電池として注目されている「ペロブスカイト太陽電池」について、世界最高クラスの発電効率を達成したと、京都大や英オックスフォード大などの国際研究チームが発表した。実験レベルで従来のシリコン太陽電池の能力を上回り、さらなる向上も期待できるという。論文が24日、科学誌ネイチャーに掲載された。
軽くてしなやかに曲げられるペロブスカイト太陽電池は、設置場所を選ばないのが利点。重い物を設置できないビルの壁面や倉庫の屋根に取り付けたり、電気自動車(EV)の車体にシールのように貼って充電しながら走らせたりする用途が期待され、量産化に向けた取り組みが進んでいる。
京大化学研究所の若宮淳志教授(材料化学)らは、幅広い波長の光を効率良く利用するため、性質の異なるペロブスカイト結晶の層を複数重ねる「タンデム型」という手法を採用した。化学的な解析をもとに、高品質な結晶を印刷技術で作れるよう、成分の改良も進めた。
実験レベルで計測された発電効率は、2層重ねた時で最大29・7%に到達し、シリコンやペロブスカイトの1層構造の性能(24~27%)を上回った。理論上は35%まで改良できるという。若宮教授は「オックスフォード大のタンデム型の研究と、京大の化学研究の融合で果たせた国際的な成果だ」と話す。
産業技術総合研究所の村上拓郎・有機系太陽電池研究チーム長の話「今回の発電効率は驚くべき値だ。将来的な手法としてタンデム型の検討も進めるべきで、その一歩となる研究成果だ」
ペロブスカイト太陽電池で世界最高クラスの発電効率達成、オックスフォード大と京大の研究が融合
次世代太陽電池として注目されている「ペロブスカイト太陽電池」について、世界最高クラスの発電効率を達成したと、京都大や英オックスフォード大などの国際研究チームが発表した。実験レベルで従来のシリコン太陽電池の能力を上回り、さらなる向上も期待できるという。論文が24日、科学誌ネイチャーに掲載される。
従来の太陽電池は硬くて割れやすいシリコンの結晶を使っている。これを特殊な結晶構造を持つ「ペロブスカイト」と呼ばれる素材に切り替えたのがペロブスカイト太陽電池だ。
軽くてしなやかに曲げられることから、設置場所を選ばないのが最大の利点だ。重い物を設置できないビルの壁面や倉庫の屋根に取り付けたり、電気自動車(EV)の車体にシールのように貼って充電しながら走らせたりする用途が考えられ、量産化に向けた取り組みが進んでいる。
京大化学研究所の若宮淳志教授(材料化学)らは、幅広い波長の光を効率良く利用するため、性質の異なるペロブスカイト結晶の層を複数重ねる「タンデム型」という手法を採用した。化学的な解析をもとに、高品質な結晶を印刷技術で作れるよう、成分の改良を進めた。
実験レベルで計測された発電効率は、2層重ねた時で最大29・7%に到達し、シリコンやペロブスカイトの1層構造の性能(24~27%)を上回った。理論上は35%まで改良できるという。若宮教授は「オックスフォード大のタンデム型の研究と、京大の化学研究の融合で果たせた国際的な成果だ」と話す。
産業技術総合研究所の村上拓郎・有機系太陽電池研究チーム長の話「今回の発電効率は驚くべき値だ。将来的な手法としてタンデム型の検討も進めるべきで、その一歩となる研究成果だ」
パナソニック太陽電池は発電量アップ、暑い夏もしっかり発電
パナソニック エレクトリックワークス社は、新太陽電池モジュール「MODULUS(モデュラス)ブラックモデル」の受注を、2025年4月21日に開始する。ラインナップは「標準/ハーフ/大型」の3タイプ。価格は順に205,700円、107,800円、352,000円(いずれも工事費別)。
太陽電池モジュールの受光面側の配線・電極をなくし、太陽光の取り込み量を従来方式より増加させ、発電量をより向上させるセル化技術「N型バックコンタクト方式」を採用。従来比で、モジュール公称最大出力が最大14%向上している。
また部分影による発電量低下を低減できるほか、熱伸縮による金属疲労や、風・雪からの曲げストレスによるセルへの負荷が軽減し、長期使用におけるリスク軽減が期待できる。
同社によれば、太陽電池モジュールは夏場などで温度が上がると出力が低下する特性がある。新製品は、現行品と比べて高温時の出力低下が少ないことも特徴の1つ。太陽電池モジュール「HIT」と同等レベルの出力温度係数-0.26%/℃により、モジュール温度の上昇による出力の低下を約20%改善する。その効果により新製品の推定年間発電量は、現行品と比較して11%超アップする。
また、標準タイプとハープタイプは、太陽電池モジュール「HIT」から続く外つば工法とコンパクト設計を踏襲し、限られた屋根面積を有効活用できる。
標準タイプの本体サイズは1,542×780×35mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは13kg。公称最大出力は265Wで、モジュール変換効率は22%。