「UFO議連」設立の深刻なワケ 日本近海はUFO多発で「バミューダ化」、晒されている脅威とは

「UFO議連」設立の深刻なワケ 日本近海はUFO多発で「バミューダ化」、晒されている脅威とは

 今月6日、「UFO議連」こと、「安全保障から考える未確認異常現象解明議連」が国会内で設立総会を開いた。会長を務める自民党の浜田靖一元防衛相をはじめ、与野党の国会議員約90人が名を連ねる。なぜいま、UFOなのか。背景には衝撃の理由があった。

 UFOと聞けば、「非科学的」「オカルト」と捉える人も多いのではなかろうか。

「党からは国会で『UFOの質問をするのはやめてね』と、くぎを刺されてきたんですよ」

 そう苦笑いするのは、UFO議連の発案者で事務局長を務める浅川義治衆院議員(日本維新の会)だ。

■よく晴れた秋の夕暮れに目撃

 浅川議員は子どもの頃から、UFOに特別な思いを抱いてきた。というのも、中学生時代に目撃したことがあるからだ。

 当時、天文学者になることを夢見るほど熱心な天文少年だった。よく晴れた秋の夕暮れ、自宅前で見上げたあかね空に、不思議な物体が浮かんでいた。天体でも航空機でも風船でもないことはすぐにわかった。

「望遠鏡で観察すると、月くらいの範囲に角が取れた正立方体が、4、5個かたまって浮かんでいた。それは真っ黒で、上空の西日をまったく反射しない一方、小さな光の点が全部で10個くらい、さまざまな色に点滅していた。その様子をスケッチした」

 母親や近所の人も望遠鏡を覗くと、「確かに、何かあるね」。

 物体は徐々に西に移動し、15~20分後に見えなくなった。その直前、複数の黒い立方体はばらけるように広がった。

「いわゆる『空飛ぶ円盤』ではなかったので、最初はUFOとは認識しませんでしたが、徐々に『UFOだったのかも』と思うようになりました」

■UFOの正体は何なのか

 UFOとはUnidentified Flying Object、つまり未確認飛行物体のことだ。空飛ぶ謎の物体の正体は、何なのか。

 近年、米国では大規模な調査が行われている。2021年11月、国防総省はUFO調査専門部署として「空中物体識別グループ(AOIMSG)」を設立。翌年7月、部署は拡充され、「全領域異常対策室(AARO)」と改称された。ちなみに、これらの機関では、従来の「UFO」ではなく、「UAP」(Unidentified Anomalous Phenomena:未確認異常現象)という呼称を用いている。

■報告書によると半数近くは「気球」

 23年1月、米情報機関を統括する国家情報長官室はUAPに関する報告書を公表した。22年8月時点でのUAPの報告は510件。このうち144件は21年3月までの17年間に報告されたもので、新たに報告された363件のうち、半数近い166件は「気球」だと判明した。

 この結果を知り、記者は「なんだ、UAPの正体は気球か」と、拍子抜けした。

 だが、浅川議員はまったく別の見方をしていた。正体不明の気球について、危機感を抱いていたのだ。

 20年6月、宮城や福島、山形の各県で、上空を白い球状の物体が浮遊しているとの目撃情報が多数、警察に寄せられた。21年9月、青森県で同様の気球が目撃された。これらと似た飛行物体は19年11月、鹿児島県でも目撃されていた。

■「UFOの質問」禁止令

 22年秋、浅川議員は謎の気球について、国会で質問しようとした。

 防衛省や自衛隊はこれらの気球を把握していたのか。打ち上げ場所はどこか。目的は何か。もし、気球が降下して毒物や爆弾を投下したらどう対処するのか。

「ところが、質問の通告をしていたにもかかわらず、直前に党から『UFOの質問と間違えられるから』と、質問を止められてしまったんです」

 浅川議員は3年ほど前から国防総省の動きを踏まえて、内閣委員会や衆院安全保障委員会でUFOを調査する重要性を訴え、体制の不備について質問してきた。しかし、「私が『宇宙人の乗り物であるUFOの話をしている』と、非常に誤解されてしまった」。そして、党からUFOの質問をすることを止められてしまったのだ。

■「中国のスパイ気球」の出現

 ところが、昨年2月4日、浅川議員の活動への見方が一変する事件が起こった。米当局は本土上空を浮遊していた白い球状の物体を、「中国のスパイ気球」と断定して撃墜。同月14日、防衛省は日本領空内で確認された前述の3件の気球型飛行物体について、「中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定される」と発表した。

「これを契機に、党からUFO(UAP)に関する質問をすることを許可されました」(浅川議員)

 さらに同年8月、AAROは西日本から中国沿岸にかけてUAPの報告が頻発していることを明らかにした。公表された地図上に日本近海は赤く塗られ、米国周辺、中東と並ぶ「UAP報告ホットスポット」であることが示されている。それは、怪事件が多発したことで知られる大西洋の「バミューダトライアングル」を彷彿させる。

■未知の兵器が飛行する脅威

「在日米軍がこれらの情報を把握しているのに、防衛省や自衛隊が知らなかったとしたら、由々しきことです。日本の防空識別圏内を他国の未知の兵器や機器が飛行している可能性があるわけで、これは大変な脅威です」

 日本でも米国と同レベルで、UAPの情報を収集し分析する専門部署の必要性が理解されるようになった。

 今月6月、「安全保障から考える未確認異常現象解明議連」が立ち上げられた。議連は「日本版AARO」の設立や、日米間でのUAP情報の共有を目指す。

■ゴジラが出たらどうするか

 設立総会では、AARO開設につながる活動をした元米国防次官補のクリストファー・メロン氏がリモートで基調講演を行った。そのなかでメロン氏は、継続的な監視網が築かれている航空機やミサイルとは異なり、UAPに対処するには硬直した官僚組織では限界があるとして、政治家が関与することの重要性を訴えた。

「UAPは得体の知れない飛行物体です。政治家が主導してその情報を一元管理できる組織をつくらないと、映画『シン・ゴジラ』で描かれたように、いざ未知の生物、ゴジラが現れたとき、縦割り行政ではどこがどう対処するかで右往左往してしまうでしょう」(浅川議員)

 浅川議員はUAPについての報告や研究には、「人権問題」が絡むと訴える。

「偏見を持たれずにUAPを報告したり発言できる環境がないと、『変な人』だと白い目で見られてしまう。それではUAPを報告しようという気持ちにはならないし、精度の高い情報が集まりません」

■報告方法を知っていますか?

 AAROのホームページには軍人や民間パイロット、一般人に対して、UAPに関する報告方法が詳細に記載されている。

 浅川議員の活動がインターネット上で報道されると、「UFOをやる時間があったら、もっと目の前の生活関連の政策をやれ」という内容のコメントがよく書き込まれるという。

「生活の向上をテーマに活動している政治家はたくさんいます。でもUFO、UAPについては私以外、誰もやってこなかった。安全保障上の脅威が確実にあるとわかった今、この問題に手をつけなかったら、将来、もし何か起こったとき、『なぜ、政治も行政も手を打たなかったのか』と非難されるでしょう」

 現在も、UAPに対し「宇宙人の乗り物」というステレオタイプのイメージを持つ議員は少なくないという。ある意味で、それは夢のある話かもしれない。

 しかし、現実には中国や北朝鮮などの軍事的な脅威が関連する、きな臭い話になっているようだ。

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