アップル「Vision Pro」が約60万円で日本上陸。既に「日本語入力」対応、新OSで電車モードも用意
アップルは6月10日(現地時間)に開発者向けイベント「WWDC24」を開催。その中で、日本を含む7カ国で同社のMRヘッドマウントディスプレイ「Vision Pro」の販売開始を発表した。
日本では6月14日からアップル直販サイトで予約開始。6月28日に発売する。直販価格は最小構成の256GBストレージ版が59万9800円(税込)。Vision Proは2023年のWWDCで発表され、2024年2月にアメリカで発売になった。
当初はアメリカのみでの展開で始まったVision Proだが、WWDC24では2024年秋リリース予定の新OS「visionOS 2」も発表されるなど、アップルの長期的に取り組む意図が見て取れる。
日本発売を含めた、WWDC24で発表されたVision Proの新情報をまとめて解説する。
本体や純正アクセサリーの日本販売が開始
WWDC24の基調講演終了後、日本のアップル公式サイトにもVision Proの商品ページが公開され、価格等もわかるようになった。
本体はカラーバリエーションや大きな仕様の違いはない。256GB、512GB、1TBのストレージが用意されており、本体のみの価格(税込)は以下の通り(iPadやApple Watchのようにセルラー版はない)。
256GB……59万9800円
512GB……63万4800円
1TB……66万9800円
本体購入ページでは本体に装着できる度付きレンズ「ZEISS Optical Inserts」(1万6800円〜)、追加保証「Apple Care+」(+8万9800円)などが選択できる。
また、純正アクセサリーとして以下の製品も用意する(いずれも価格は税込)。
Apple Vision Proバッテリー……3万4800円
Apple Vision Proトラベルケース……3万4800円
Apple Vision Proライトシーリング……3万4800円
Apple Vision Proライトシーリングクッション……4800円
Apple Vision Proデュアルループバンド……1万6800円
Apple Vision Proソロニットバンド……1万6800円
U-NEXTやヤフーもアプリ配信へ。日本語入力にはすでに対応
Vision Proには、Macの画面共有機能やブラウザー、写真や動画の鑑賞機能など、独特な機能が豊富にあるが、iPhoneなどと同じようにアプリも追加できる。
アップルは基調講演でVision Proアプリとして、専用アプリが2000以上、Vision Proで使えるiPhone/iPad向けアプリが150万以上あると、その豊富さをアピールした。
気になるのは日本語で利用できたり、日本に馴染みのあるアプリはどれぐらいあるのかと言う点だ。
アップルは日本向けのリリースで、LIFULL、U-NEXT、日本経済新聞社、Yahoo! JAPANといった開発企業が新しいアプリを今月6月にリリースすると公表した。
また、Microsoft 365アプリやDisney+といったグローバル向けアプリが発売と同時に多くの国と地域で使えるようになる。
基本的な使い勝手は、すでにアメリカで発売されたVision Proを入手している西田氏、石川氏のレポートを公開済みだ。
約52万円のApple Vision Proを購入した筆者が「後悔なし」と言い切れる理由
2024年2月2日(現地時間)、アメリカのみで発売されたApple Vision Proをハワイで購入した。
筆者は2023年、アップルの開発者向け会議・WWDCでも同機を体験しているが、改めてApple Vision Proが「未来のコンピューター」であることを実感した。
長時間使用にも耐えられる重さ
Apple Vision Proは256GBモデルで3499ドル(約52万円)と、正直言って相当高価だ。清水の舞台から飛び降りる覚悟でハワイまで行って購入したが、いまのところ後悔は全くしていない。
アップルが時間をかけて開発し、これまでのVR(拡張現実)やMR(複合現実)ゴーグルの欠点を解消し、高い完成度を誇っているのが実感できるのだ。
Apple Vision Proは予約時にiPhoneを使って顔面をスキャンし、バンドやライトシールド(目の周りを覆うパーツ)のサイズを測定。後頭部は伸縮性のあるバンドで覆われる。
そのためか、最初に被った瞬間から、かなりフィットしている。目の前にあるディスプレイ部分は確かに重いが、ベルトでしっかりとホールドされているため、そこまで重いとは感じない。
確かに、もうちょっと軽ければとは思うが「重いから長時間、使えない」ということにはならない。長時間の使用に耐えられる装着感だ。
ちなみに、Apple Vision Proはメガネの併用には対応していない。普段、メガネを利用している筆者はApple Vision Proのためにコンタクトレンズにした。まさに最先端のテクノロジーに人間が寄り添ったカタチだ。
アップルではApple Vision Proに装着して視力を補正できるZEISS製のレンズをオプションで用意している。ただし、アメリカではメガネを購入する際、眼科医の処方箋が必要で、ZEISS製のレンズを購入する際にもオンラインのアップルストアにアップロードが求められる。
また、リアルのアップルストアでは購入できず、配送のみとなる。筆者は仕方なく、シリコンバレー在住の知り合い宅に配送してもらうことにしたため、いまのところ手元には届いていない状態だ。
「目」「手」「声」で使うコンピューター
Apple Vision Proの操作は「目」「手」「声」の3つですることになる。特に感動するのが目と手による操作だ。
Apple Vision Proを被ると、iPhoneで見慣れたアプリのアイコンが浮かび上がる。アプリやメニューなどの選択は「視線」で操作する。使いたいアプリを見つめると、反応するので、右手の人差し指と親指をポンと叩くとタップ状態となり、起動するといった操作方法だ。
この流れが実に快適だ。これまでのVRやMRゴーグルのようにコントローラーを持ち続けたり、手を前に突き出したりする必要がない。太ももの上で、右手の人差し指と親指をポンと叩く動作をしてもしっかりと反応してくれる。
アプリの表示を横に動かしたいときは人差し指と親指をつまんだ状態で、左右に動かせばいい。上下すれば、ウェブページはスクロールしてくれる。アップルがiPhoneで世間を驚かせた「直感的な操作」が空間上でもできている。
文字入力などは仮想キーボードが表示されるので、キーを人差し指で突き刺せば、押しているような音が出て、入力が進んでいく。Bluetoothキーボードも利用できるが、パスワードぐらいであれば仮想キーボードでも問題なく入力できる。
ちなみに、いまのところはメニュー表記などはすべて英語で日本語への切り替えはできない。文字入力も英語のみとなる(編注 内蔵ブラウザーなどでの表示は可能)。
日本のApple IDで設定することも可能だが、AppStoreはアメリカのApple IDしか対応しないため、日本市場向けのアプリはダウンロードできない。ちなみに(国内の電波法に関する認証の)「技適マーク」の表示は確認できなかった。