Apple T2 チップを利用したHEVC(H.265)ハードウェアエンコードは速いがファイルはあまり小さくならない

Apple T2 チップを利用したHEVC(H.265)ハードウェアエンコードは速いがファイルはあまり小さくならない

Charlie Monroe Softwareが、Mac用動画変換アプリ「Permute 3」をリリースし、Apple T2 チップを利用した「HEVC」(H.265)ハードウェアエンコードに対応しています。

MacBook Pro (13-inch, 2018, Four Thunderbolt 3 Ports)/4 Core Intel Core i7/2.7GHz/8GB/1TBSSD/Intel Iris Plus Graphics 655を使用して、MP4-AVC 1920x1080/29.97pの10分動画(480MB)をHEVC (H.265) Medium Quality書き出ししてみました。

まず、通常のソフトウェアエンコード処理を行ってみました。


エンコード時間:424秒、ファイルサイズ:161.1MBという結果になりました。

時間はかかりますが、丁寧にエンコードしてビットレートを下げてるようです。

Permute 3の環境設定にあるHEVC(H.265)オプション「Use Hardware Acceleration」をオンにすると、T2 チップを利用したHEVC(H.265)ハードウェアエンコード処理になります。


エンコード時間:123秒、ファイルサイズ:457.3MBという結果になりました。

CPU負荷が下がり、GPUは使用されていないことがわかります。

ファイルサイズがあまり小さくならないことから、フォーマット変換のみ行っているようです。

QuickTimeを使用してHEVC (H.265) 書き出ししてみました。


エンコード時間:125秒、ファイルサイズ:637.6MBという結果になりました。

Iris Plus Graphics 655は、QSV 6のH.265/HEVC 10/10-bitをサポートしていて、T2と同程度の処理速度ですが、ファイルサイズは元ファイルよりも大きくなります。

今度は、最初にT2チップを搭載した、iMac Pro (2017)/10 Core Xeon W 3.0GHz/64GB/2TBSSD/Radeon Pro Vega 64(16GB)を使用して、同じMP4-AVC 1920x1080/29.97pの10分動画(480MB)を、Permute 3を使用したHEVC (H.265) Medium Quality書き出ししてみました。


CPUエンコードの場合、エンコード時間:197秒、ファイルサイズ:167.8MBという結果でした。

Permute 3の環境設定にあるHEVC(H.265)オプション「Use Hardware Acceleration」をオンにしてエンコード処理してみました。


エンコード時間:120秒、ファイルサイズ:457.3MBという結果でした。

VideoToolbox Frameworkは、Macのハードウェア環境をみて処理を行うようで、T2だけでなくRadeon Pro Vega 64も使用するようです。

QuickTimeを使用してHEVC (H.265) 書き出ししてみました。


エンコード時間:120秒、ファイルサイズ:637.6MBという結果になりました。

Radeon Pro Vega 64は、4K60(デコードと混合)または1080P240をサポートしていて、Iris Plus Graphics 655よりも若干早く、T2と同程度の処理速度ですが、やはりファイルサイズは元ファイルよりも大きくなります。

スーパーハイビジョン (8K, 4320p) など高解像度な映像だけでなく携帯端末向けの映像配信での利用も想定され、H.264/AVCとの比較で約2倍の圧縮性能を有する「HEVC (H.265) 」ですが、映像配信を意識した場合は、CPU処理によるソフトウェアエンコードの方がファイルサイズは小さくなるということが分りました。

Mac、H.265 動画(HEVC)変換速度比較(CPU, GPU, T2)

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