「絶滅種」中国産オオサンショウウオ、水族館にいた…「復活の救世主に」期待も

「絶滅種」中国産オオサンショウウオ、水族館にいた…「復活の救世主に」期待も

 絶滅したとみられていた中国産のオオサンショウウオの一種が、国内の水族館などで計2匹、飼育されていることが遺伝子解析でわかったと、京都大などのチームが発表した。論文が国際科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。チームは「絶滅種復活の救世主になる可能性がある」としている。

 生き残っているのがわかったのは、広島市安佐動物公園とサンシャイン水族館(東京)で1匹ずつ飼育されている中国産の「スライゴオオサンショウウオ」のオス。

 オオサンショウウオの仲間には、日本固有種のほか、中国産のチュウゴクオオサンショウウオなどがいる。

 このうち中国産の2種は外見がほぼ同じで、2019年まで同じ種に分類されていたが、近年の遺伝子研究で近縁の別種と判明。スライゴは、中国では生息地の破壊や食用・薬用の乱獲により絶滅したとみられている。

スライゴオオサンショウウオの生態にはまだ謎が多い(サンシャイン水族館提供)

 国内へは1960年代以降、中国産のオオサンショウウオが食用として持ち込まれ、逃げ出すなどして定着。京都市の鴨川などでは固有種との交雑が進み、問題になっている。交雑の状況を把握するため、チームの西川 完途かんと ・京大教授(動物系統分類学)らは、鴨川水系で生息したり、水族館などで飼育されたりしていた計73匹の遺伝子を調べた。

 その結果、2施設でチュウゴクとして飼育していたのはスライゴだったと判明した。それぞれ単独で飼われているため、現状は交雑の懸念はないという。チームは今後、京大に冷凍保存されているスライゴのメスの細胞を活用した人工繁殖を目指したいとしている。

  広島大の清水則雄准教授(動物生態学)の話 「絶滅したと思われていた種が見つかったのは驚くべき成果だ。謎が多いスライゴの人工繁殖に成功すれば、絶滅の回避や生態の解明につながるかもしれない」

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