恐竜時代の海の王者「モササウルス」の新種と判明 2006年に和歌山・有田川町で発見の化石
和歌山県で2006年に見つかった化石が、恐竜時代の海の王者と呼ばれる「モササウルス」の新種だったことが分かりました。
2006年、和歌山県有田川町の山で、約7200万年前・白亜紀の化石が見つかりました。化石の全長は6メートルほどで、海の生態系の頂点に立っていたことから「海の王者」と呼ばれるモササウルス類のものだと分かっていましたが、和歌山県立自然博物館は、13日、この化石がモササウルスの新属・新種であることが判明したと発表しました。
学名は、「大きい翼」を意味するギリシャ語と「地名」から、「メガプテリギウス・ワカヤマエンシス」と名付けられ、通称は「ワカヤマソウリュウ」です。
特徴は、大きなヒレで、ペンギンやウミガメのように大きく動かして前に進んでいたとみられます。これまでモササウルスは、尾ヒレを左右に動かして推進力を得ていたと考えられていましたが、ワカヤマソウリュウの特徴は仮説を覆す可能性があるということです。
博物館は、来年度にこの化石の特別展示を行うことを目指すとしています。
■モササウルス類とは
水生爬虫類の一種。約9800万年前に出現し、白亜紀後期の海で繁栄しました。ヒレ状の進化した足とサメのような尾ビレを持ち、体長10メートルを超える大型のものも存在。“海の王者”と呼ばれていますが、約6600万年前に絶滅しました。
■ワカヤマソウリュウの学術的な重要性
研究チームによりますと、ワカヤマソウリュウの全身骨格は、モササウルス類の進化の過程を解明していくうえで世界的にみても非常に重要な存在だということです。
・新属新種であること
・尾を除く骨格のほぼすべてが保存され、モササウルス類としては、アジアおよび北西太平洋地域で唯一の全身骨格化石である
・背びれが存在した可能性があること。これまでにそのようなモササウルス類は世界中で知られていない
・モササウルス類が従来考えられていた以上に多様な形状に進化を遂げていたことを示す重要な存在である