アップル、4四半期連続の減収-ホリデー商戦含む今期も停滞か

アップル、4四半期連続の減収-ホリデー商戦含む今期も停滞か

米アップルは既に中国で減速に直面する中、ホリデー商戦を含む10-12月(第1四半期)の売上高が前年同期と同程度になるとの見通しを示した。投資家が期待していた伸びの回復が見込まれないことを示唆した。

ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は2日、アップルの四半期決算発表後の電話会議で、10-12月期にスマートフォン「iPhone」の売上高は増加するが、全体の売上高は前年同期並みになるとの予想を示した。この低調な見通しを受け、株価は時間外取引で一時4.6%下落した。

ウォール街は、アップルにとって常に売り上げが年間最大となる10-12月期の増収率を約5%と予測していた。同社はタブレット「iPad」およびスマートウオッチを含むウエアラブルカテゴリーの売上高が、同四半期に大幅に減少するとの見通しを示した。一方、パソコン「Mac」は加速が見込まれている。

アップルが2日発表した7-9月(第4四半期)決算では、売上高が減少。これで4四半期連続での減収と、2001年以来の長期低迷となった。パソコン市場の低迷や中国での需要鈍化が響いた。

7-9月の売上高は895億ドル(約13兆4700億円)に減少。市場予想の平均は894億ドルだった。アップルは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の際に採用した方針を維持し、10-12月期に関して正式なガイダンスを提示しなかった。

中国市場の減速

今回の決算は、アップルにとっての中国市場が懸念されていた以上に減速していることを示唆する。中国政府は一部の職場で米国のテクノロジーの使用を禁止しているほか、華為技術(ファーウェイ)の新型スマホが新たな競合製品となっている。中華圏の売上高は151億ドルと、前年同期から小幅に減少したほか、一部のアナリスト予想の170億ドルを大きく下回った。ティム・クック最高経営責任者(CEO)はMacやiPadの売り上げ減少、為替変動を理由に挙げた。

同社は7ー9月期にiPhoneの新モデルを発表。同四半期には、9月22日の発売後1週間強の販売データが含まれる。

iPhoneの売上高は438億ドルと、市場予想の平均(437億ドル)を若干上回った。また、クックCEOはアナリストとの電話会議で、中国本土のiPhone売上高が四半期ベースで過去最高になったと述べた。1株利益は1.46ドルと、市場予想(1.39ドル)を上回った。

クック氏はまた、同社が生成人工知能(AI)に「かなり」投資していると指摘。「時間の経過とともに製品の進歩が見られるだろう」とし、こうしたテクノロジーが製品の中核になるとの考えを示した。

パソコン「Mac」の売上高は76億1000万ドルで、市場予想(87億6000万ドル)に届かなかった。

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