NASA、小惑星プシケへ向かう探査機サイキ打ち上げ…内部に金?「1000京ドル」の価値
米航空宇宙局(NASA)は13日午前10時20分(日本時間13日午後11時20分)頃、小惑星プシケへ向かう探査機サイキを米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げた。プシケは鉄やニッケルなどで構成されているとみられ、こうした金属質の小惑星に接近して調べる世界初の探査となる。
プシケは楕円(だえん)形で、最大幅約280キロ・メートルの巨大小惑星。火星と木星の軌道の間にある「小惑星帯」に位置し、約5年かけて周回している。
内部には金も含むと考えられ、米メディアによると、プシケの価値は1000京(けい)ドル(京は兆の1万倍)になるという。日本円では15垓(がい)円(垓は京の1万倍)に相当する。
今回は資源獲得ではなく、地球のような惑星の中心部分と同質とみられるプシケを調べ、惑星の形成過程などの手かがりを得ることが目的だ。
サイキは2029年にプシケへ到着し、周囲を飛行しながら2年2か月、表面観測を続ける。
NASAのビル・ネルソン長官は「探査でプシケについて多くを学び、そしてダイヤモンドやルビーも見つけるかもしれない」と冗談を交えて期待を示した。
プシケはギリシャ神話に登場する女神の名前で、サイキはプシケの英語での読み方。