「ティラノもどき」見つけた 福井の羽毛恐竜化石、新種と認定

「ティラノもどき」見つけた 福井の羽毛恐竜化石、新種と認定

 福井県立恐竜博物館は8日、同県勝山市にある白亜紀前期(約1億2000万年前)の地層で発見された恐竜化石が新属新種と認められたと発表した。「オルニトミモサウルス類」に属する羽毛恐竜で、国内での同類の新種確認は初という。骨盤にある腸骨の特徴がティラノサウルスに似ていることから、学名は「ティラノミムス・フクイエンシス」(福井産のティラノもどき)と命名された。

 ◇足速く草食か

 オルニトミモサウルス類は獣脚類に属する恐竜の一群。「ダチョウ恐竜」の名でも知られ、草食や雑食で一般的に体は羽毛に覆われている。小さい頭や細長い後ろ脚を持ち、速く走ることが得意だったとされる。同館によると、アジアやアメリカなどでは約20種が確認されている。

 新種と確認された化石は1998~2019年に「手取(てどり)層群北谷層」と呼ばれる地層で発掘された頭骨や脊椎(せきつい)など計55点。複数個体の化石だが、平均して体長約2メートル、体重20キロ程度だったとみられる。18年に28点の化石が出たことで研究が加速した。

 当初は腸骨にある特徴的な隆起から肉食のティラノサウルス類と考えられていたが、恥骨も含めた構造からオルニトミモサウルス類と判断。さらに、上腕骨に他のオルニトミモサウルス類には無い直径約1ミリの穴があり、新種と分かった。穴は骨内に入る血管の通り道の可能性が高いという。恐竜の新種確認は国内11例目で、同県では6例目となる。

 同館の研究者6人が執筆した論文が7日、オンラインの国際学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。筆頭著者の服部創紀研究員(35)は「最初の発見から約20年後に分類の決め手となる化石が発見された。継続した調査の成果だ」と喜んだ。

 また「肉食恐竜が主流だった獣脚類に、いつどのように草食や雑食のグループが出現したかはっきりしておらず、その手がかりにもなり得る」とした上で、「歯は未発見で何を食べていたか分からないので、今後の調査でさらに生態を明らかにしていきたい」と意気込みを語った。

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