アップル初代コンピューター、「史上最高」9700万円で落札

アップル初代コンピューター、「史上最高」9700万円で落札

米アップル(Apple)製コンピューターの原型となった「アップル1(Apple I)」が22日、ニューヨーク(New York )の競売大手ボナムズ(Bonhams)でオークションに掛けられ、予想落札価格の2倍近い90万5000ドル(約9700万円)で落札された。コンピューターの落札額としては史上最高額だという。

 ボナムズによると出品されたアップル1は、アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak)氏が1976年夏、故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏の実家のガレージか同氏の妹の寝室で組み立てた50台のうちの1台。状態は非常に良く、マザーボード、キーボード、三洋(Sanyo)製モニター、木製の箱に収められた電源部、カセットテープインターフェース2つとセットで出品された。

 落札したのはミシガン(Michigan)州ディアボーン(Dearborn)にあるヘンリー・フォード博物館(Henry Ford Museum)という。アップル1は、組み立て済みで販売された世界初の個人用コンピューターで、パソコン(PC)の先駆けとされている。

コンピュータ界の奇跡! 起動する「Apple I」がオークションに出品

昨今、新しい商品がリリースされるスピードは、どんどん速くなっているように感じます。去年のものはもう古い、数年前ならばヴィンテージ。そうなってくると難しいのは、新しいものを手に入れることではなく古いものを手に入れること。何十年も前の、それも多くのファンを持つブランドの伝説とも呼べるマシンを手に入れるなんて、奇跡とよんでいいでしょう。

Mac Rumorsによると、ドイツのオークションハウスBrekerに5月20日に出品されるのは、なんと「Apple I」。1976年、Appleの創業者の2人であるスティーブ・ジョブズ氏とスティーブ・ウォズニアック氏が作ったAppleによる初のコンピューターです。200台作られたうち、売れたのは175台、これがすべての始まりでした。

こちらがAUCTION TEAM BREKER KÖLNが公開している、今回出品される実際のApple I。しかも出品されるのは、ただのApple Iじゃありません。動きます、使えます。その上、マニュアルも残っているし、マザーボードとカセットレコーダーのレシートもあるとのこと。さらに、ジョブズ氏とウォズニアック氏と交わした電話の会話録音記録までついているという、奇跡の大盤振る舞いセットです。

現存するApple I初代キットは50台から60台、実際に起動できるのはたったの8台と言われています。そして出品されるのはそのうちの1台とみられます。Apple Iはマザーボードキットとして販売されたので、購入者は自分で周辺機器を用意して箱を組む必要がありました。例えば、スミソニアン博物館に展示されているApple Iモデルはこんな感じ。

1976年当時のApple Iの販売価格は、666.66ドル(当時の相場で20万円ほど)でした。もちろん、月日を経てレア度の増したマシンですから、現在はそれ相応の価格となります。欲しいと思った人のために参考価格を。

2012年6月にSotheby'sに出品された使用可能状態のApple Iの落札価格は37万4500ドル(当時約3,000万円)。2013年5月、Brekerに出品されたときの落札価格は67万1,400ドル(当時約6,700万円)。2014年10月、Bonhamsのオークションでは90万5,000ドル(当時約9,700万円)。今回のオークションでは一体どれほどの値がつくのでしょう…。

Original-"Apple-1 Computer", 1976 for sale 20 May 2017

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