マツタケのゲノム完全解読 生態の仕組み、解明期待 かずさDNA研と東大

 マツタケの全遺伝情報(ゲノム)を完全解読し、約2万1900個の遺伝子を特定したと、かずさDNA研究所(千葉県木更津市)と東京大の研究チームが8日発表した。マツタケ特有の香りと味を生み出す遺伝子や、アカマツなどの根の周辺に生える詳しい仕組みを解明するのに役立つと期待される。論文は国際的な科学誌DNAリサーチ電子版に掲載された。

 マツタケは生きたアカマツなどの根と養分をやりとりして共生する「菌根菌」で、「シロ」と呼ばれる菌糸の集団から食用部分の子実体が生じる。シイタケやナメコが伐採した木で人工栽培できるのに対し、マツタケは生育環境を再現して人工栽培するのが難しい。林業の衰退や「マツ材線虫病」によるマツ枯れなどで収穫量が減少しており、保全や人工栽培技術の開発が課題となっている。

 ゲノムの解読作業は、長いDNAの塩基配列を細切れにし、解析装置で読んでからつなぎ合わせるが、マツタケは同じ配列の繰り返し部分が非常に多く、完全解読が困難だった。研究チームは長い配列でも読める最新技術を採用。長野県伊那市で採れたマツタケのゲノムを解読した結果、約1億6000万塩基対のDNAが13本の染色体に分かれており、たんぱく質を生み出す遺伝子が2万1887個あると分かった。

 かずさDNA研究所の白沢健太室長は「マツタケが年により採れたり採れなかったりする理由や、国産と外国産の遺伝子レベルの違いも分かるようになる」と話している。

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