円安でアップル製品の値上げはある? 「20%安くみえる」製品も

円安でアップル製品の値上げはある? 「20%安くみえる」製品も

毎日のように「円安」や「値上げ」を報じるニュースが続く中で、そろそろアップル製品にも値上げがあるのではないか、心配する声が増えています。決算の数字と日米の価格差から、アップル製品の価格に何が起きているのか考察してみます。

為替の影響で売上高がマイナス成長に

アップルは米国の会社なので、日本など米国以外での売上高はドルに換算して計上されています。しかしドルが高くなると、1ドルを得るのにより多くの外貨が必要になるため、見かけ上の売上が減ってしまいます。

アップルが発表した1-3月期の決算では、売上高が前年同期比で日本はマイナス0.2%、その他のアジア太平洋地域ではマイナス6.7%という結果になりました。

この四半期(2021年12月26日〜2022年3月26日)にiPhone SEやiPad Airの新モデルが投入されたことを考えると、やや不可解な数字です。

その理由について、アップルCFOのルカ・マエストリ氏は「日本とアジア太平洋地域は為替の影響を受けている」と決算発表後のカンファレンスコールの中で説明しています。

為替の影響を除けば、「日本での成長率はアップルの他の地域と同程度」とも語っています。日本を除いた成長率はプラス8.6%であることから、もし日本も同じくらい成長したと仮定すると、売上に与えた影響は900億円近くになります。

また、この四半期は3月26日で終わりましたが、最終日の終値は1ドル=122.08円でした。その後は1ドル130円前後まで円安が進んでいることから、為替の影響は次の四半期(4-6月期)で拡大する恐れがあります。

このままでは株主からドル高にあわせて値上げを求める声が高まるのは必至でしょう。しかし単純に値上げをすると、売れ行きが鈍る恐れもあります。どうすれば利益を最大化できるのか、いまアップル社内ではそろばんを弾いているのではないでしょうか。

「20%安くみえる」iPad Proも

そもそも日本でのアップル製品の価格はどのように決まっているのでしょうか。詳細は公表されていないものの、為替相場と照らし合わせてみると、発表日のおよそ数ヶ月前の為替レートを基準に設定しているように思われます。

製品によっては日本と米国で仕様が異なるものがあり、あくまで単純化した計算ではありますが、過去の事例から、毎年秋に発表される新型iPhoneの価格は初夏の為替相場から予想できます。

もし1ドル=130円の水準で落ち着くと仮定すると、「iPhone 14」(仮称)の価格は最小容量で税込11万円を超えることになります。(このあたりはマイナビニュースの記事で解説しています)。

ほかにもアップル製品の多くは2020年〜2021年ごろから価格が変わっていないために、日本での価格はどんどん「安く」なっています。

たとえば2021年4月発表の「iPad Pro」では、11インチのセルラー版、128GBのモデルが税込11万2800円です。米国では税別999ドルなので単純計算で1ドル=102.65円。これは2020年末から2021年初頭にかけての相場に近い数字です。

この価格を1ドル=130円で計算し直してみると税込14万2800円になることから、日本では米国より3万円(21%)安く買えることになります。

iPhoneの本体価格としては「iPhone 12 mini」の安さが際立っています。2021年秋の大幅値下げの時点ですでに安かったのですが、1ドル=130円で換算すると米国との差は18%もあります。

中には第3世代iPhone SEのように6%程度しか安くないものもありますが、主要製品の為替レートを計算すると1ドル=110円程度となり、1ドル=130円のいまとなっては、多くの製品が15%ほど安くみえています。

あくまで為替の影響であり、これが「お買い得」といえるかどうかは微妙なところですが、過去の事例から予告なしに値上げされる可能性もあります。夏のボーナスを待たずに買い物すべきかどうか、悩ましいところです。

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