駿河湾に1メートル超の深海魚 「ヨコヅナイワシ」と命名 海洋機構ら研究チーム

駿河湾に1メートル超の深海魚 「ヨコヅナイワシ」と命名 海洋機構ら研究チーム

 静岡県沖の駿河湾で、海洋研究開発機構などの研究チームが全長1メートルを超える新種の深海魚を発見した。駿河湾の深海で食物連鎖の頂点に君臨し、体長30センチ程度の「セキトリイワシ」の仲間の最大種とみられることから、「ヨコヅナイワシ」と命名した。報告をまとめた論文が25日、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。

 「日本で一番深い湾」として知られる駿河湾の生態系は未解明な部分が多い。チームは2016年、底はえ縄漁で調査し、水深約2100~2600メートルの深海から計4匹の未知の大型魚を釣り上げた。全長は1・22~1・38メートル。うろこは鮮やかな青色で、「生きた化石」とも呼ばれる深海魚シーラカンスをほうふつとさせる姿だった。

 コンピューター断層撮影(CT)や遺伝子解析を実施した結果、大相撲の関取が名前の由来とみられるセキトリイワシ科に分類される新種と判明。胃の内容物の分析から、他の深海魚を捕食し、生態系の頂点に位置していることも分かり、横綱にちなんで命名した。

 チームは海底で泳ぐ姿の撮影にも成功。高い遊泳能力と大きな口を生かして捕食しているとみられるという。

 深海は海の中で最も広大な領域だが、浅い海域におけるシャチのような生態系の頂点に位置する捕食者は海域によって異なり、ほとんど知られていない。海洋機構の藤原義弘・上席研究員は「漁業はより深い海で行われるようになっているが、頂点捕食者が漁によって絶滅の危機にひんすれば、生態系のバランスが大きく崩れる可能性もある。深海の頂点捕食者の種類や役割を調べ、海の持続的な利用につなげていきたい」と語る。

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