コンプレッサーとは?ヒートポンプの構成

ヒートポンプの構成

ヒートポンプは、圧縮機、膨張弁そして熱交換器で構成する簡単なシステムです。。その構成の中で、圧縮機はヒートポンプの心臓部に当たり、その圧縮機の機械の性能がヒートポンプの性能を左右します。圧縮機には様々な種類があり容量、温度、用途に応じた製品を使用します。

ヒートポンプ式自己熱再生乾燥機 KENKI DRYER においても使用する圧縮機の種類の選定は、システム構築に当たり最も重要です。

気体を吸い込み、吸い込んだ気体の圧力を上昇させて、吐き出し口から吐き出す機械を、送風機あるいは圧縮機(コンプレッサー)と言います。最大吐出圧力により 送風機・ファンと圧縮機(コンプレッサー)に分類され、ブロワは送風機と圧縮機(コンプレッサー)の中間的な存在ですが。分類としては現在は圧縮機に含まれています。

送風機・ファン 吸い込み圧力が大気圧の場合、最大吐出圧力111.4kPa未満。
圧縮機
(コンプレッサー)
ブロワ 吸い込み圧力が大気圧の場合、最大吐出圧力111.4kPa以上202.6kPa未満。
吸い込み圧力が大気圧の場合、最大吐出圧力202.6kPa以上。

■ 圧縮機(コンプレッサー)の分類

ブロワ

ターボ式 遠心式
軸流式
容積式 ルーツ式

圧縮機(コンプレッサー)

ターボ式 遠心式  
軸流式  
容積式 往復式
(レシプロ式)
ピストン式
ダイヤフラム式
回転式
(ロータリー式)
スクリュー式
スクロール式

■ 膨張弁

ヒートポンプの膨張弁は断熱膨張にて気体の圧力を下げ蒸発、気化させ温度を低下させます。膨張弁で蒸発、気化が開始され次の工程の熱交換器での熱移動でさらに蒸発、気化が行われます。膨張弁から熱交換器までの工程で十分に気体を蒸発、気化させることにより、熱交換の次の圧縮工程がスムーズに行えます。

膨張弁は断熱膨張で気体の圧力を下げることにより気体内の液体を気体へ相変化、状態変化させますが、その際に周辺の熱を吸収することにより温度を下げています。次の工程の熱交換器ではこの熱の移動を行うことでさらに相変化、状態変化を行います。その際の熱は蒸発熱、気化熱と呼ばれこれらの熱を熱交換器で十分に利用することにより次の圧縮機の断熱圧縮をスムーズに行うことができます。

この膨張弁の構造は簡単で気体の通路を絞ることで圧力を下げ温度を下げています。膨張弁では、次の工程の熱交換器で熱移動を十分に行えるよう弁の絞り具合を調整する必要があります。しかし、膨張弁に投入される気体の圧力、量等が常に一定でない場合があり、その場合、膨張弁を変動に合わせその都度調整する必要があります。この調整は人力に頼ることなくは自動制御で行うことが可能で自動調整の膨張弁は既に数多く製品化され使用されています。

■ 熱交換器

ヒートポンプは外部からの熱の供給なしに、気体の相変化、状態変化で熱を発生させ、その熱の移動を利用したシステムです。気体の圧縮あるいは膨張により発生した熱は熱交換器で移動することで利用されています。例えば、エアコンであれば気体を膨張させ圧力を下げることで温度を下げ熱交換器で熱移動を行い冷風を発生させます。又、気体を圧縮し圧力を上げることで温度を上げ熱交換器での熱移動により温風を発生させています。

ヒートポンプの熱交換器は熱移動により膨張、圧縮により発生した熱を利用している装置です。この熱交換器での熱移動でヒートポンプ内で発生した熱を十分に利用することで膨張、圧縮工程がスムーズに行えます。

ヒートポンプの工程では、膨張弁で蒸発、気化された気体を熱交換器での熱移動によりさらに蒸発、気化させます。熱交換器の熱移動で気体をなるべく蒸発、気化することにより、次の工程の圧縮機での凝縮、液化がスムーズに行えます。一方、圧縮機で凝縮、液化された気体は熱交換器での熱移動によりさらに凝縮、液化が進みます。十分に凝縮、液化された気体は次の工程の膨張弁での蒸発、気化がスムーズに行えます。

ヒートポンプはこれらの工程が繰り返し行われ、外部から熱を供給されることなく気体の相変化、状態変化での熱を利用しています。従来の石油等の化石燃料を利用した熱利用と比較すると、熱効率に優れ数倍の省エネルギー化が図れ、二酸化炭素CO2 排出量がかなり少なく環境負荷が非常に小さなシステムです。

ヒートポンプの工程について / KENKI DRYER 2020.7.8

コンプレッサーとは

 省エネ化が進むエアコンと冷蔵庫には、いずれも「コンプレッサー(圧縮機)」という装置が共通して搭載されています。コンプレッサーは機器の内部に組み込まれているため、一般ユーザーが目にする機会はほとんどありませんが、エアコンや冷蔵庫だけでなく、エコキュートや一部の洗濯乾燥機などの“ヒートポンプ家電”を動かすためには必須の装置で、省エネ化するための重要な役割を担っています。

●ヒートポンプを循環するための“心臓部”

 コンプレッサーとは、エアコンや冷蔵庫などに組み込まれる「ヒートポンプ」装置において、冷媒を圧縮(=compress)するための部品のことです。

 「ヒートポンプ」については以前当連載でも紹介しましたが、簡単に言えば冷媒を移動することで、特定の場所から熱を奪い、その熱を別の場所で放出する装置のことです。コンプレッサーは、この冷媒を循環させる「ポンプ」のような役割を果たしています。

 コンプレッサーは、ヒートポンプのサイクルの中で、冷媒を圧縮します。この時、冷媒は気体となっていますが、気体は圧力が高くなると、それに伴って温度も高くなる性質があります。そのため、圧縮後の冷媒は高温・高圧の状態となっています。この熱を使って、エアコンの暖房運転やエコキュートの給湯は行なわれるわけです。

 熱を失った後の冷媒は、毛細管、膨張弁、蒸発器といった装置を経て減圧され、気体へと変わります。冷媒が液体から気体へと変わる際に、冷媒は周囲の空気の温度を奪います。この冷気を、エアコンでは冷房に、冷蔵庫では冷蔵や冷凍として使用します。そして、気体となった冷媒は、再びコンプレッサーが圧縮するというサイクルになっています。

 ヒートポンプがエアコンや冷蔵庫の“心臓部”なら、コンプレッサーはヒートポンプのさらに“心臓部”に当たる存在と言えるでしょう。

インバーターでモーターを調節し省エネ。コンプレッサー自体のエネルギーロスも抑制

 冒頭も述べたとおり、コンプレッサーは、コンプレッサーはヒートポンプを採用した家電、つまりエアコンや冷蔵庫の省エネ性能の差に深く関わってきます。

 というのも、コンプレッサーは基本的にモーターを利用して動きますが、このモーターが高速で動作できれば、素早く冷媒を圧縮でき、ヒートポンプで作り出す冷気・熱のパワーが高まります。逆に、モーターを低速で動作させれば、冷気も熱も弱まります。ヒートポンプのモーターの回転数制御が、省エネの重要なポイントとなります。

 従来のコンプレッサーのモーター制御は、単なるON/OFF制御でした。そのため、コンプレッサーを動作させると常にフルパワー動作となってしまい、細かな温度制御ができないばかりか、消費電力も高くなっていました。そこで、細かくコンプレッサーのモーター動作を制御するために採用されるようになったのが「インバーター」です。インバーターの導入により、コンプレッサーのパワーを自在に制御できるようになって、細かな温度制御が可能となり、無駄な電力消費が抑えられる、ということになります。

 また、コンプレッサー自体を効率化することで、省エネ効果をアップすることもできます。

 コンプレッサーが冷媒を圧縮するにはさまざまな方法があり、例えばエアコンで搭載されることの多い「スクロール式」「ロータリー式」は、スクロール式は、渦巻き状のパーツを2つ組み合わせて、冷媒を巻くように、ロータリー式は、円形のピストンを回転させながら冷媒を圧縮します。また、冷蔵庫で搭載される「レシプロ式」は円筒形のシリンダー内をピストンが往復することで冷媒を圧縮するという簡単な構造となっています。

 しかし冷媒の圧縮時には、コンプレッサーを回転させたり動かしたりすることで、摩擦などによる機械損失が発生してしまいます。そのため、各社ともエネルギーのロスが少なく、効率に優れるコンプレッサーの開発に力を注いでいます。

【圧縮機】の、ここだけは押さえたいポイント

・エアコンや冷蔵庫などに搭載されたヒートポンプを動かすための“心臓”

・冷媒を圧縮し、ヒートポンプのサイクル内を循環する機械

・インバーターにより回転数を制御することで、細かい温度調節が可能に

・省エネ化のため、圧縮時のエネルギーロスが抑えられるよう改良が進んでいる

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏