7月 20, 2000年 アップル、革新的なPower Mac G4 Cubeを発表

プレスリリース7月 20, 2000

アップル、革新的なG4 Cubeを発表

Power Mac G4 Cube、8インチキューブにG4のパフォーマンスを凝縮

2000年7月20日—アップルは本日、洗練されたクリアな筐体で覆われた8インチ(約20cm)のキューブにPower Mac G4のパフォーマンスを提供する、コンピュータの全く新しい形である「Power Mac G4 Cube(パワーマックジーフォーキューブ)」を発表しました。450 MHzのPower Mac G4 Cubeは8月中旬より、アップルのオンラインストアであるApple Store(https://www.apple.com/japanstore)およびアップルの正規販売代理店を通じて、198,000円(Apple Storeプライス、税別)で販売されます。また、500 MHzのPower Mac G4 CubeはApple Storeで278,000円(Apple Storeプライス、税別)で販売されます。G4 Cubeは、一般の多くのパソコンの4分の1以下のサイズでありながら、1秒間に30億回以上の浮動小数点演算能力(Gigaflops:ギガフロップス)により、スーパーコンピュータの処理能力を実現するVelocity Engine(ヴェロシティエンジン)を組み込んだ、450MHzのPowerPC G4プロセッサを搭載しています。

「G4 Cubeはまさに最高のコンピュータです」とアップルのCEO(最高経営責任者)、スティーブ・ジョブズは語っています。「これはコンピュータの全く新しい形であり、Pentiumを圧倒するPower Mac G4のパフォーマンスを小型化し、冷却ファンのない静かな操作性、そしてiMacのエレガントなデスクトップデザインを融合させたものなのです。これはまさにエンジニアリングとデザインの妙技であり、本日、皆さんにお披露目できたことを嬉しく思います。」

Power Mac G4 Cubeは、ファンが必要ない、画期的な冷却設計を用いているため、事実上、完全な無音で動作します。冷却はキューブ中央の垂直冷却管を空気が流れることによって行われます。さらに、キューブを形成するすべての電子装置は、数秒で筐体から取り出すことが可能で、主要なコンポーネントへのアクセス、メモリや AirMacカードの装着が簡単にできます。

G4 CubeはVelocity Engineが搭載された450 MHzのPowerPC G4プロセッサ(Apple Storeでは500 MHzのG4 Cubeも提供)、1.5GBまで拡張可能な64MBのメモリ、20GBのストレージ(Apple Storeでは最大40GBまでコンフィグレーション可能)、簡単にアクセス可能なG4 Cube上部のスロットローディング方式DVDドライブ、FireWireおよびUSBポート(各2ポート)、10/100 BASE-T Ethernetおよび56K V.90モデムを標準搭載しています。

Power Mac G4 Cubeは、新しいアップルのオプティカル(光学式)マウス「Apple Pro Mouse(アップルプロマウス)」と「Apple Pro Keyboard(アップルプロキーボード)」、そしてアップルのデザインによるハーマンカードン製スピーカーと共に提供されます。Apple Pro Mouseはほとんどすべての素材の表面において、マウスパッドなしで正確なポインタ位置を表示することが可能で、人間工学に基づいた、全面ボタンと使いやすい長円形をしています。アップルは、すべてのデスクトップ製品に標準でオプティカルマウスを提供する、最初のコンピュータメーカーとなります。また、新しいApple Pro Keyboardは、フルサイズのファンクション、カーソル、ボリュームコントロールおよびメディアイジェクトキーを装備し、USBポートを2基搭載しています。

また、G4 Cubeには、世界で最も人気のある、使いやすいコンシューマ向けデジタルビデオ編集ソフトウェア、「iMovie 2(アイムービー2)」があらかじめインストールされています。iMovie 2はさらに使いやすい洗練されたユーザインターフェイス、劇的に強化されたオーディオ編集機能、向上した字幕タイトルや場面転換、特殊効果コントロール、そしてビデオクリップのスピードアップやスローモーション、セピアトーンやソフトフォーカスなどの新しい特殊効果が追加されました。

また、アップルは本日、新しいG4 Cubeにマッチする、完全に新しいディスプレイラインアップを発表しました。新しいディスプレイは、「AppleStudio Display(アップルスタジオディスプレイ)17インチCRTモデル(表示可能領域は16インチ)」、「Apple Studio Display 15インチフラットパネルモデル」、そして、これまで市場に投入された最大のLCDディスプレイの「Apple Cinema Display(アップルシネマディスプレイ)22インチフラットパネルモデル」です。それぞれのディスプレイはケーブルの取り回しによる煩わしさを解決する、3つの特長を備えています:

コンピュータ本体から電源が供給されるので、ディスプレイ専用の電源コードが不要

キーボード、USBスピーカー、デジタルカメラなどのUSB機器との接続に便利な、自己電源型のUSBハブ(2基)を搭載

画期的な新ケーブル/コネクタ「Apple Display Connector(ADC:アップルディスプレイコネクタ)」により、アナログおよびデジタルのビデオ信号、USBのデータおよび電源供給が1ケーブルで行え、快適な接続が得られます。

価格と販売について

450 MHzのPower Mac G4 Cubeは8月中旬より、アップルのオンラインストアであるApple Storeおよびアップルの正規販売代理店を通じて、198,000円(Apple Storeプライス、税別)で販売されます。また、500 MHzのPower Mac G4 CubeはApple Storeで278,000円(Apple Storeプライス、税別)で販売されます。

【アップルについて】

アップルはApple IIで1970年代のパーソナルコンピュータ革命に火をつけ、80年代にはMacintoshによって、再び、全く新しいパーソナルコンピュータを創出しました。アップルは、世界中の学生、教育者、プロフェッショナルクリエータそしてコンシューマに、革新的なハードウェア、ソフトウェア、およびインターネット関連の製品・テクノロジーを通じて最高のパーソナルコンピューティング環境を提供しています。

© 2000 Apple. All rights reserved. Apple, the Apple logo, Mac, Mac OS and Macintosh are registered trademarks of Apple Computer,Inc. iBook, iMac, iMovie and The Apple Store are trademarks of Apple Computer, Inc. Additional company and product names may be trademarks or registered trademarks of the individual companies and are respectfully acknowledged.

祝 Macintosh 30周年!! Appleの真骨頂デザインPower Mac G4 Cube|Mac

 みなさん、こんばんは。MacPeople元・編集長の吉田でございます。1984年1月24日に初代Macintoshが誕生して2014年で30周年。MacPeople編集部では短期集中連載として、初代Macから最新のMac Proまでに盛り込まれたテクノロジーについてひも解いていきます。

 17回目に取り上げるのは、Power Mac G4 Cubeです。性能に比べて価格が高く、各種不具合もあったので商業的には成功しなかったマシンでしたが、四角柱のボディーが立方体のロジックボード一式、ファンレス機能など、意欲的にデザインが盛り込まれたマシンでした。

Power Mac G4 Cube

 オープンドアタイプのタワー型マシンが発売される中で、当時から異色だったPower Mac G4 Cube。スティーブ・ジョブズの執念が生んだとも言える本モデルはMacの長い歴史の中でいまだに異彩を放っている。

静粛なファンレス設計

 特徴的な外観のデザイン以外にも、初代Macintoshと同じように対流による自然空冷方式を採用していたことも、注目すべき項目のひとつだ。ただし初代Macとは異なり、ハードディスクを本体に内蔵していたため、まったくの無音というわけにはいかなかった。電源ユニットを外付けにすることで全体の発熱量を下げ、なんとか実現に漕ぎ着けた設計だろう。

 ただしハードディスクを内蔵し、クロック周波数が450MHz、さらにGPU「ATI RAGE 128 Pro」を搭載していたG4 Cubeの発熱量はそれほど少ないものではない。そもそもこの時代のマシンを自然空冷で使うこと自体、無理があったと言わざるを得ない。特に室温が高くなる夏場は厳しく、発熱による誤動作はユーザーの悩みの種だった。また、軽く触れるだけで電源が入るタッチ式電源スイッチの不具合や、製造工程時に透明ケース部分にまれに入る微細なスジの問題などを抱え、アップルはわずか1年ほどで製造を中止してしまった。

 このようなマシンをアップルの失敗作と見なすことは簡単だ。しかし、これだけ独創的な設計のマシンを実際に製品化してしまうのは、ジョブズが率いるアップルだからこそ可能だったとも考えられる。これほど個性的なマシンがこの世に存在したことは、非常に珍しいことと言えるだろう。

 さて、絶賛発売中のMacPeople 3月号では、Macintosh 30周年を記念した特集記事を組んでいます。初代Macintoshのさまざな写真はもちろん、SE、SE/30、Color ClassicなどのコンパクトMac、Macintosh IIやIIci、IIsi、IIfx、LC475などのセパレート型Macの驚愕のテクノロジーをひも解いていきます。もちろん、68K MacだけでなくPowerPC搭載のiMacやPower Mac、インテルCPU搭載マシンを含む一体型、デスクトップ型すべてです。そして第2特集では、最新のMac Proを詳しく紹介。この2つの特集記事だけで80ページ以上ありますよ!

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏