8億年前に隕石のシャワー 小惑星破砕、地球や月に大量衝突 阪大・東大解析

8億年前に隕石のシャワー 小惑星破砕、地球や月に大量衝突 阪大・東大解析

 約8億年前、直径100キロ以上の小惑星が破砕し、その破片が大量の隕石(いんせき)となって地球や月に衝突したとの解析結果を、大阪大と東京大の研究グループが発表した。地球に落ちた隕石の総質量は少なくとも4京~5京キロに上ると推定され、約6500万年前に恐竜を絶滅させたとされる隕石の30~60倍にあたる。英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」電子版に22日、掲載された。

 直径が10キロを超える天体の地球への衝突は1億年に1度起きたとされるが、地球上では風化などで痕跡となるクレーターが残りにくく、さかのぼることができるのはせいぜい6億年前とされる。

 研究グループは、風化がほとんどされていない月のクレーターから、地球への隕石の衝突について考察。月周回衛星「かぐや」が撮影した月面のクレーターの画像を用い、直径20キロ以上のクレーター59個を分析したところ、クレーター内の状況から、「コペルニクス」と呼ばれるクレーターなど8~17個が同時期にできたと判断した。米国のアポロ計画で持ち帰った試料などから、年代は約8億年前と推定した。

 地球には、月に落ちる隕石の約20倍の質量の隕石が落ちることが知られている。グループの計算によると、地球に衝突した大量の隕石は、少なくとも総質量4京~5京キロに上り、過去25億年間で最大とした。

 約8億年前には海洋中のリンの濃度が4倍に急上昇し、生命の多様性を促したとする考え方が報告されている。グループは、今回解析した衝突で地球外からリンが持ち込まれ、環境変化につながった可能性もあるとみている。

 阪大の寺田健太郎教授(宇宙地球化学)は「8億年前に大規模な天体衝突があったという前提で、月の組成や地球の環境を見直すと新たな知見が生まれるかもしれない」としている。

 また、年代や軌道から、破砕したのは「オイラリア」と呼ばれる小惑星の可能性が高いとみられ、その破片の一部が小惑星探査機「はやぶさ2」が調べている小惑星「リュウグウ」になったとの見方も出てきた。寺田教授は、はやぶさ2が12月に持ち帰る試料にも期待を寄せている。

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