ホッキョクグマ、2100年までに絶滅危機 氷縮小で餓死 研究
北極圏で急速に進む温暖化の影響で、ホッキョクグマが2100年までにほぼ絶滅するとの研究結果が20日、科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジに掲載された。
科学者は「彼らを救うには、地球温暖化を止めて生息地を守るしかない」と警鐘を鳴らしている。
研究によると、すでに幾つかの地域では、温暖化で氷が解け、氷上で餌となるアザラシを狩る時間が短縮。飢えによる体重減少が、厳しい冬を乗り越える力を奪うという悪循環に陥っている。
現在、野生のホッキョクグマは約2万5000頭。北極圏では、地球全体の2倍の速さで温暖化が進んでおり、このままでは13の個体群のうち、12の個体群が今後80年以内に姿を消すという。
研究を主導したスティーブン・アムストラップ氏はAFP通信に対し「ホッキョクグマの断食期間はますます長くなっている」と指摘。「だが、われわれは気温の上昇から海氷を守る柵を作ることはできない」と述べ、ホッキョクグマ保護のためには、温暖化を止めることが唯一の方法だと訴えた。