科学者「地球より生命に優しい惑星があるかも」

科学者「地球より生命に優しい惑星があるかも」

地球のような生命にあふれる星を見つけられる可能性が広がったようですよ!

生命が存在する可能性のある星を見つけようとすると、まず最初に「地球のような条件が揃った星」を探すことになります。だって、私たちは地球以外に生命が存在する星を知らないんですもの。でも、もしも地球が生命の繁栄に最適な星じゃなかったとしたら?

新たな研究結果によると、一部の太陽系外惑星は、地球よりももっと生命に優しい条件を持っているかもしれないのだとか。

バルセロナで開催された地球化学に関するカンファレンスGoldschmidt2019にて基調講演を行なったStephanie Olson博士(シカゴ大学)は、生存可能圏(habitable zone)の定義を改めて考えたうえでシミュレーションを行なった結果、一部の太陽系外惑星は地球よりも生命にとって住みやすい条件が整っている可能性があると説明しました。

この基調講演は、Astrophysical Journalの2019年6月号に掲載された、NASAやカリフォルニア工科大学からなる研究チームによる“A Limited Habitable Zone for Complex Life”と題された研究に基づくもの。この結果には研究者たちも驚きを隠せないみたいです。

生命が繁栄する条件って?

まず、地球上に生命が存在するためには、栄養素に満ちた海洋が不可欠です。そのため、NASAは宇宙で生命体を探す場合、その星に海洋の可能性を秘めた世界、いわゆる「生存可能圏」があるかどうかに注目します。

地球の海洋生物は、暗い深海から光合成を行なう海面へと栄養素を送る湧昇流(上昇流)に依存しているので、深海から海面へよりたくさんの栄養素を送ることができれば、より多くの生命が繁栄する可能性も高くなります。

つまり、この湧昇流の効率が高い海を持っている外惑星を探せば、そこに生命が存在するかもしれないわけです。

今回研究チームはROCKE-3Dソフトウェアを使って、さまざまな太陽系外惑星の状態をモデル化しました。最も効率的な湧昇を行ない、生命にとって快適な環境を持てる条件を絞り込んだところ、大気の密度が高い星、回転速度が遅い星、大陸がある星はすべて湧昇流の効率が高かったそうです。

地球はどうなの?

ここで驚きなのは、自転速度がかなり速い地球は、決して湧昇流の効率が高くないそうです。ということは、地球は生命にとって最適な条件ではないのかもしれないし、太陽系外惑星の生命は、私たちよりも良い環境で暮らしているのかもしれません。

また、太陽系外惑星を観測するには優れた望遠鏡が必要なのですが(人が飛んで行くわけにはいかないので)、今回の研究が惑星の大気や表面の環境を観察するために必要な宇宙望遠鏡の設計・開発に役立つことを研究者は期待しています。

この研究結果は、地球外生命体を探すなら地球のような星を見つけるのが手っ取り早いというこれまでの幻想をひっくり返すことになるかもしれません。しかし同時に、宇宙は生命が存在できる星であふれているという大きな夢を抱かせてくれるともいえるのではないでしょうか。

生命に優しい星は、地球みたいじゃない星の中にあるかもなんてビックリ。でも、もしもそんな星があるとしたら、そこには環境を破壊したり温暖化させたりしながら、それでも生活を変えようとしないヒトではなく、環境にも生命にも優しい知的生命体がいるといいな。

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