乾燥した砂漠の空気から水を集めるボックス…エネルギーや消耗品不要、キーワードは‘MOF’
私たちにとっては、きれいな飲用水は水道の蛇口から出てくる。でも世界にはそうでない人たちが何十億もいて、研究者たちがその対策を探している。たとえばカリフォルニア大学バークリー校ではあるチームが、電力不要で砂漠の乾燥した空気からでも水を採取できる器具を開発している。サボテンにそれができるのなら、人間にだってできるだろう。
空気から水を集める方法は、従来からいろいろあるが、電気や交換部品(〜消耗品)を必要とするものが多い。でもOmar Yaghi教授が開発した方法は、どちらも要らない。
その秘密は巧妙なソーラー集光集熱器でも、摩擦係数の低いファンによる風力利用でもない。素材がすべてだ。化学者のYaghiは、金属有機構造体(metal-organic framework, MOF)と呼ばれるものを作った。その多孔質の物質は、水を熱心に集めて、それらを放出する。
彼のMOFは小さな結晶の粉末で、気温が下がると水の分子を捕らまえる。そして気温が上がると、その水を空中に放出する。
Yaghiは昨年小規模なデモを行ったが、今回彼とチームは実用量の水が得られる現場テストの結果を発表した。
彼らは一辺が約2フィートの箱の中にMOFを敷き詰め、外気にさらした。毎晩、気温が下がると湿度が上がり、水がMOFの中へ捕捉された。朝になると太陽の熱が水を粉末から追い出し、それが箱の側面にたまり、一種のカバーのようなものによって冷水が保存された。その結果、1ポンドのMOFで一晩に3オンス(85グラム)の水が得られた。
それはまだとても少ない量だが、改良は進んでいる。現在のMOFはジルコニウムを使っているが、今テスト中のアルミニウムのMOFはその1/100の費用で倍の水が得られる。
新しい粉末といくつかの箱を使えば、電力も消耗材も使わずに一人の人間の飲用水をまかなえる。水を集めて保存する仕組みが完成したら、上水道システムに依存しないポータブルな給水装置ができるだろう。
バークリー校のニュースリリースでYaghiは説明している: “これまで、このようなものはなかった。それは常温で晴天の環境でも使用でき、エネルギー不要で砂漠で水を集められる。アルミニウムのMOFは安いので、十分に実用性がある”。
彼によると、すでに商用製品を開発中だ。今後さらにテストを行い、機構を改良し、新しいMOFを試して、暑い夏に間に合う製品が完成するだろう。
空気から水を取り出す画期的テクノロジー、米大学で開発中
世界中で水不足が問題となるなか、空気から飲み水を取り出せるデバイスが開発された。太陽さえ照っていればエネルギーは必要なく、乾燥地帯でも飲み水を抽出することができる。
カリフォルニア大学バークレー校が発表した研究結果によると、このデバイス昼と夜の温度差と湿度の違いを利用して、空気から水を取り出している。
デバイスは箱が二重になっており、特殊な金属パウダーを敷きつめたプレートが設置されている。このパウダーは夜間の湿度の高い空気を取り込み、水分をスポンジのように保持する役割を果たす。
太陽が昇るとパウダーから水分が蒸発し、箱の内部に結露して下に溜まるようになっている。つまり、昼と夜のサイクルのなかで自動的に水が生成され続けるのだ。だが、このプロトタイプに使われているパウダーのコストが高いことと、取り出せる水の量が限られていることが課題となっている。
研究チームはアリゾナ州の砂漠でデバイスをテストした。現地では湿度が日中は8%程度だが、夜間には40%にもなる。テストでは2平方フィート(約0.2平方メートル)のデバイスで1日7オンス(約200ミリリットル)の飲料水を生成することに成功した。まだ少ない量だが、規模を拡大すればより多くの水を生み出せる。
研究チームはアルミニウムを使った新たなフレームワークも研究中で、現在のプロトタイプと比べて価格は150分の1で、2倍の飲料水を生成することができるという。
ただし、商用可に向けてはさらなる研究が必要だという。研究チームは今夏、新しいデバイスをカリフォルニア州のデスバレーでテストする計画だ。彼らはデバイスの素材や設定、環境を変えて研究し続けることにより、厳しい環境で暮らす人々の助けになる製品に仕上げたいと述べている。
