消費電力が意外に大きい家電製品とは
スマートフォンの方が冷蔵庫よりも消費電力が多いとしたら? このほど、エネルギー業界を対象とするコンサルタント「Digital Power Group」社がレポートをまとめ、iPhoneの消費電力(バッテリー充電、データ利用、ワイヤレス接続など)は、一般的なサイズの冷蔵庫を上回るという調査結果を発表した。
ただし、iPhoneの所要電力は、動画やゲームなどアプリの利用状況によって大幅に変わる。一般的な利用者の月間使用データ量に関する推定値にも大きなばらつきがあるため、この調査結果に対しては、大きく誇張されているとの批判の声も上がっている。
ともかく、スマートフォンの話は別にしても、冷蔵庫より消費電力が大きい家電製品がほかにも隠れている可能性は非常に高い。意外に電気代がかかる例をいくつか紹介してみよう。
◆充電器
携帯電話から電動工具に至るまで、私たちが日常使っている機器の多くは充電式バッテリーを動力源としている。アメリカ、エネルギー省(DOE)の推計によると、同国ではこの種のデバイスが毎年8億台ほど販売されており、家庭用電力をエネルギー源にしているという。
しかし多くの充電システムは旧型の技術が使用されており、消費電力に無駄が生じている。カリフォルニア州は、州レベルでより厳格なエネルギー効率基準を制定。現在では、DOEもエネルギー効率の向上を目標に、独自の規制の制定に取り組んでいる。
米国エネルギー効率経済協議会(ACEEE)の家電製品基準認知度向上プロジェクト(ASAP:Appliance Standards Awareness Project)に携わるマリアンヌ・ディマシオ(Marianne DiMascio)氏によると、もしカリフォルニア州の基準が国内標準になれば、大幅な節約につながるという。「充電器や外部電源のスペックを改善できれば、アメリカの消費者全体で年間10億ドル(1000億円)の電気代を節約できる」。
◆電子レンジ
電子レンジは、ポップコーンや前日の残り物を加熱する際に電力を消費すると考えがちだ。しかし実際の消費電力の大部分は、停止中に生じているという。ディマシオ氏は、「電子レンジの動作時間はごく短いが、すぐ加熱できるように待機電力を消費し続けている」と警告している。
ASAPの調査から、一般的な電子レンジの動作時間は年間70時間ほどに留まっており、残りの99%、つまり8690時間は、待機中の電源ボタンやデジタル時計などの点灯によって35キロワット時の電力を消費していることがわかっている。
「待機電力を減らす方法はいくつか考えられる」とディマシオ氏。6月に発表されたDOEの新しい規制(2016年施行予定)でもやり玉に挙がっており、電源や電子回路、調理用センサーのエネルギー効率の改善を促し、大部分の電子レンジの待機電力を75%削減するよう求めている。
◆ゲーム機
アメリカの天然資源保護協会(NRDC)の上級研究員ノア・ホロウィッツ(Noah Horowitz)氏によると、Xbox360やPlayStation 3など高性能の家庭用ゲーム機には有用な節電機能が備わっている一方、いくつかの問題点もあるという。
「家庭用ゲーム機には、電力消費を1ワット未満に抑えるスタンバイモードへの切り替えを可能にするオン・オフボタンが備わっている。これはとても効果的で、機能は申し分ない」とホロウィッツ氏は語る。しかし残念なことに、ボタンをオンにしなかったり、テレビの電源は切ってもゲーム機のスイッチは入れたままにしているユーザーが多い。これが無駄な電力消費につながっている。
「ゲーム機のスイッチを24時間入れっぱなしにしていると、無駄な電気代が年間100ドル(1万円)ほどに上る場合もある。新型のゲーム機には、操作しない一定時間が経過すると自動的にスタンバイモードに切り替わる機能が付いている。しかし旧型の場合は、同様の機能はあるものの、メニュー画面で節電モードをオンにするという操作が必要になる」とホロウィッツ氏。
また、ソニーやマイクロソフトといったゲーム機メーカーは、多くの電力を消費する動画のストリーミング再生を、盛んにユーザーに奨励している。「しかしPlayStation 3などは、大手ストリーミングサービス業者の専門端末経由で再生した場合よりも2倍、アップルの「Apple TV」と比べれば実に30倍も電気を食う。これはハードウェアの問題で、ゲーム機メーカーが対処しなければならない」とホロウィッツ氏は問題点を指摘する。
