イタリアの名門「マセラティ」に中国のスマートカー技術注入か ファーウェイ連合がステランティスと提携協議

イタリアの名門「マセラティ」に中国のスマートカー技術注入か ファーウェイ連合がステランティスと提携協議

イタリアの名門スポーツカーブランド、マセラティが中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と中国国有の中堅自動車メーカー、江淮汽車集団(JAC)の支援を得て経営立て直しに動くとの観測が浮上している。

 江淮汽車は9月30日夜、株価変動リスクを開示する公告を発表、この中で、同社がファーウェイおよびヨーロッパの自動車大手ステランティスの3社間で提携の意向について協議を行ったことを公式に確認した。

 ステランティスは、イタリアのフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とフランスのプジョー・シトロエン・グループ(PSA)の2社が2021年に統合し発足した世界有数の大手自動車メーカーだ。その傘下には、フィアット、アルファロメオ、プジョー、シトロエン、クライスラーなど欧米の10を超えるブランドを持ち、マセラティもその中に入っている。

■2025年は1500億円超の赤字

 マセラティはイタリアを代表する高級スポーツカーブランドだが、その経営は低迷している。ステランティスの決算資料によると、マセラティの販売台数は23年には2万7000台あったのが、25年にはその3分の1にも満たないわずか7900台に減少。さらに26年1〜6月期(上半期)には2700台まで落ち込んだ。この結果、25年の売上高は7億3000万ユーロ(約1300億円)だった一方で、純損失は8億4000万ユーロ(約1500億円)に達した。

 26年に入り、中国とイタリア両国のメディアは、ステランティスが中国企業との提携を通じて技術面でのテコ入れを図ろうとしていると相次いで報じた。提携先候補の一社である江淮汽車は、ファーウェイ端末部門と共同で超高級車ブランド「尊界(MAEXTRO)」を展開中。同ブランドはスマート技術を前面に打ち出し、販売価格は65万元(約1500万円)を超える価格帯に設定されている。

 イタリアの経済紙ミラノ・フィナンツァは9月4日、今回の提携対象の製品について、イタリアのデザイン、ファーウェイの技術、江淮汽車のエンジニアリング開発力を組み合わせる予定であると報じた。同プロジェクトは、マセラティ・ブランドの再建戦略の一環として位置付けられているという。

関係者によると、この提携が最終的に実現すれば、著名なスポーツカーブランドであるマセラティのブランド力が「尊界」のさらなる販売拡大につながると期待される。また江淮汽車とファーウェイにも(技術供与収入など収益面での)直接的なメリットをもたらすとみられている。また、マセラティ側も中国企業の技術力や生産力を活用することで、多額の研究開発投資を免れることができる。

■アメリカの政治圧力が不透明要因

 イタリアのメディアによると、マセラティはファーウェイの高度運転支援技術や電子・電気アーキテクチャーなどを採用する可能性があり、江淮汽車は一部の製造工程を引き受けるとみられている。

 運転支援システムなどのスマートカー技術では中国勢は今や世界をリードしている。ドイツのフォルクスワーゲンは中国のAI(人工知能)スタートアップ、地平線機器人と共同開発した高度運転支援システム(ADAS)を中国市場向けの車種に採用。吉利汽車も独自開発の運転支援システムを傘下のスポーツカーブランド、英ロータスの車種に搭載する見通しだ。

 中国企業の傘下入りで再建されたヨーロッパの名門ブランドといえば、上海汽車集団(上汽集団)の買収で復活を果たした英MGなどの前例がある。ステランティスは中国の新興EVメーカー、零跑汽車(リープモーター)に出資するなど、かねて中国勢との協業に積極的だった。ただステランティスの事業はヨーロッパ、アメリカの双方にまたがっている一方、ファーウェイは依然、アメリカ政府の制裁対象となっているため、提携で合意した場合でもその内容次第では政治的な圧力がかかる可能性は否定できない。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏