アウディ初の高性能PHEV『RS5』登場 新クワトロシステムを搭載 市販モデルで世界初『エレクトロメカニカルトルクベクタリング』採用
新型アウディRS5シリーズを発表
アウディ・ジャパンは9月29日、新型『アウディRS5』とステーションワゴンの『アウディRS5アバント』を発表、受注を開始した。
新型『RS5』シリーズは、アウディA5をベースに『アウディスポーツ』が手がける、プレミアムミッドサイズのハイパフォーマンスモデルで、1994年の初代『RS2アバント』以来の系譜を持つ。
これまでRSモデルで培ってきたハイパフォーマンスに、高性能で高機能な電動化テクノロジーを融合させた、アウディスポーツ初のプラグインハイブリッド(PHEV)モデルとなる。
そのシステム最高出力は639ps、最大トルク84.1kg-mを発生し、0-100km/h加速は3.6秒を実現しながらも、EV走行換算距離は最長で85kmを可能とするなど、高レベルのスポーティさと日常性を両立した。
市販モデルでは世界初となる『エレクトリカルトルクベクタリング』をリアアクスルに備えた、新開発の『クワトロ(quattro)』四輪駆動システムによって、より高次のハンドリング性能を獲得した。
また、スタイリング面でもワイド化されたボディとダークハウジングのLEDマトリクスヘッドライトを備え、ひと目でRSモデルでとわかる存在感を放っている。
価格は『RS5』が1550万円、『RS5アバント』が1575万円で、いずれも右ハンドルの4WD(クワトロ)となる。なお、デリバリーは10月20日からを予定している。
90mmワイドなボディに初代クワトロ譲りの造形
新型『RS5』のエクステリアは、初代『アウディUrクワトロ』の流れをくむダイナミックなデザインが特徴となっている。
ベースとなるA5から前後ともに左右にそれぞれ45mmずつ拡幅されたボディは、大きく張り出したブリスターフェンダーを持ち、サイドビューからも力強さを感じさせる造形となっている。
フロントフェイスは、立体的なハニカム構造のシングルフレームグリルを据え、ダークトーンのマスクがエアカーテンと一体的につながり、高い空力性能と精悍な表情を両立した。
リアには垂直フィン付きのディフューザーと縦型の赤色リフレクターを備え、左右に振り分けられたダーククロームのオーバルテールパイプが存在感を放つ。
これらのデザイン要素は、レーシングモデルの『アウディ・スポーツ・クワトロS1』や『S1 eトロン・クワトロ・フーニトロン』から採り入れられ、アウディのモータースポーツヘリテージと機能美を迫力あるスタイルに昇華したものであるという。
レザーフリーを標準化したインテリア
インテリアは、スポーツ走行に対応する機能性と、日常での快適性を両立させたものとなっている。
ハニカムキルティングの『Sスポーツシート』には、高いサポート性を確保しながら電動調整とマッサージ機能を備えており、長距離走行時の快適性にも配慮している。
シートを含めレザーフリー素材を標準仕様として採用、布や再生ポリエステル製の『カスケードクロス』のほか、マイクロファイバーの『ダイナミカ』をシートやインストルメントパネル、アームレストなどに広く使用している。
オプションの『RSデザインパッケージ(レッド、レッドプラス、グレー、サーペンタイングリーン)』では、『ファインナッパレザー』仕様のシートも選択可能で、いずれの仕様でもヘッドライニングはブラックとなる。
シフトパドルやエアベント、ドアハンドルなどのトリムパーツは、『ダークメタリックバナジウム』仕上げとなっており、インテリアに統一感をもたらしたほか、『デコラティブインレイ』にカーボンやアルミニウムなど複数の素材をオプション設定し、従来モデル以上のパーソナライゼーションを可能とした。
フラットトップ/フラットボトム形状の『RSステアリングホイール』は『ダイナミカ』仕立てとされ、12時位置とロアスポークのレッドアクセントによって、操舵ポジションが把握しやすいデザインとなっており、ドライブモードやブースト機能を操作できる『RSサテライトコントロール』も組み込まれる。
『MMIパノラマディスプレイ』では、11.9インチスクリーンの『バーチャルコックピットプラス』にRS専用デザインを採用、『シフトライト』や『Gフォース』、『ラップタイム』などの情報がフロントウインドウ上の『ヘッドアップディスプレイ』に投影される。
2.9L V6ツインターボ+PHEVで最高速285km/h
パワートレインは、2.9L V6ツインターボTFSIエンジンと電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載する。
エンジンは最高出力510ps、最大トルク61.2kg-mで、トランスミッション手前に置かれるモーターは最高出力177ps、最大トルク47kg-mを発生し、システム全体では639ps、84.1kg-mに達する。
そのパフォーマンスは、0-100km/h加速3.6秒、最高速度は標準で270km/h、オプション装着時は285km/hとなる。
搭載されるバッテリー容量は総電力量25.9kWh(ネット値22kWh)で、EV走行換算距離はRS 5が85km、RS 5アバントが83km、EVモードでの最高速度は140km/hとなる。また、充電は普通充電のみに対応する仕様だ。
能動的制御の新クワトロシステム
新型『RS5』の駆動系には、アウディスポーツとして初となるプリロード付きのセンターディファレンシャルを採用した。デフに駆動トルクがかかっていない状況でも、前後アクスルの結合状態を維持することでトラクション性能を維持でき、コーナリング時のアンダーステアを抑制してターンインをサポートする効果を発揮する。
さらに、後軸には市販モデルで世界初の『エレクトロメカニカルトルクベクタリング』を備える『ダイナミックトルクコントロール・クワトロ』を搭載した。アクセルのオン/オフに関係なく左右の後輪のトルク差を最大204kg-mまで瞬時(15ミリ秒)に発生させることで、あらゆる状況でヨーモーメントを制御し、コーナリングパフォーマンスが大幅に高められた。
従来型の受動的な制御のデファレンシャルに対し、新開発の『エレクトロメカニカルトルクベクタリング』は、『ステアリング角』、『アクセル開度』、『ブレーキ圧』などのドライバーの操作に加え、『縦・横方向のG』、『ヨーレート』、『スリップ角』、『速度』、『路面の推定摩擦係数』といった車両の状況を継続的に統合解析し、能動的に予測する制御に進化しているという。
この制御を可能としたのが『ドライビングダイナミクスコントローラー(HCP1)』である。与えられた走行状況に対するターゲットデファレンシャルトルクを5ミリ秒ごとに算出、この制御値をもとにドライバーの意図と挙動の予兆を先読みして、ダイナミックかつ精密なトルク配分を行い、車輪が滑り出す前に介入するアクティブな制御を実現した。
サスペンションは、従来用いられた『DRC(ダイナミックライドコントロール)』タイプに代わり、ツインバルブ式ショックアブソーバーを備えた『RSスポーツサスペンション』を標準装備し、伸び/縮み両側の減衰力を電子制御で瞬時にコントロールすることで、ピッチとロールを抑制する。
また、このセグメントのアウディ車では初めて、リアにも『セラミックディスクブレーキ』がオプション設定された(21インチホイールとセットオプション)。
