外国語の習得が一気に早くなる 言語学の専門家が勧める「意外な勉強法」
英単語を覚えても、すぐに忘れてしまう。外国語を学んだことのある人なら、誰もが一度は経験する悩みだろう。そんなとき、単語の「生い立ち」をたどってみると、ばらばらだった言葉が意外なところでつながり、ぐっと覚えやすくなる。
英オンラインメディア「サイキ」に寄稿した言語学者ダニー・ベイトは、単語の由来をたどる語源学の魅力を説く。
ベイトは、同メディアの記事で、単語の来歴を探る「言葉の探偵」になることを勧めている。英語の語彙にはローマ人やヴァイキング、ギリシャの学者たち、1066年にイングランドを征服したノルマン人など、さまざまな人々の足跡が残っている。
たとえば、「余波」を意味する「aftermath」は数学とは関係がなく、もとは「刈り取りの後」を指した。タンポポを意味する「dandelion」は、フランス語の「ライオンの歯」に由来する。
こうした発見は雑学として楽しいだけではない。私たちが使う言葉は、親や教師など誰かから教わったものであり、その人たちもまた別の誰かから受け継いできた。一人ひとりが、何千年も続く言葉の鎖の一部なのだ。遠く離れた人々が言葉でつながってきたと知ることは、謙虚さや他者への敬意を育むとベイトは言う。
語根を知れば、単語は覚えやすくなる
語源学は、語彙の学び方も変える。ベイトが勧めるのは、単語を部品に「分解」することだ。たとえば、「subscriber(購読者)」から接頭辞のsub-と接尾辞の-erを取り除くと、ラテン語で「書く」を意味する語根scrib-が現れる。同じ語根は、「describe(描写する)」や「script(台本)」にも含まれている。ばらばらに見えた単語が、共通の部品で結びつくのだ。
ラテン語で「父」を意味する「pater」も同様だ。「paternal(父親の)」や「patriot(愛国者)」の語根であると同時に、ラテン語より古い先史時代の語根にさかのぼり、英語の「father」にも直接つながっている。英語へと受け継がれる長い道のりのなかで、語頭のPがFに変わったのだとベイトは説明する。
この学び方の効果は、研究でも確かめられている。イランのアラク大学による2012年の研究では、大学生59人を2つのグループに分け、6週間にわたって英単語を学ばせた。ラテン語やギリシャ語の語根をもとに学んだグループは、辞書や文脈からの推測で学んだグループよりも、事後テストの成績が高かった。
語根で学んだ学生の約7割は「単語をよく覚えられた」と答え、約8割が3週間後も楽に思い出せたと回答している。
慣用句でも似た傾向が報告されている。応用言語学者フランク・ボアーズらの研究によれば、慣用句がもともと使われていた具体的な場面を知ると、その情景のイメージが言葉と一緒に記憶される。その結果、思い出すための手がかりが増えるという。
