機器破壊やデータ盗難など悪い事態を引き起こす恐れがあるUSB製品5選
ケーブルやドングルは至る所に存在し、テクノロジーに欠かせない存在となっている。その多くはシンプルで安全だが、中には奇妙で理解に苦しむもの、さらには危険なものすら存在する。
「危険」と言うと、大げさに聞こえるかもしれない。しかし決してそうではない。ハードウェアに物理的な損害を与えたり、ハッキングによって情報を窃取したりするために悪用されるケーブルやドングルが実際に存在している。
USBタイプA同士をつなぐケーブル:存在すべきではないもの
一見すると、両端に同じコネクターを持つUSBケーブルは、一般的なUSBタイプCのケーブルと同じように不自然には見えない。しかし、このケーブルは高額な損害を引き起こすリスクを秘めている。
そもそもUSBタイプAの規格は、両端が同じコネクターの設計にはなっていない。USBタイプA側は常に給電を行うホスト側であり、USBタイプB、「miniUSB」「microUSB」、USBタイプCなどのコネクターを介して周辺機器に接続する仕様である。電源を供給するホスト同士を接続すると、機器が正常に動作しないだけでなく、火花や煙が発生して永久に破損する恐れがある。
それにもかかわらず、Amazonなどでこの種のケーブルが販売されている背景には、ごく一部の特殊な用途が存在するためだ。
キーボード、ビデオ、マウスを切り替えるKVMスイッチや、ルーターおよびセットトップボックスのファームウェア書き換えなどで利用される例がある。他にも、PC間のデータ転送用にアクティブブリッジチップを内蔵して相手方を周辺機器と誤認させるタイプや、ピンコネクターに置き換わる前の古風なUSB 3.xデバッグ用ケーブルなどが存在する。
「メデューサ」ケーブル:接続を間違えると危険
複数の端子を持つマルチ充電ケーブル、通称「メデューサ」ケーブルも注意が必要だ。通常は一端をコンセントやモバイルバッテリーに接続し、もう一端で複数の機器を充電する仕組みであり、同一種類の複数の端子に分岐したり、異なる種類の端子が混在したりしている場合もある。
こうしたケーブルは、接続方向を誤ったり複数の給電元に接続したりした場合にリスクが生じる。高品質な製品であれば内蔵された制御チップが電力を遮断し保護機能が働くが、安価な製品では一度の誤接続で永久に破損することがある。
O.MGケーブル:ハッカーのツールキットを搭載
見た目は一般的でありながら、実は恐ろしい代物だ。電子部品の小型化が進み、省スペースに膨大な演算能力を詰め込めるようになった。現在では、20ドル程度で片方の端子にUSB電力計を組み込んだケーブルを購入できるほどである。
O.MGケーブルは、高度なマイコンやWi-Fiチップを内蔵した攻撃用ケーブルだ。ケーブル内部にキー入力の注入、スクリプトの実行、キーログの取得を行うプラットフォームを搭載でき、発見時にデータを消去したり、自身を破壊したりする機能を備えたものも存在する。
外観から見分けることは極めて困難であり、筆者は以前にO.MGケーブルを普通のケーブルと間違えて友人に貸してしまったことがある。当日中に接続されたシステムの認証情報が取得され、筆者に送信されたとの通知があった。幸いにも友人が理解を示してくれ、筆者は、きちんと修復を行った。これは、「安全なものなど何もない」ということを改めて認識させてくれる事例になった。
USBKill:電撃破壊のドングル
USBKillは、見た目こそUSBメモリーに似ているが、内部に蓄電した数百ボルトの電圧を一気に放出して接続先デバイスの回路を破壊するように設計されている。
USBKillには、差し込んだ瞬間に放電するタイプから、アプリや無線、磁気リングで遠隔起動するタイプまでさまざまに存在する。USBだけではなく、アダプターを介してRJ45やHDMIなど多様なポートを攻撃可能である。
比較的新しいハードウェアでは耐性が向上しているものの、破壊されるリスクが依然として残るため、正体不明のデバイスをPCに接続すべきではない。
データブロッカー:旅行時に携帯すべきドングル
旅行時などに身を守るためのアイテムが「データブロッカー」である。かつて「USBコンドーム」とも呼ばれたこのドングルは、データ通信だけを物理的に遮断し、供電のみを許可する仕組みを持っている。公共の充電ステーションなど信頼できないUSBポートに接続する際、不正なデータアクセスやマルウェア感染のリスクを排除できる。
急速充電に関するデータ通信も遮断されるため充電時間が長引く場合もあるが、高速充電に対応したモデルも存在する。ただし、データブロッカーを模した悪意ある製品には注意が必要である。
「ウィドウメーカー」:命を奪う可能性のあるケーブル
「ウィドウメーカー(未亡人製造機)」とも呼ばれるこのケーブルは、文字通り人を死に至らしめる可能性があるため、実に恐ろしいものだ。停電時に発電機から住宅のコンセントへ直接送電する目的や、電飾の接続方向を誤った際の安易な解決策として悪用されることがある。
しかし、露出した端子に高電圧が流れるため感電死に至る極めて危険な構造であり、米国消費者製品安全委員会(CPSC)の要請により大手ECサイトでの出品取り下げが進められている。
確かに効果はあるが、命の危険性を伴う。筆者が忠告すると、必ず誰かが「何年もしえいるが問題ない」と話す。実際に事故に遭った人の声は届かない。筆者は電気の扱いに慣れている方だが、それでもこのようなケーブルを絶対に使わない。
