Tesla、車速に左右されないダウンフォース技術で米特許 4基のファンカー技術

Tesla、車速に左右されないダウンフォース技術で米特許 4基のファンカー技術

Teslaが、車体下部の空気を吸い出して車速に左右されないダウンフォースを発生させるファンカー技術の米国特許を取得した。図面にはModel Sが描かれており、次世代Roadsterへの応用にも関心が集まる。

Teslaが、車体下部の空気を吸い出してダウンフォースを発生させる「ファンカー」技術の米国特許を取得した。後部ディフューザー内に4基の電動ダクトファンを組み込み、車速に左右されず車体を路面に押し付ける構造としている。

電気自動車専門メディアElectrekが29日付で報じたところによると、Teslaが取得したのはファンカーシステムに関する米国特許「US 12,746,987 B1」。正式出願は2024年1月で、基となる仮出願は2023年1月17日に受理されていた。

特許図面にはModel Sが描かれている。ただ、Teslaは2026年4月にModel SとModel Xの生産を終了しており、この設計がそのまま量産車に採用される可能性は高くない。

特許の中核は、後部ディフューザー内部に並列配置した4基の軸流ファンだ。後輪の間に設けた車体下部の吸気口から空気を取り込み、ダクトを通じて後方へ流したうえで、ファンで床下の空気を排出する。Teslaは、この過程で車体床下に「吸引領域」が形成されると説明している。

特許文書では、従来の受動式ディフューザーの限界にも触れている。受動式では低速域で十分なダウンフォースを得にくく、高速域では過大な荷重が生じる可能性があると指摘。これに対し、電動ファンを使えば「車速に無関係なダウンフォース」を発生させ、制動時の安定性やコーナリング性能の向上につながるとしている。

Teslaは、気流を最適化するための設計案も示した。中央の吸気口だけを使う場合、車両後方の空気が前方へ回り込んで吸い込まれ、車体下部以外から空気を取り込むおそれがあるという。その場合、ダウンフォースには寄与せず、ファンの消費電力だけが増えるため、主吸気口の後方左右に小型の側面吸気口を2つ追加する案を盛り込んだ。

ファンの駆動電力は、専用のバッテリーやモーターではなく、駆動系と共用する高電圧バッテリーパックから供給する。ファンは車両制御システムと連動し、ドライバーのボタン操作で作動させるほか、一定速度で自動的に作動させる設定にも対応するとしている。

今回の特許は、Teslaが高性能車向けの空力技術を相次いで特許出願・取得している流れの一環としても注目される。Teslaは2025年8月にも、車体下部ファンと展開式スカートを組み合わせたファンカー関連特許を取得。先週には、最大700kgのダウンフォースを発生できる格納式アクティブリアウイングの特許も公開され、図面には次世代Roadsterに似た車両が描かれていた。

今回のファンカー特許の図面がModel Sベースで作成されている点も関心を集めている。2023年の仮出願時点では、Model S PlaidはTeslaを代表する高性能車だったが、現在は生産を終えている。ファン技術とアクティブウイングを組み合わせたサーキット志向の空力技術が、次世代Roadsterに採用される可能性があるとの見方も出ている。

もっとも、特許取得がそのまま量産化を意味するわけではない。Teslaは特許技術を製品化しないケースもある。次世代Roadsterは2017年の公開以降、発売時期が複数回延期されており、現時点ではRoadster関連のデモが10月15日に予定されている。今回のファン技術が実際にRoadsterへ採用されるかどうかは、今後の発表で見極める必要がある。

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