iPhone Duoは「初代」だからこそ、買える人は買ってほしい
これまでなかった製品の初代モデルを買うのは、リスクを伴う。Appleのように、その歩みが広く知られている企業の製品でも同じだ。新しい「iPhone Duo」は、パスポートのように開閉できるヒンジと大きな画面が魅力だが、購入にはリスクがある。少なくとも今後1年にわたり、毎日何時間も使う物に、最低でも1999ドル(日本では36万4800円)を払うのだ。ほとんどの人がいったん立ち止まり、本当にこれでいいのかと自分に問いかけたくなるだろう。
リスクがあるのは確かだし、その気持ちも分かる。それでも買って、その体験を積極的に発信してほしい。
これは初の折りたたみスマートフォンではないものの、初の折りたたみ式「iPhone」ではある。この立ち位置が興味深いのは、主にiPhoneを使う人たちの層に理由がある。サムスンが折りたたみスマートフォンを発売するようになって8年目になるが、筆者が大都市や混雑した空港を歩いていても、実際に使っている人を見かけるのはせいぜい1人か2人だ。持っている人は気に入っていて、その端末でできる面白いことを喜んで友人に話す。ただしユーザーの中心は、まだ完成度が十分でない製品にも抵抗のないアーリーアダプターだ。
テクノロジーに夢中というわけではない人からの意見は、多くの競合企業にとって以上に、Appleにとって常に価値がある。フィードバックを基に機能が生まれたり、廃止されたりし、そうした変化はいずれ、ほかの多くの折りたたみスマートフォンにも反映されていく。
筆者が好例として挙げたいのは「Apple Watch」だ。初代Apple Watchにもフィットネス機能はあったが、主に重点が置かれていたのは、スマートフォンを持ち歩かずに済むという考え方だった。競合製品がすでに目指していたのが、その点だったからだ。ただしAppleは、当時ほかのスマートウォッチに見られた小さなキーボードまで含めてウォッチ上に再現しようとするのではなく、運動の記録や健康状態のモニタリング機能に力を入れた。これらはすぐに、最も人気のある機能になった。
第3世代のApple Watchが発表される頃には、GPSや携帯電話回線への接続機能は、フィットネス機能をさらに充実させる手段としてアピールされるようになっていた。Apple Watchは、もはやスマートフォンの代わりになることを目指す製品ではなかった。第12世代を迎えた今では、話題に上るのはほぼフィットネスのことばかりだ。
これからの半年は、Appleが今後、折りたたみスマートフォン市場で果たす役割を考える上で重要な期間になる。ユーザーの反応が、次のiPhone Duoを形作る一助となるからだ。人気のサードパーティー製アプリが標準機能になり、これからの状況に対応するアクセサリーが作られ、今ある機能があらゆる方向で模倣されていくだろう。早い段階から意見を寄せ、このスマートフォンの新しい使い方に胸を躍らせる人たちの大半が、いつものユーザー層とは異なる人たちであれば、誰もが恩恵を受ける。その「いつものユーザー層」とは、IT関係者や毎週飛行機に乗る企業幹部、あるいは外側の画面を44時間も見続けるような人たちのことだ。
予算が許すなら、ぜひ手に入れてほしい。「Netflix」を視聴して、どうすればもっと快適に楽しめるかを語ってほしい。お気に入りのアプリを並べて使い、その操作方法を自分で簡単に、あるいは直感的に理解できるか確かめてほしい。アーリーアダプターになろう。そうすれば1年後の今頃には、もっと多くの人が、iPhone Duoは自分たちのことを考えて作られた製品だと感じるはずだ。
