ゲームディスクより先に「光学ドライブ」が消える? Xboxも調達難、製造基盤が崩壊か

ゲームディスクより先に「光学ドライブ」が消える? Xboxも調達難、製造基盤が崩壊か

ソニーがPlayStation用ゲームディスクの製造を2028年1月に終了すると予告したことで、一部ユーザーが反発し、「Don’t Kill The Disc」(ディスクを殺すな)請願には約38万人もの署名が集まっています。

 

こうした流れのなか、Xboxのアシャ・シャルマCEOは英BBCの取材に対し、「プレイヤーが物理メディアを愛していることは知っていますし、デジタルメディアには多くの利点があることも知っています。だから、人々に選択肢を持たせたいのです」と発言しました。

 

では、次世代ゲーム機「Project Helix」にディスクドライブを搭載するのかというと、「性能と同時に、効率性と手頃な価格も考えなければなりません」と口を濁しています。

 

なぜシャルマ氏は肯定も否定もしなかったのか。その背景には、「そもそも光学ディスクドライブのサプライチェーンが崩壊しつつある」、つまりディスク以前に、それを読み込むドライブを調達しづらくなっている事情があるとWindows Centralが報じています。

 

Xboxハードウェア関係者によると、以前は光学ディスクドライブの製造に力を入れていた工場や組立ラインが、カメラレンズなど、より収益性が高く、事業規模を拡大しやすい分野へ移っているとのことです。

 

さらに現在、ディスクドライブの需要はほぼXbox Series XとPS5に集中しており、ノートPCや単体Blu-rayプレーヤーなど、ほかのカテゴリでは次第に廃止されつつあるといいます。

 

要するに、大量の需要と大量生産という前提が崩れ、光学ドライブ産業そのものを維持する理由が乏しくなっているわけです。

 

またゲーム映像解析の技術者集団Digital Foundryも、この報道について、自分たちが聞いている話と一致すると述べています。

Xboxが最近進めている「Disc-to-Digital」、つまり物理ディスクからデジタル版のライセンスを取得できるプログラムについても、次世代ゲーム機の完全デジタル化(ディスクドライブ廃止)に向けた、既存のディスク所有者への救済措置という側面があると指摘しています。

 

この話をざっくりまとめると、ソニーはディスク製造終了を公に予告したために反発を買っていますが、その背景のひとつには「光学ディスクドライブの製造基盤が崩れつつあり、調達しにくくなっている」という事情があるとみられます。

 

それはマイクロソフトも同じですが、世間の風向きを見ながら明言を避けている、という状況なのかもしれません。

 

ゲーム機の光学ドライブを現実的なコストで搭載できていたのは、かつてPCやBlu-rayプレーヤー/レコーダー、外付けドライブなどの幅広い市場があり、部品製造や組立、検査などにかかる固定費を大量生産によって薄められたためです。

 

しかし、すでにBlu-ray市場そのものが縮小し、光学ドライブが実質的にPlayStationとXbox向けのニッチな部品になりつつあるとすれば、調達コストは上がり、必要な数を揃えることも難しくなります。

 

たとえ物理ディスクを殺さず残し続けたとしても、近い将来、それを読み込むディスクドライブを搭載した機器のほうが消滅しているのかもしれません。

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