「相手はAI」と認識したチーム、実際は人間でも成績が低い傾向──米コロンビア大研究

「相手はAI」と認識したチーム、実際は人間でも成績が低い傾向──米コロンビア大研究

米コロンビア大学の研究チームは、チームメイトを「AI」だと説明されたチームが、人間のみのチームより低い成績を示したとの研究結果を発表した。特に難しい課題ほど差が大きく、人間側の行動や生理反応にも変化がみられたという。

 米コロンビア大学の研究チームによると、人間がAIだと認識するチームメイトと協働した場合、チームのパフォーマンスや人間側の行動・生理反応が変化する可能性があることが分かった。一般的に、能力の高いチームメイトと協力すればチームの成績が向上すると考えられているが、その相手が「AI」として提示された場合に何が起きるかを、研究チームは調べたという。

 実験では、参加者がVR(仮想現実)環境を使い、知覚や判断と身体の操作を組み合わせる課題に取り組んだ。主解析では、人間のみで構成された3名のチーム18組と、人間2人と「AI役の人間」からなるチーム12組を比較。AI役は実際には課題に熟練した実験者が操作した一方で、人間のみのチームは3人とも初心者だった。AI役の声はロボット風に加工したうえで、参加者にはAIだと説明した。

 その結果、AI役を含むチームは人間だけのチームより成績が悪く、特に課題の難易度が高くなるほど、その差が大きくなったという。簡単な課題では両群の差は統計的に有意ではなかったが、中程度と難しい課題では有意な差が確認された。

 なお、条件差の影響を抑えるため、同じ実験者を「人間」と「AI」として提示した6チームの追加実験も行われた。そこでもAI条件のチーム成績は低い傾向だったものの、統計的な有意差を確認するには至らなかった。

 研究チームは、主実験において成績だけでなく参加者の生理的、行動的な変化も確認している。AIと認識したチームメイトを含む場合、人間の参加者では、瞳孔の大きさや瞬きの頻度に変化がみられた。研究チームは、こうした変化は覚醒度や認知負荷の高まりと整合するとしている。また、発話の回数や時間も減少した。

 研究チームは、相手の実際の能力だけでなく、「相手がAIである」という認識が、チーム内の振る舞いや生理反応に影響した可能性があるとみている。ただし論文は、今回の研究だけですべての因果関係が完全に確立されたわけではないともしている。

 今回の実験はVR上の課題を使ったもので、一般的なオフィス業務や企業の実務で同じ結果が生じることを直接示したものではない。とはいえ、AIエージェントを「同僚」として業務に組み込もうとする企業にとっては参考材料となりそうだ。

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