開発者の80%、AIコーディングの有用性より中毒性を懸念
AIが引き起こす仕事中毒
開発者向けAIツールは便利だが、厄介でもある。その厄介な点について、AIを活用したインシデントレポート企業Rootlyの共同創業者で最高技術責任者(CTO)を務めるQuentin Rousseau氏は、LinkedInへの投稿で「午前2時47分だ。障害のデバッグをしているわけではない。締め切りもない。『Claude Code』がモジュールをリファクタリングするのをただ見ているだけだ。それがやめられない」と述べている。
なぜだろうか。Rousseau氏はSteve Yegge氏の言葉を引用して「エージェントを使ったコーディングには中毒性がある。エージェントがうまく動作するとドーパミンが出る。失敗するとアドレナリンが出る」と説明している。Rousseau氏は、眠れなくなって医療機関に助けを求めざるを得なかったと明かす。
それほど意外なことではない。プログラマーは以前から仕事中毒に陥りやすかった。ただ、AIによって仕事の進み方がこれまでとは違うものになった。Rousseau氏の言葉を借りるなら、「エージェントの作業を見守るのは、休憩かと感じるほど受動的でありながら、夢中になれる程度には能動的でもある」。こうして、新しいタイプの燃え尽き症候群が生まれた。
AIが助けではなく足かせになるとき
プログラミング研修企業Coddy Techが305人の開発者を対象に実施した調査では、「開発者の5人に4人(80%)が、AIの利用で感じるのは利点よりも依存だと回答している」。確かに、開発者はツールを有用だと感じているが、AIへの習慣的な依存によって、自分で問題を解決する力が衰える一方で、作業量が増え、仕事との関わり方が健全とは言い難いものになっていくのではないかという懸念も抱えている。
問題はAIツールの中毒性だけではない。開発者の74%は、AIを多用することで昇給や昇進の可能性が高まると回答した。一方で、51%が、燃え尽きる可能性も高まると答えている。
AIの厄介さについては、信頼しても検証が必要
それだけではない。Stack Overflowの調査「2025 Developer Survey」では、回答者の45%が、「ほぼ正しいが、完全には正しくない」AIの回答に不満を感じている。結果として、一見もっともらしい出力が生成される一方で、厄介なデバッグ作業が生じる。
こうして「検証負債」が生まれる。出力はすぐに得られるが、それが正しいのか、セキュリティは大丈夫なのか、保守しやすいのか、特定のコードベースに適しているのかなど、検証作業からは逃れられない。
