ウクライナ、対ロ戦争終結の計画案を米側に提出=ゼレンスキー大統領
ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、4年余りに及ぶロシアとの戦争終結に向けた計画案を米国の交渉担当者に提出したと明らかにした。また、ロシアが来月の議会選挙を口実に新たな動員令を宣言するとの見方を示した。
ゼレンスキー氏は夕方の恒例のビデオ演説で「われわれは米国側に提案内容を伝えた」と説明した上で、「米国は、まず何よりも防空面でわれわれの防衛強化を支援し、ロシアに圧力をかけることができる」と言及。「それにより、ロシアの計画を変え、戦争を長引かせるのではなく、終結に向けて準備を進めるよう促すことができる」と述べた。
提案内容の詳細には触れなかった。
イラン紛争の勃発以降、ウクライナ和平協議はほぼ停滞している。ゼレンスキー氏による今回の新提案の表明は、米国の交渉担当者が近く両国を訪問するとロシア、ウクライナの双方が示唆する中で行われた。
米国の交渉担当者であるウィットコフ特使とトランプ米大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏は今年1月にモスクワを訪問して以降、ロシアには足を運んでおらず、ウクライナはまだ訪問していない。
ウクライナは繰り返し停戦を呼びかけてきた。ロシアは和平を望むとしているが、いかなる解決策もロシアが領有権を主張する4地域をウクライナが完全に割譲し、紛争の「根本原因」を解消することが条件だとしている。
ゼレンスキー氏は演説で、ロシアが9月の選挙を利用し、戦闘要員を増やすため新たな動員令を宣言する証拠をウクライナの情報機関が握っていると述べ、選挙に課された制限を指して「偽りの選挙」と呼んだ。
ゼレンスキー氏は「ロシア国民が戦争を支持しているように見せかける」計画の一環として、ロシアは「議会選挙の茶番の直後に動員を準備している」と指摘。「そしていわゆる選挙の後、年末までに数十万人のロシア人を対象とした追加の急速な動員を計画しており、来年もさらに同程度の規模の動員を予定している」と述べた。
徴集は、軍人との契約締結を通じた採用に加えて実施されるという。
プーチン大統領が支持する与党「統一ロシア」や、政権寄りの政党が投票後もロシア議会で優勢を維持する見通しだ。
ロシア最高裁判所は10日、改革派野党「ヤブロコ」について、9月に実施される議会選挙への参加を認めない判断を下した。ウクライナ侵攻に反対する立場を公然と示している唯一の公認政党が選挙から排除されることになる。
