「アホか」芥川賞作家も苦言…高市首相 熊本地震の視察動画が大炎上、被災地訪問を“プロモーションビデオ化”と波紋

「アホか」芥川賞作家も苦言…高市首相 熊本地震の視察動画が大炎上、被災地訪問を“プロモーションビデオ化”と波紋

8月3日、首相官邸のXアカウントが、高市早苗首相(65)が行った、熊本地震による被災状況視察の様子を伝える動画を投稿。しかし、この映像が大きな波紋を広げているのだ。

X上にアップされたのは、ピアノのBGMがインサートされた約2分に渡る動画。動画冒頭では、水色の防災服と航空機用のパラシュートパンツを着た高市首相が、警視庁のスタッフらとともに熊本県にある陸上自衛隊の高遊原分屯地からヘリコプターに乗り込む様子が映し出された。その後、映像は被災地市民の「とにかく地域の消防団の動きが早かったです」「災害に遭った人の支援をしっかりお願いいたします」という要望を神妙な面持ちで聞く高市首相の姿に。

そして再びカットが割られ、画面は熊本県上空を飛ぶヘリコプター内から震災の被害を見つめ、機内で手を合わせる高市首相の映像に移り変わった。ナレーションで「令和8年熊本地震でお亡くなりになられた方々に哀悼の誠を捧げますとともに、謹んでご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます」などと読み上げる高市首相の声が重ねられ、カメラは上空から死者7人という大きな被害を出したイオンモール熊本を映し出した。

続けて熊本県氷川町の避難所となっている氷川中学校を訪問する映像に移行し、そこでは高市首相が被災地市民の意見を聞いて彼らの手を強く握るシーンが。再び「明日(8月4日)200億円を超える規模の予備費の使用を閣議決定し、必要な予算を確保してまいります」「自治体の災害復旧事業について全力で支援をしてまいります」という首相の音声が乗せられ、映像は熊本県議会との協議の様子に変わる。

壇上で首相が「政府一丸となって現下の震災対応そして被災された方々の生活と生業の再建支援に全力で取り組んでまいります」と宣言し、再度、画面は被災市民の声を神妙に聞く冒頭の首相の表情へ戻る。市民が「全部が全部ありがたかったです」と首相に伝える映像で約2分の動画は終了した。しかし――。

現在、この被災地訪問の動画が“国民の窮状を政権のプロパガンダとして使っている”として大炎上しているのだ。問題視されたのが、映像内でさまざまな特殊効果が使われていたことで、被災地訪問が“プロモーションビデオ化”されているという批判だった。映像業界関係者が語る。

「聞き心地の良いBGMや躍動感のある横移動撮影、時間の前後関係を入れ替えるモンタージュなど、この2分間の映像内には様々な撮影・編集技法が施されています。そのため事実をそのまま直截的に映しているというより、ポストプロダクションによって事実を政権側のプロモーション用に仕立て上げているという印象を抱く人がいるのも仕方ありません。結果的に被災地訪問を政治的なパフォーマンスに使っているように捉えられかねない動画になっています」

実際、SNS上では以下のような声が多く上がっている。

《被災者を自己PRに使うな》

《これは本当に非道なことだと思います。許しがたい》

《内容も酷く、常に高市早苗の印象操作が中心、安っぽいドラマの感動シーンのような政権PR動画。国民を馬鹿にしすぎでしょ。》

《何だ、この動画。国民死んでだぞ。もっと死ぬかもしれない緊急事態なのに。どこまでナルシストだとこうなんだよ。震災を演出に使うことに吐き気がする。》

この動画には著名人からの批判も。芥川賞作家の平野啓一郎は自身のXに《いくら政府広報とは言え、何でもかんでも首相のプロモーションビデオの素材にしていい訳ないだろう。アホか》と綴っていた。

「高市首相といえば、この動画がアップされた同日、内閣広報官のXがヘリから被災地に合掌する高市首相の写真をアップし、SNS上で《ヘリから見下ろす形で手を合わせるとかどんな神経してんだ》《現場で手を合わせろ》などと非難が殺到していたばかり。また7月下旬には自身のXで0~3時間睡眠が常態化していると長文の“多忙アピール”投稿をして、米CNN、英BBCなどの海外メディアに報じられる事態になるなど、広報発信の面でトラブルが相次いでいる状況です。

7月19日に『毎日新聞』が発表した全国世論調査で、高市内閣の支持率が41%まで減少したと報じられました。50%を割り込むのは昨年秋の発足以来初めてで、不支持率は44%で支持率を逆転することに。現在、広報による情報発信を強化している様ですが、今回の動画はその目論見が裏目に出て、被災地の状況を差し置いて政府のプロモーションを行っているように受け取られてしまったのかもしれません」

高市首相の被災地視察動画が炎上 BGM付き「総理が主役のPV」に「政権プロパガンダ」批判

高市早苗首相は2026年8月3日、熊本地震の被災地で避難所などを視察した。だが、現地での対応やSNSを通じた情報発信について「政権プロパガンダ」「やってることが北朝鮮」などと酷評が相次ぐ事態に。支持率に翳りが見えてきた政権のパフォーマンスを優先したともとれる内容に、厳しい視線が注がれている。

■日本保守党・有本香氏も「この場面には若干の違和感」

 避難所訪問に先立ち、内閣広報官のX(旧Twitter)アカウントは「本日、高市総理は熊本県の被災地を訪れています。陸上自衛隊のヘリで上空から、今回の大きな地震の爪痕、被害の甚大さを、目の当たりにしました」などと投稿。高市首相がヘリコプターの窓の外を見ながら、手を合わせる写真を公開した。

 だが、この投稿はすぐさま炎上。被災地よりも首相の存在を前面に出した発信に「上から目線にもほどがある」「カメラを意識した角度やめなさい」などの疑問や反発の声が続々と上がった。社民党のラサール石井参院議員は「こんな行為が自然に行われたとは信じ難いし、それをすかさずカメラマンが偶然撮ったとも思えない。画角を決め立ち位置を指定して取ったはず」と反応した。

 批判が出たのは、それだけではなかった。同日15時半ごろ、高市首相は氷川町で避難所となっている中学校を訪問。被災者5人と言葉を交わす様子がテレビなどで放送された。この避難所には冷房や段ボールベッドが既に届いたといい、被災者はカメラの前で「支援物資は来るし、こんな快適な生活はないと思いました。涙が出るほどありがたいです」「不満はなく、本当に至れり尽くせりです」と感謝の言葉を重ねた。

 しかし、この対応にも疑問の声が噴出した。高市首相が耳を傾けたのは、避難所の生活空間にいる被災者の生の声ではなく、あらかじめ別室で準備していた5人の「代表者」の声だったためだ。過去に東日本大震災では、避難所を訪れた菅直人首相(当時)が厳しい口調で問い詰められた例もあった。

 このためSNSでは「仕込みだよね」「もう北朝鮮と変わらんよ。被災者に『ありがたい』と言わせる首相なんて歴代最悪だと思うよ」などの声も。ジャーナリストの江川紹子氏は自身のXで「誰が視察場所や面談対象者を選んだの?首相への忖度が優先?何のための視察?」と疑問を呈した。

 立憲民主党の田島麻衣子参院議員はXで「こんな事をするならば、汗だくでお風呂やクーラーや簡易ベッドを待つ被災者の生の声を、膝をついて直接、聞いて頂きたかった」と、不自由を強いられている被災者の声を聞くべきだったと主張。日本保守党の有本香事務総長も「私は、高市総理が被災地へ入られたことは良いことだと思っていますが、この場面には若干の違和感を禁じ得ません」と記した。

BGM付き「プロモーション風」動画が大ヒンシュク

 そして、さらに火に油を注ぐ形となったのは、首相官邸の公式SNSが発信した被災地視察の動画だった。約2分の長さの動画には、高市首相が防災服姿で颯爽とヘリに乗り込む様子や被災者と握手を交わす場面などが収められ、ほぼ全編にわたってBGMが流されていた。

 動画の終盤には、避難所となっている教室の扉を少しだけ開け「お体だけ大事になさってくださいね」と5秒程度、声をかける場面も。最後は「全部が全部ありがたかったです」と話す被災者の声を聞く首相のカットで締めくくられている。

 この動画が公開されると、否定的なコメントが殺到した。「災害対応にBGMをつけてプロモーションビデオみたいに発信する必要あったか?」「最初から最後まで総理が主役のPV」などの声が相次ぎ、炎上状態となっている。

 九州大の南野森教授は自身のXで「高市首相の本日の被災者との面会は、首相の評価を下げるだけではないかと思います」と指摘。「こんな時に、心地良い意見や感謝の言葉しか聞かないような首相は、辛い思いをしている人々、怒っている人々、悲しんでいる人々、そしてそういう人々に連帯しようとする国民からの信頼を得られないように思います」との見解を示した。

 発生から1週間が過ぎた熊本地震では、4日夕方の時点で死者は38人。うち熱中症による災害関連死の疑いが1人。いまだに7500人余りが避難所での生活を余儀なくされており、車中泊の人数は把握できていない。八代市や宇城市を中心に断水が続いており、今後も猛暑が続く懸念がある。

令和8年熊本県下被災地視察 高市総理

【熊本地震】高市首相「国にできることは全部やるつもり」 熊本・氷川町の避難所訪問で被災者が語ったことは…

0:00 首相官邸を出発

1:03 陸上自衛隊のヘリで上空から被災地を視察

1:24 熊本・氷川町の避難所へ

2:05 被災者が語ったことは

14:34 熊本県庁へ

16:46 視察を終えて高市首相コメントノーカット

高市首相は8月3日、熊本県内の被災地を視察し、令和8年熊本地震「激甚災害」に指定すると表明しました。

今後「激甚災害」に指定されれば、被災自治体の復旧事業に対し、国の補助金が上積みされるなど自治体の負担が軽減されます。高市首相は自治体に対し、「財政面で躊躇することなく、全力で対応に当たってほしい」と呼びかけました。

また、高市首相は「特定非常災害」への指定も表明しました。被災者の運転免許証や飲食店の営業許可などの有効期限が先月28日を起点に一定期間延長されるなど、地震の影響で履行できなくなった行政上の義務の一部が免除されることになります。

高市首相はさらに復旧作業を迅速に進めるため、4日、200億円を超える規模の予備費の使用を閣議決定すると明らかにしました。

また、発災7日目の視察となったことについては、「救出活動に一定のメドがついたとの報告を受け、実際に私自身の目で見て、今後の対応にあたっていくべきと考え、本日このタイミングで伺うこととした」と説明しました。

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