住民「命の危険感じた」 神社拝殿は倒壊、名勝も木片飛散 熊本県八代市
震度6強の揺れに襲われ、日本製紙八代工場で多くの安否不明者が出た熊本県八代市では、神社や名勝の建物も崩れるなどした。
住民らは「命の危険を感じた」「立っていられないくらいだった」と口々に語った。
国の名勝「松浜軒」は、建物の外壁が剥がれ落ち、周囲にガラスや木片が飛び散った。近所に住む男性(78)は2016年4月の熊本地震を思い起こして「10年前は耐えていた」と唇をかみ、「前回の地震よりも大きな揺れに感じた」と話した。
「余震が続いていたので、家にいる方が心配だった」。主婦の長瀬邑緋さん(26)は、3人の子どもと庭園の近くの駐車場で車中泊した。「子どもが泣いたりしてうるさくなるかなと思った」と避難所には行かなかった。慣れない環境に「体が痛くて寝られなかった」と語った。
自宅マンションが被災し、夫(87)と車中泊した女性(87)は「(食器棚などが倒れ)足の踏み場もなかった。命の危険を感じた」と回想した。
市役所の近くの神社「八代宮」の禰宜(ねぎ)竹原正崇さん(49)は、拝殿が崩壊する瞬間を目の当たりにし、「柱が傾いて、スライドするように崩れた」と振り返った。16年の熊本地震からの復興が進む中、「またかという気持ちだ」と肩を落とした。
八代市で生まれ育った鷲山和史さん(48)は、変わり果てた八代宮を見ながら「感情もない。元に戻るのだろうか」と言葉を詰まらせた。「毎年、参拝に来ていたので残念」と無念な思いを明かす一方、「今は自分より大変な状況の人もいる。これから友人の職場の片付けを手伝いに行く」と力を込めた。
