マッハ超え衝撃波「爆轟」か イオンモール熊本で 専門家「非常に奇異な爆発現象」
28日の地震で熊本県嘉島町のイオンモール熊本では爆発が起きました。2階部分が崩落し、これまでに2人が死亡、1人が心肺停止となっていて、現在も救助活動が進んでいます。ガス漏れの可能性があると指摘されています。
建物から立ち上る白い煙
28日午後6時ごろ、イオンモール熊本の様子を捉えた映像。画面奥の建物から、白い煙が立ち上っています。
画面下の方では、カートのようなものを押しながら、走って逃げていく人の姿も映っていました。
現場からおよそ6キロ離れた熊本市内からも、白い煙が確認できます。この映像の撮影者である地元住民はこう話します。
「火事とかないかなと思って、ベランダ開けた瞬間に、トラックがぶつかるようなバーンって音がして。そしたら遠くの方で煙がグワーって上がり始めて」
車で20分ほど離れた場所にもかかわらず、すぐ近くで爆発が起きたような音がしたといいます。
「3日前ぐらいにも(イオンモール熊本に)行ったので、それ考えたら怖いですね」
壁は数十メートルにわたり崩落
28日午後7時すぎ、イオンモール熊本の外壁は剥がれ落ちてしまっています。駐車場や辺りの地面にその外壁部分が落ち、鉄骨のような部分がむき出しになってしまっています。
熊本県嘉島町にあるイオンモール熊本。熊本市中心部から南東に8キロほどに位置する大型ショッピングモールです。
敷地面積はおよそ20万平方メートル。駐車場にはおよそ5000台が駐車可能で、地域の核となるショッピングモールです。
建物の原型をとどめていない部分が大きく見られます。
空からの映像では、建物の広い範囲で屋根が吹き飛び、壁は数十メートルにわたって崩落。骨組みがむき出しになっている所も多く、飛び散った破片の一部が地面に散乱しています。
消防などによると、28日午後6時ごろ、嘉島町にあるイオンモール熊本で「白い煙が上がり、爆発音がした」などと119番通報がありました。
「地震とは違う揺れ」も
駐車場で待機していたタクシードライバーに話を聞きました。
「自分は爆発した現場の近くに待機しとったですね。吹っ飛んだ外壁の30メートルぐらいの近くにいました」
「(Q.いきなり爆発が?)いきなりボーンといった感じ。周辺は真っ白いほこりだらけになりました。50メートルくらい離れた所の車も被害に遭っていました。保冷車のステンレスがえぐれとったです」
さらに、爆発が起きたイオンモールから300メートルほど離れた居酒屋では、店の外が白い煙で覆われ、店の中まで粉じんが入り込んだ様子でした。
爆発現場からおよそ300メートルの場所にいた鶴長一也さんはこう話します。
「近くで爆発音が鳴って、衝撃音というか衝撃波みたいなもので、地震とは違う揺れがありました。イオン側から煙が上がっていたという感じです」
爆発音は、およそ1.5キロ離れた嘉島町役場にいた職員も「ドンッ」という大きな音が聞こえたと話しています。
2人死亡 1人心肺停止
爆発前の施設内では、警報音が鳴り響き、客が足早に避難しています。
熊本県警によると、施設内にいた人のうちおよそ200人が避難した後に爆発は起こったといいます。
現場近くに待機していたドライバーはこう話します。
「地震の後だったから、イオンの中のお客さんは避難して、あまり中にはいなかったのでは。表にはその時5人ぐらいは従業員が出ていた」
自衛隊が撮影した映像には、消防や救急の車両、さらには重機が投入され、夜通し消火と救助にあたっていることが分かります。
これまでに8人が救助されましたが、20代とみられる女性2人が死亡し、1人が心肺停止となっています。
小泉防衛大臣は多数の閉じ込めが発生したことを受け、こう述べました。
「陸上自衛隊の第42即応機動連隊と第8偵察隊を中心に、イオンモール熊本での人命救助にあたっています」
マッハ超え衝撃波「爆轟」
大きな被害が出たイオンモール熊本の爆発事故。専門家の元東京消防庁・佐藤康雄さんは、爆発の大きさに衝撃を受けたといいます。
「あれだけ大きな建物が壊滅的に破壊されているというのは、非常に奇異な爆発現象だなと思いました」
爆発前の建物はグレーの外壁で覆われていますが、爆発後には外壁は剥がれ、2階部分はむき出しになっています。変わり果てた光景が爆発の大きさを物語ります。
「爆発にはいわゆる『普通の爆発』と、『爆轟(ばくごう)』といってマッハを超えるような衝撃波が出るものがあります。あれだけの破壊を起こしたということは爆轟ですね。皆さんの記憶に新しいのは、福島原発の1号機から4号機ですね。あれは水素ガスの爆轟で、あれだけ頑丈な建物も破壊されました。あれが爆轟のイメージだと思います」
被害甚大 ガス漏れ原因か
なぜ爆発は大きくなったのでしょうか。
「考えられるのは、やはりガスだろうと思います。イオンモールとかああいう所は、食堂とかが1つのフロアにたくさんお店出していますから。中華料理屋なんかは火力がプロパンガスのほうが都市ガスの2倍強いんですよ。(火力のために)プロパンガスを引くことがある。集合配管のような形で、プロパンガスをいくつかの店舗が使っていた。それが地震で配管がずれて、プロパンガスが大量に漏れた可能性も考えられます」
複数の政権幹部は、爆発の原因がガス漏れの可能性があると指摘し確認を進めています。
「ガスにはにおいがついて、ガスが漏れているということを知らしめるという形になっている。これだけ大きな所で、しかも地震という特異な状況ですので、なかなかガスが漏れているということに気づくのが遅かったかもしれません」
一夜明け 続く救助活動
さらに佐藤さんが注目したのは、館内の空調です。
「今は暑いですから、窓を閉めて冷房をかけてますから密閉されている状態というのが、爆発には一番良くない状態ですね。お客を避難させた後、30分ぐらい経ってから爆発したということですので、やはりガスがある程度充満して、大量に爆発しやすくなった状態で、引火したのではないかと思われます」
爆発事故から一夜明けたイオンモール熊本。29日午前8時ごろも、救助活動が続けられていました。
