他店舗にも「金庫保管」指示 イオンモールで従業員2人死亡 “戻らないルール”実際は【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2026年8月5日)
イオンモール熊本の爆発事故で従業員が死亡した会社は、県内にある他の3店舗に対しても売上金を金庫に入れるよう指示を出していたことを明らかにしました。
■他の3店舗にも同様の指示
爆発事故で7人が犠牲となったイオンモール熊本。現場には、花やメッセージが書かれた色紙が添えられていました。静かに手を合わせていた人は次のように話します。
地元住民
「かわいそうすぎてですね。本当はもっと早く来たかったんですけど、なかなか渋滞とかで来られなかった」
「よく買い物に来ていたので、花ぐらいしかできないけど、お供えに行こうかなと思って」
「売上金を金庫にしまってほしい」という会社の指示に従い、爆発に巻き込まれて亡くなった大竹玖瑠美さん(22)。
ハビタ
湯瀬剛二営業部長
「この度は本当に尊い命を失わせることになってしまいまして、誠に申し訳ございませんでした」
大竹さんが勤務していた雑貨店の運営会社「ハビタ」は4日、県内にある他の3店舗でも売上金を金庫にしまうよう指示していたことを明かしました。
「他の3店舗でも(指示を)出しております」
「(Q.どのような指示を?)同じように、駐車場に避難していたので、もし許可が出て入れるのであれば、金庫にしまってほしいという指示を出しました」
「売上金がそのまま行方不明になってしまうとか考えまして、しまえるなら金庫にしまえたら安心だと思いました」
「本来であれば、そこで帰りなさい、解散しなさいというべきだったと思います」
■戻らないルール 実際は
指示は誤りだったことを認めた運営会社。しかし、施設内には“許可を得てから”入るよう、現場にいなかった店長を通じて、大竹さんらに伝えたと主張します。
「イオンモールの許可がなければ絶対に入ってはいけないので、許可を取ってから入ってくださいと、伝えてくださいと店長に言いました」
さらに運営会社が語ったのは、大竹さんらが店舗に戻る直前、施設側との間で交わされたとするやりとりです。
「17時35分前後に(大竹さんらが)事務所の方と話をしたことが翌日、店長に(施設の)担当者の方から連絡がありまして」
「『気を付けていってらっしゃい』『行ってきます』と笑顔で(大竹さんらが)入っていったという話を店長にされた」
「警備員ではなくて(施設の)事務所のスタッフ。テナント担当みたいな」
施設側は二次被害を防ぐため、いったん外に避難したら、モール内には戻らないルールがあったと明らかにしていますが…。
「入り口によっては『スタッフは入ったらだめですよ』と制止されて、この入り口では『ちょっとだったらいいですよ』と。もう一つの入り口では『複数人だったらいいですよ』みたいな」
「本当に、言った指示というのは間違いないので、そこがすべて私の責任であると思っております。本当に申し訳ないと思っております」
イオン側が、爆発翌日に開いた会見で、一度、避難した人を再び入館させたかを問われると。
イオン 吉田昭夫社長
「(Q.中に入っていいという許可は?)そういったことは一切ございません。明確に否定しておきます」
どうやって館内に戻ることができたのか、誰かが入館を許可したのかについて、イオンは現在確認中としています。
■親族「納得できない」
2日に営まれた大竹さんの通夜。運営会社に対する思いをこう語っていました。
大竹さんの親族
「私たちも、今後の話もついてくるのであって、納得はできないです。誰が考えても。その時に逃げ隠れせずにきちっとした対応をお願いします。約束できますか?」
ハビタ
上野景真代表取締役
「承知いたしました」
爆発事故の原因については、警察や消防などによる調査が進められています。
■法的に責任問われる?
専門家は次のように話します。
元警視庁捜査1課 佐藤誠氏
「営業部長が売上金のことを言わなければ亡くなることはなかったと言っている。強い自責の念を示していると思うが、この発言だけで法的に責任が決まるわけではない」
運営会社が、法的に責任を問われる可能性はあるのでしょうか?
「実質的な業務命令だったか、お願いレベルだったかが一番の立件のポイント。その時に従業員が断れる状況だったのかもすごく大事。必ず爆発して、もしかしたらこうなるんじゃないかというのをあなたは分かっていて、予見していましたよね?というのを何かで立証しなきゃいけない。だから、ちょっと(立件の)ハードルが高いと思う」
【解説】地震後になぜ館内へ戻ったのか イオンモール爆発事故で問われる雑貨店と施設側の責任【かんさい情報ネット ten.】
1週間前に発生した熊本地震。避難後の「イオンモール熊本」で起きた爆発事故で、雑貨店従業員はなぜ商業施設内へ戻ったのか。雑貨店「ハビタ」とイオンモール、それぞれの説明から見えてきた当時の対応を検証します。従業員に店内へ戻るよう求めた経緯や、イオン側の避難マニュアル、さらに今後問われる可能性のある法的責任について整理。ガス爆発だった場合の「予見可能性」は責任判断にどう影響するのか。現場で命を守るスタッフへの安全配慮義務とは何か、スタジオで解説します。
【検証】イオンモール熊本 なぜ大規模爆発に?“2つのポイント”専門家指摘【サタデーステーション】(2026年8月1日)
地震発生からおよそ1時間半後に、イオンモールで起きた爆発事故。なぜ、あれほどの大規模な爆発が起きたのか…専門家との独自検証で、その要因が見えてきました。(サタデーステーション8月1日OA)
■イオンモール熊本で7人死亡
今回の地震で、専門店の従業員7人の死亡が確認された熊本県嘉島町のイオンモール熊本。
報告・矢谷一樹ディレクター
「爆発があったイオンモールの前には花束が手向けられています」
爆発した当時、店内にいたという従業員が手向けた花束です。1日、捜索を終了することが発表されました。
午後5時46分、イオン外の駐車場に止まっていた車のドライブレコーダー。一瞬火花があがり、辺り一面が白煙に包まれます。建物近くから走って逃げてくる人の姿も見えます。
近隣住民
「音 音 音 とにかく音。ヘリか何か落ちたんじゃないかって感じ」
近隣店の店員
「音で気を失いそうになったのは生まれて初めてだったんで」
■なぜ大規模爆発?独自検証
いったいなぜ、ここまで大規模な爆発が起きてしまったのか。サタデーステーションは複数の専門家と緊急検証しました。
ガス漏れが原因の可能性が指摘される、今回の爆発。イオン側によれば、館内で使用されていたのはLPガス。建物のすぐ外に貯蔵タンクがあり、地下を通って館内に引き入れ飲食店での調理や空調設備などに使用されていたといいます。
今回、大規模な爆発になった可能性として、2つの要因が見えてきました。
■ポイント(1)建物の“密閉度”
1つめが、建物の密閉度です。
ガス爆発に詳しい東京大学大学院・茂木俊夫教授
「空間が比較的密閉度が高くて圧力があがりやすかったことが考えられます」
爆発前の建物の外観を見てみると、排気口や窓はほとんど見当たりません。
建物の密閉度の違いで、爆発の大きさが変わる実験映像があります。これは、コンクリートの建物に見立てた装置です。左は排気口があり、右は排気口なしで密閉度が高くなっています。そこに着火してみると、排気口がある方は装置の形を維持したまま高く火柱があがるのに比べ、排気口がない方は装置自体が粉々になってしまいました。今回の爆発とも似ているようにみえます。
爆発で最も損傷が激しかったのは、2階の中央エリア。洋服や雑貨を扱う店舗が並ぶ場所を中心に激しく損傷しました。実際の中央エリアを撮影した映像を見てみると、1階部分は店舗の看板などが残っているところもありますが、2階部分に上がってみるとほぼ全てが吹き飛び、何があったのかわからない状態になってしまっています。
ガスはどこにたまっていったのでしょうか。
ガス爆発に詳しい東京大学大学院・茂木俊夫教授
「店舗側にたまるのは相当空間広いのであまり考えにくいと思っていて(窓のない)バックヤードのような部屋ですね、そこにたまったものが爆発したと考えられる」
複数の従業員への取材によると、ちょうどこの中央エリアの2階にバックヤードがあったといいます。
■ポイント(2)爆発までの“80分”
そしてもうひとカギとなるのが、爆発までの“80分”です。
ガス爆発に詳しい広島大学・金佑勁准教授
「プロパンというのは、どんどん下にたまり空気と混合します。80分という非常に長い時間で混合気として形成されていると思います」
LPガスなどの可燃性のガスは空気がないと燃えることはないとされていますが、地震後に、ある程度の時間がたっていたことで空気とよく混ざり爆発しやすい状態になっていた可能性があるといいます。
■ガス漏れ原因か・商業施設の配管はどうなっている?
ガス漏れが原因だとすればどこからどのように漏れたのでしょうか。
LPガスの供給機器を製造するこちらの会社。イオンモールのような施設に設置されるのと同様の設備を見せてもらいました。
I・T・O株式会社 岩岡冬季知さん(滋賀・米原市)
「LPガスを2.9t蓄えることができるタンクになります。タンクの中にはLPガスが液体で入っています。それを気化させる時には250倍の体積になって出てきますので」
LPガスは通常の火気使用のほか、発電や冷房など幅広い用途に使用できるという利点があることから災害時に役立つとされています。
I・T・O株式会社 岩岡冬季知さん(滋賀・米原市)
「何年備蓄しても組成(品質)が変わらないということで、何かが起きた際にすぐに使いやすいところがある」
実際に地震が起きた時にはどうなるのか?
I・T・O株式会社 岩岡冬季知さん(滋賀・米原市)
「感震遮断弁という装置になります」
センサー内には金属の玉と磁石が入っていて、それが揺れで物理的に動くことで遮断することができます。
I・T・O株式会社 岩岡冬季知さん(滋賀・米原市)
「遮断弁に連動させてここの根元でガスを遮断させるという仕組みになっています」
安全装置が起動していたとすると、ガスは遮断弁の先。配管の中だけにあることになります。
I・T・O株式会社 岩岡冬季知さん(滋賀・米原市)
「LPガスの配管の材質は法律で定められた、材質の金属のものを使っています。溶接で接続していく場合もありますし、フランジという接続のプレートに強度の確認されたボルトをねじ込んで接続する方法」
大きな建物の場合、こうした金属製の管をいくつもつなげて目的の場所までガスを通していくことになります。
I・T・O株式会社 岩岡冬季知さん(滋賀・米原市)
「これは若干曲がる素材になっております。地震の揺れなどに対応して配管の応力(加わる力)を緩和する役目を持っていますので」
揺れによって配管が壊れてしまわないように、いくつもの対策が取られていました。
I・T・O株式会社 岩岡冬季知さん(滋賀・米原市)
「理論上いわゆる過去の震災においても壊れない設計」
想定を超えるほどの揺れが襲ったのでしょうか。
■映像から検証 緊迫のイオンモール
イオンモール熊本近くの道路をとらえた映像。車が交差点にさしかかろうとした瞬間、前方を走っていた車は大きく揺れ、急ブレーキ。街頭や看板などが大きく揺れていることがわかります。止まっていたバイクの運転手も、立っていることができません。
イオンモール熊本の屋上駐車場で撮られたドライブレコーダーの映像もあります。地震が起きた午後4時27分、大きな揺れが車を襲います。ほぼ同じ頃。店内には様々なサイレンが鳴り響き、従業員の誘導などに従い避難を始める人たちの姿がありました。
2階フードコートで働いていた従業員
「他店舗の人も『早く逃げろ』みたいな掛け声をしていて、自分は先にトイレの方を見に行ったんですけど誰もいなかったのでそのまま自分も避難の方に移りました」
イオン側によると地震発生時、店内には客およそ3000人と1500人近い従業員がいましたが、地震からおよそ30分後の午後5時頃までに避難は完了していたといいます。
■7人死亡なぜ…直前まで店内にいた従業員らの証言
取材で、明らかになってきたこともあります。
2階テナントで働いていた従業員
「テナントに戻ってレジの鍵を閉め荷物をとったあたりで、(同僚に)「ガス臭がするから早く出よう」と言われた」
2階フードコートで働いていた従業員
「地震が起きてすぐからガスの臭いが充満していたのは事実で、戻るかっていうのは(従業員の)友だちも躊躇したみたいなんですけど貴重品を置いていたみたいで、取りに行っているときに爆発が起きて」
残してきた業務を行うため、スマホなど荷物を取るためなど、中に戻った従業員が複数いたといいます。
一方、飲食店側では二次被害を防ぐための、行動がとられていたこともわかっています。
2階フードコートで働いていた従業員
「従業員の『ガス栓を閉めて』という声も飛び交っていましたね」
2階フードコートで働いていた従業員
「火の元とかガスとか フライヤーとか電源だけ落として各自帰るってことになったから、また中に行って電源とか全部消してすぐ外に出た」
【熊本地震発生から1週間】イオンモール熊本の爆発事故「貴重品を…」従業員が店舗へ 施設内にいた人たちの行動や状況は
最大震度7を観測した熊本地震の発生から1週間となりました。従業員7人が亡くなったイオンモールの爆発事故について、施設内にいた人たちの行動や状況が見えてきました。
「館内に戻って売上げを金庫に」ほかの店舗にも“指示”なぜ?イオンモール爆発事故【報道ステーション】(2026年8月4日)
大規模な爆発で7人が死亡したイオンモール熊本。その2階にあった雑貨店『ハビタ』。「売上金を金庫にしまってほしい」との指示を受け、店内に戻った従業員2人が爆発に巻き込まれ、亡くなりました。
■なぜ、その指示は出されたのか
店内に戻るように指示を出した湯瀬剛二営業部長が、会見に出席しました。
ハビタ 湯瀬剛二営業部長
「売上金が、そのまま行方不明になってしまうことを考えまして、金庫に戻せたら安心だと思いました。(Q.地震のマニュアルはあったのか)マニュアルは、ビルの指示に従うということで。独自のマニュアルというのは持っておりませんでした」
地震が起きたとき、営業部長は、菊陽町の店舗にいたといいます。営業部長も、そこで避難することになり、電話やLINEを使い、各店舗の状況確認や安否確認を行いました。ただ、イオンモール熊本店の店長は、この日、休日だったといいます。店長が、従業員に連絡を取り、それを営業部長に報告。現場の状況などは間接的に伝えられていました。
■“店内に戻る指示”背景は
営業部長が避難していた菊陽町の震度は5強。イオンモール熊本は震度6強。置かれていた状況は、大きく異なっていました。それでも指示は、営業部長がいた店舗の対応を基準に出されました。
ハビタ 湯瀬剛二営業部長
「私が避難した(菊陽町の)駐車場に、支配人から説明があって、『きょうは営業中止ですので、荷物をとって退室してください』と。安全確認が取れたということで、(各店舗でも指示が)あると認識をしておりました」
営業部長は、自分がいた店舗では、館内に戻り、売上金を金庫にしまえたことから、4つの店舗に同じ指示を出したといいます。
午後5時17分、イオンモール熊本の店長に電話。3分後、店長から従業員へ。その電話は、6分間、続き、2人は店内へ戻りました。そして、爆発が起きます。
ハビタ 湯瀬剛二営業部長
「本当に言った指示というのは間違いありませんので、そこがすべて私の責任であると思っていますし、本当に申し訳ないと思っております」
■店内に戻った3人の“動き”
また、イオンモール熊本内で、従業員3人が死亡したアパレル大手のオンワードホールディングスも当時の経緯を公表しました。
地震発生後の午後4時33分、営業担当が、イオンモール熊本内で働く従業員へ連絡。すでに3人が外へ避難していたことを確認します。しかし、その約45分後、「貴重品を取るために店舗に戻ることができたが、何かやることはありますか」と連絡が入ります。
3人が施設内へと戻ったことを知った担当者は、すぐに外へ出るように指示しますが、爆発は、その後、発生し、連絡は途絶えました。
店がある2階ではなく、1階の出入り口付近で、従業員3人の遺体は発見されたということです。
オンワードホールディングスは「身の安全の確保を第一に、施設管理者の指示に従って、適切に行動するよう指導してまいりました。しかしながら、今回、結果として、当社の指導が不徹底であったものと深く反省しております」としています。
避難後は館内に戻らないと定められているというイオンモール。
どうやって館内に戻ることができたのか。誰かが入館を許可していたのか。イオンは、現在、確認中としています。