コロナ死者、2025年は2万1497人 多くは65歳以上の高齢者
新型コロナウイルス感染症で2025年に死亡した人は、2万1497人だったことが厚生労働省の調査でわかった。24年に比べ1万人以上減った。一方で死者のほとんどを65歳以上の高齢者が占めており、専門家は「高齢者にとっては依然として重大な感染症」と指摘している。
厚労省が6月に公表した人口動態統計(概数)によると、新型コロナの死者数は男性1万2043人、女性9454人。年代別でみると、65歳以上の高齢者が98%近くを占めた。
23年の新型コロナの死者は約3万8千人、24年は約3万6千人で、25年は1万人以上減った。25年は冬の流行規模が例年より比較的小さかったことが影響している可能性もある。ただし、季節性インフルエンザの25年の死者数6838人に比べても約3倍になっている。
国立健康危機管理研究機構(JIHS)の大曲貴夫・国際感染症センター長によると、当初は肺炎が主な死因とされていたが、21年11月に報告された「オミクロン株」が流行の中心になってからは、持病の悪化による多臓器不全や心不全が主な死因になった。オミクロン株になってからは、感染する人が一気に増え、結果として死者数も増えた。
大曲さんは「パンデミック(世界的大流行)を経て、感染した人、ワクチンを接種した人が増えた。その結果、新型コロナウイルスに免疫をもつ人が増え、重症化や死亡のリスクが低下したと考えられる」と指摘。高齢者は感染したときに重症化しやすいため「社会全体で流行規模を抑えていくことが重要」と話す。
新型コロナ感染後の後遺症も報告されている。せきや倦怠(けんたい)感が長引いたり、認知機能の低下がみられたりする例があり、「ロングコビッド」と呼ばれ、世界的に問題になっている。「新型コロナを『ただの風邪』と軽く考えることはできず、ウイルスの変異なども含めて状況を注視していくことが求められる。ワクチンは後遺症のリスクを低減できるとされており、とくに高齢者については秋以降の接種を検討してほしい」と大曲さんは語る。
