豊漁なのに…『クロマグロ』漁獲枠拡大の合意ならず メキシコが反対した理由は
クロマグロは最近、漁獲枠を超えるため、網にかかっても海に放しています。資源管理について話し合う国際会議が行われ、日本は枠の拡大を目指していましたが、合意には至りませんでした。来年の漁獲枠拡大は極めて難しい状況になっています。
豊漁なのに…憤りと落胆
日本政府の悲願はなりませんでした。
水産庁 福田工審議官
「漁獲枠設定は集中的な審議が行われたが合意に至らず。このクロマグロの措置について何かを決めるのは難しい状況なので、日程的には極めて厳しい」
長崎市で開かれていた、太平洋を囲む12の国と地域による国際会議。この場で日本が提案をしたのは、30キロ以上の大型クロマグロの漁獲枠を25%拡大するというもの。大筋で合意できると見込まれていました。ところが急転。メキシコ1カ国が反対し、来年の漁獲枠拡大は難しくなりました。
交渉に臨んだ水産庁は怒りをあらわに。
水産庁 福田工審議官
「日本各地の漁業者の皆さまが、厳しい漁獲枠の中で日々苦労されながらやっている状況で、1カ国の不合理な対応により、合意できない事態となったことは、強い憤りを感じている」
網にかかったクロマグロを海に戻す漁師たち。これは『漁獲枠』を超えないようにする作業です。かつて乱獲の影響で激減した太平洋クロマグロ。国際的な規制により大幅に回復し、最近ではむしろ豊漁に。漁では漁獲枠を超えないよう制限しています。こうした皮肉とも言える状況に、日本側は漁獲枠の拡大を要求してきました。
全漁連は会議終了直後、こうコメントしました。
全漁連
「漁獲枠増枠を強く期待していたが、合意に至らなかったこと、関係漁業者は驚きと怒りを覚えている」
まぐろパーク本まぐろ担当 大津龍一さん
(Q.国際会議で合意に至らずと)
「思っていたのと違うというか、みんな予想では上がるんじゃないかと。僕もそう思っていたので、正直いうと残念」
大阪・堺市にある『マグロパーク』。日本最大級の水産直売所です。産地直送で仕入れたクロマグロを店内でさばき、そのまま“名物の海鮮丼”にして提供しています。
来場客
「ちょっと贅沢な感じ。(値段を)もうちょっと下げてほしい。食べる回数増やしたい」
「マグロ高いですね。何でも高くなってるんで」
メキシコ反対輸出影響を懸念か
高級魚が“より身近に”そんな期待とは異なる結果となった今回の国際会議。そもそもなぜメキシコは反対したのでしょうか。世界の漁業経営に詳しい専門家はこう分析します。
北海学園大学経済学部 濱田武士教授
「日本のシェアは50%以上。メキシコはその次に多い。メキシコは天然のクロマグロを捕まえて、養殖いけすに入れて餌(えさ)を与えて大きくして日本に出荷する。日本の漁獲枠が増えてマーケットの相場が下がると、自国産業にとって不利益が大きい」
