嫌がる飲食店に、AIが何度も予約の電話を…「オートリザーブ問題」はなぜ起きてしまったのか

嫌がる飲食店に、AIが何度も予約の電話を…「オートリザーブ問題」はなぜ起きてしまったのか

「AutoReserve(オートリザーブ)」はAIが利用者に代わって飲食店を予約するサービスだ。日本国内には電話予約のみの飲食店も多いが、利用者はオートリザーブを使うことで、ネット予約と同じ感覚で予約できる。

 だが、利用者が増えた2020年以降、同サービスがたびたび騒動を起こしている。デメリットを被っているのは主に飲食店側だ。オートリザーブからの電話が鳴りやまないほか、誤った情報が掲載されているなどの事態が起きているという。

 オートリザーブ側は削除依頼に対応しない方針を貫いている。本来、仲介サービスは利用者と飲食店の双方が利用しやすい仕組みを構築しなければならない。だが、飲食店側への配慮に欠ける仕様が弊害をもたらしているようだ。

2018年にリリース、これまで500万人以上が利用

 オートリザーブは2018年にリリースされたレストラン予約サービスだ。日本の企業・ハロー(東京都渋谷区)が運営し、累計登録者数は500万人を突破した。

 英語、中国語、韓国語などにも対応し、外国人の利用者も多いという。主な機能は「公式予約」と「予約代行」だ。オートリザーブと提携している店舗の場合、ユーザーはオートリザーブのWebサイトまたはアプリを通じて、飲食店を公式予約できる。

 予約代行では、公式予約と同様にユーザーは予約希望日時などを入力し、オートリザーブがユーザーに代わって飲食店を予約する。電話予約のみ受け付けている店舗では、オートリザーブのAIが電話をかけ、予約を取る仕組みだ。

 つまり、ユーザーは、電話予約しか受け付けていない店でも、ネット予約のような感覚で予約できる。同社は、電話が苦手な人や耳が不自由な人でも利用しやすい点をアピールしている。また飲食店の紹介ページでは「ホットペッパーグルメ」など他の飲食店紹介サイトと同様、営業時間や料理の写真、メニューなどを掲載している。

 飲食店側はインバウンドを含む集客で恩恵を受けられる。提携した場合、ネット・電話予約の一元管理やキャンセル料の自動徴収といった機能を利用可能だ。

数々の弊害から「オートリザーブお断り」の飲食店も登場

 近年、提携していない飲食店の一部にはオートリザーブを拒否する店も現れている。

 東京にある飲食店では、ビジネスモデルに賛同できないことを理由に同サービスでの予約を拒否した。京都のあるカフェはAIによる一方的な要請に対応しない姿勢を表明している。「マンゴツリーカフェ」や「すたみな太郎」などのチェーン店もオートリザーブからの予約を一切受け付けないとしている。

 飲食店側が訴える被害には「AIによる架電が鳴りやまない」「営業時間と合わないなど、誤った情報で予約が入ってしまう」「AIが対応するので、利用者のアレルギーや料理の好き嫌いなど、細かな要望を聞けない」などがあるようだ。

 特に架電に関してはたびたび報道されている。店員が忙しく、電話に対応できない場合、オートリザーブは何十分に渡って架電し続けることもあるという。誤った情報での予約確定も致命的な問題である。

 こうした事態は「AIの能力不足」が要因だ。オートリザーブ側が人ではなくAIを活用するのは、コスト削減が目的とみられる。しかし、AIの能力が不完全であるため、デメリットによる弊害が大きいと感じる飲食店も出てくる。人間であれば2~3回電話をかけても飲食店が対応しない場合、時間を空けてかけ直すはずだ。

法的に問題がないとしても、対応は必要

 架電について、一部の飲食店は着信拒否設定で防止している。だが、サイト・アプリへの掲載に削除依頼を出しても、対応してもらえないという。オートリザーブは公式Webサイトで次のように表明している。

 「弊社のウェブページは、他社の口コミサイト、個人ブログ、地図サービスなどと同様、一般に公開されている情報やユーザーからのフィードバックによってレストランページを構成されております。すでに公開されている内容でございますのでページの削除対応はできかねますので、ご留意いただければと存じます。」(原文ママ)

 公開情報を基に掲載しているため削除しないという考えで、あるメディアの取材に対して運営会社は「法的に問題はない」としている。ちなみに過去には、飲食店がグルメサイトに掲載削除を求めた裁判で、飲食店側の要望を認めない判例が出ている。オートリザーブの主張を覆すのは難しいとみられる。

 一般的な予約サイトの場合、システムの導入に際してはプラットフォーム側と店舗が事前にやり取りを行い、プランや料金などを決定する。プラットフォームの担当者があいさつ回りで定期的に店舗・施設を訪れることもあり、両者は協力関係にある。一方でオートリザーブでは、飲食店側は勝手に予約システムを導入させられた構図だ。

 一部店舗が弊害を訴えている点は見逃せない。掲載の削除に対応しないにしても、飲食店が予約受付を拒否した場合、予約と架電をしない仕組みにすべきだ。現状は、オートリザーブを拒否している店舗でも、サービスサイト上では予約画面を表示している店舗が存在する。飲食店の苦情が消費者に広がれば、オートリザーブの収益にも影響を与えることになる。法的に問題がなくても、一定の配慮をする必要があるだろう。

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