排気量アップでプラス38万円はバグ!? トヨタの良心「カローラクロス GR SPORT」がコスパ最強な理由

排気量アップでプラス38万円はバグ!? トヨタの良心「カローラクロス GR SPORT」がコスパ最強な理由

トヨタのスポーツブランド「GR」の名を冠したクルマといえば、「GRヤリス」や「GRカローラ」、そして今年3月に生産完了した「GRスープラ」を思い浮かべる人は多いでしょう。でも「あそこまでガチでなくてもいいんだよなぁ」と思う人もいるのでは? そこで登場するのがGR SPORTグレードです。今回は人気SUVであるカローラクロスのGR SPORTグレードを紹介します。

当初よくある「スポーツグレード」だと思ってました

 GR SPORTグレードは、昨年行なわれたカローラクロスのマイナーチェンジに合わせて登場しました。国産他社のスポーツグレードといえば、フロントバンパーとホイールが専用品になり、専用スポーツシートが奢られて、サスペンションが少し硬くなる、というのがお約束で、カローラクロスGR SPORTも、その例に従っています。

 全長4460×全幅1825×全高1600mmというボディーサイズは普段使いにはピッタリで、なるほど、人気があるのもうなずけけます。そして、標準グレードよりも全高が低く、どうやら車高が10mmローダウンしているとのこと。見た目では大きな口の専用バンパーのほか、ガラス付近などにあった加飾がすべてマット仕上げになっています。

 専用19×7.5Jアルミホイールに、横浜ゴムのスポーツタイヤ「ADVAN FLEVA V701」という組み合わせ。そして、スポークからチラリと見える赤色のGRロゴ色キャリパー。スポーツモデルらしい演出です。と思いきや、赤色キャリパーはメーカーオプションで5万5000円とのこと。ちなみにボディーカラー(ブラック×アッシュ)もメーカーオプションで5万5000円です。

モノトーンでシックなインテリア

派手すぎず、地味すぎないのがイイ!

 インテリアはモノトーンで統一。キラキラ加飾は一切ありません。GRのロゴ付き専用スポーツシートは、メイン材にスエード調表皮を採用。ステッチはグレーで、この手のグレードにありがちな赤ではないのところに好感を抱きました。サイドサポートはかなり張り出していて、大柄の男性(=筆者)にはちょっとタイトかも。

 「もし毎日乗ることになったら、ブリッドかレカロのシートにでも変えるだろうな」と思っていたら、シートヒーターが完備されていることを発見。スイッチの位置が、マイナーチェンジ前はセンターコンソールの中央にあったのですが、今回はアームレスト側に移動していました。冬場のシートヒーターは重要なので、このシートに毎日座ることになったら、ダイエット頑張りたいと思います。

 オシャレは足元から。ということなのでしょう。スポーツグレードでは定番の専用アルミペダルが奢られていました。

 ステアリングホイールにはGRのエンブレムがキラリ。本革巻きの3本スポークで、ここもグレーステッチです。そしてよく見ると、パドルシフトです。たしか、ほかのグレードや従来モデルにはなかったと記憶しています。

 ちなみにカローラクロスのマイナーチェンジで大きく変わったのが、幅広のセンターコンソール周りです。まず造詣そのものがスッキリとしました。そして、USB端子がType-Cになり、シフトノブがシャープな造形へと変更されました。

 スマホトレイは2つ並べて配置できるのですが、どちらもワイヤレス充電ができず。よく見たらQiのロゴがないので「なんだメーカーオプションか」と思い見積りサイトを見たのですが、そこにもなく。ちなみにカローラクロスにはメーカーオプションとして「おくだけ充電」が1万3200円で用意されているので、GR SPORTグレードにも欲しかったなぁと。

 前後に動くアームレスト(販売店オプション1万3200円)を開けてみると、12Vアクセサリーソケットを発見しました。

 後席は運転席に合わせてのスエード調シートとグレーステッチがなされている以外、ノーマルと変わりありません。ここまでは「よくある話」なのですが、この先が違いました。

まさかパワートレインを変えてくるとは思いませんでした

 カローラクロスは1.8Lの直4ガソリンエンジンにモーターを組み合わせた、ハイブリッドユニットを搭載しています。ですがGR SPORTグレードは排気量を2Lにアップしているというではありませんか。そう、昭和によく見かけたスポーツグレードの「エンジンが違う」というヤツです。

 これに伴い、エンジンの最高出力が98PSから152PSに、最大トルクも14.5kgf・mから19.2kgf・mへとアップしています。さらにフロントモーターの出力も95PSから113PSへとアップしているからすごい。ちなみに、リアモーターのスペックは同じでした。これによって、システム出力は140PSから199PSへと大幅アップしています。

 では燃費が悪くなったのかというと、WLTCモードで24.6km/Lから23.3km/Lへと微減した程度。「最初からコレを載せてよ」と思ったものです。ちなみに、このパワーユニットをすでに載せている車種があります。その名は「プリウス」。スペックも同値です。

 ボンネットを見ていたら、エンジンオイルの交換時期などが書かれたシールを発見。そこには粘度指定が0W8と書かれていました。今時のクルマ、そんなにサラサラな低粘度のエンジンオイルを使っているんですね。マイナス40度の世界ではバナナでクギが打てます、というCMを見て育ったオジサンは衝撃を覚えました。

 走行モードにSPORTを搭載(標準はPOWER)。専用チューニングにより、エンジンの回転数が通常よりも高めに維持するだけでなく、モーターのパワーと共に加速時のレスポンスを高めたのだとか。これは面白そう!

サスペンションを変えただけじゃないだと!?

 パワートレインを変えただけでも十分なのに、それ以上をやっているとのこと。それはズバリ足回りとボディー補強。サスペンションが10mmローダウンしただけでなく、スプリングレートと減衰力を変更。フロントロアアームブッシュを高強度化し、リアダンパーにピストンバンドを適用。さらにリアバンパーブレースによるボディー補強をしています。

 しかも、オプションでボディー補強パーツも別途用意しています。GRブランドは、良い意味でオタク気質だと思っていましたが、やっぱりオタクでした。

 さて、お値段ですが389万5000円。ノーマルの最上位グレードが368万9000円ですから、38万5000円アップです。思ったより価格差がない、良心的と思いませんか? だってパワートレインまで変わっているのですから。

前期型オーナー嫉妬必至!? ドイツ車ライクな極上の乗り味

 走りも良心的。ステアリングが俊敏で気持ちの良さはなかなかのもの。ノーマルのカローラクロスとは明らかに異なる運転の楽しさが得られます。感心するのは、自然な荷重移動とタイヤの確かな接地感があったこと。それは横方向(ステアリング)だけでなく、アクセルとブレーキでも感じられ、積極的に動きながらもコシが据わっているから砕けない。この動き、GRヤリスに似ているかも。となると、GRが思うイイクルマってこういう動きなのか、と感じました。

 乗り心地という点でいえば、カローラクロスの「まったり」感とは大きく異なります。下からの衝撃は強めではあるもの、助手席や後席で不快感があるのかというと、そこまでではありません。どこかドイツ車っぽい乗り味といった印象を受けました。

 SPORTモードにしての加速は気持ちよく。足の良さも含めて「最初からコレを売ってよ」と、前期型オーナーからの恨み節が聴こえそうなほどの良いクルマ。GR印のコンプリートカーが400万円以下で手に入ると思うと、走りも値段もトヨタの良心と思いました。

🍎たったひとつの真実見抜く、見た目は大人、頭脳は子供、その名は名馬鹿ヒカル!🍏