「小型全固体電池」開発・量産、マクセルが生かす「技」

「小型全固体電池」開発・量産、マクセルが生かす「技」

マクセルはカセットテープや電池製造で培った「技」を生かし、小型全固体電池を開発・量産している。技とは粉を混ぜる、塗る、固める、というもの。同社ではこうした技をアナログコア技術と呼ぶ。四角形やコイン形そして円筒形などのさまざまな種類の全固体電池をそろえる。産業用ロボット向けに導入が加速するとともに、他分野での引き合いも出てきた。電池の交換作業がしにくい環境での採用を念頭に、2030年度に売上高300億円規模を目指す。

全固体電池の開発に乗り出したのは、産業機器のメンテナンスにかかる負担を減らすため。顧客の要望を聞いた上で、105度Cの環境で寿命が10年間維持できる全固体電池を目標とした。山田将之執行役員は「我々の強みを最大限、生かせる電池構造にしようと決めた」と振り返る。

全固体電池の内部は大きく3層に分かれている。負極と固体電解質、そして正極だ。例えば正極ではコバルト酸リチウム、固体電解質、導電助剤が材料となる。各材料を固めず、均一に分散させることが求められる。イオンや電子を円滑に通すためだ。この工程でマクセルの技が生きる。

ただ目標を実現するには苦労が伴った。設備を自社で構築する必要があったためだ。新事業統括本部設計部の藤盛和貴担当部長は「手作業を自動化するのが難しかった」と振り返る。自動化する上で人が作業をする様子を動画撮影して、装置に反映していった。

そして、23年にセラミックパッケージ型の全固体電池の量産を始めた。足元では工場自動化(FA)機器やリアルタイムクロック(RTC)用のバックアップ電源での採用が広がる。マクセルグループの工場や他社工場での試験運用も進む。

さらに、宇宙・航空分野や半導体製造装置業界、そしてデータセンター(DC)関連での引き合いも出てきたという。耐熱性や容量の向上、そして薄型化に引き続き注力しつつ、国内外に全固体電池を訴求する。

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