eSIM専用になったiPhone 17はもちろん、eSIMの積極活用に不可欠な「eSIM再発行」、手数料や手続きの手間はどうなっている?

eSIMの積極活用に不可欠な「eSIM再発行」、手数料や手続きの手間はどうなっている?

 eSIM専用になったiPhone 17はもちろん、Android機でもデュアルSIMで使うのにeSIMの活用は不可欠になっている。物理SIMと比べた場合、特にMVNOの格安SIMでのeSIMの使い勝手は良いとは言えなかったが、少しずつ変化が見えてきた。2026年6月時点でのeSIMの現在地をまとめた。

SIMをどのスマートフォンに入れているのか

キャリアが管理する時代に逆戻りした感も

 スマートフォン好きだと複数台を持っている人は少なくないだろうが、その際に避けて通れないのがeSIMの機種間の移動。物理SIMであれば自分で抜いて差し替えるだけだが、eSIMは通信事業者での手続きが不可欠だ。最近のiPhoneやAndroid機ではネット経由でeSIMを移転させる方法もあるが、これも事業者が転送の仕組みを用意しているからで、なんらか事業者側の対応が必要だ。

 そして転送以外では「eSIM再発行」としてウェブサイトなどで手続きをする必要がある。サービスによっては、本人確認書類を提出したり、スマホを使った自撮り撮影といった手間が必要で、事業者側の対応時間が決まっているケースもある。

 つまり、eSIMを違うスマホに移そうとするたびに面倒な手続きが発生するわけで、機種変更をするたびに毎回キャリアショップで携帯電話に電話番号を投入をしていた、3Gより前の時代に逆戻りしている感覚だ。

原則有料だったMVNOでのeSIM再発行

無料のサービスもポツポツと登場し始めた

 そのeSIM再発行だが、大手キャリアは無料が主流だが、MVNOではそうではない。

 具体的には、ドコモ/au/ソフトバンクとそのサブブランドやオンライン専用プラン、楽天モバイルはオンラインでの手続きではeSIM再発行手数料は無料だ。特に楽天モバイルは、後発だけあってeSIMの交換や再設定がスムーズ。また、当初から手続きは24時間対応で融通が利く。

 ところがMVNOの格安SIMでは、その多くはeSIM再発行に手数料を徴収している。さすがにマニアックだが、毎日違うスマートフォンを使うようなユーザーにとってはMVNOのeSIMは鬼門だ。この手数料は220~440円など、サービスによって金額は異なる。

 そんな中、日本通信SIMが年3回まで無料化したほか(4回目以降は1100円)、今年10月からはmineoがeSIM再発行手数料を無料化することを発表した。大手MVNOのmineoが無料化を発表したことで、他の事業者が追随することに期待したくなる。

 反対にeSIMの扱いがとてもややこしいサービスも存在する。たとえばワイモバイルの場合、eSIMの「再発行」は同じ端末で利用するケースを指しており、違う端末にeSIMを入れる場合は「機種変更」と区別するなど、他社とは違う用語の使い方をしている。公式には、機種の異なるeSIM機種変更は店舗のみで要手数料となっている。ワイモバイルは要注意だ。

最大の問題点、端末故障時に立ちはだかる認証の壁

 eSIM関連ではもう1つ大きな問題がある。それは端末故障時に、すぐにSIMだけ差し替えるということができないことだ。

 一部のサービスではeSIMの再発行に本人確認が必要と書いたが、現在の主流はその回線の番号宛にSMSを送信し、そのメッセージ内に含まれる認証番号を照合して、本人が手続きしたものかどうかを確認している。しかし端末が故障していたり、iPadやデータ専用端末のようにSMSが受信できない端末の場合はその方法は不可能だ。端末のリセット時に誤ってeSIMを消去してしまった場合も同様だ。

 実は以前の楽天モバイルは、Rakuten IDのメールアドレスに認証番号を送信していたため、どこかにスマートフォンを置き忘れてしまったときでも、その場でeSIM再発行をして別の端末に移すといったことが可能だった。

 しかし裏を返せば、メールアドレスとパスワードのセットが流出するなど、不正に楽天モバイルのマイページにログインできると、赤の他人による乗っ取りが比較的容易だった。このことが問題視されて、SMS認証が求められるようになった経緯がある。

 では、本当にスマートフォンが故障したり、SMSが受信できない場合はどうするか。楽天モバイルの場合は少し時間がかかるがサポート窓口で本人確認の上で再発行ができる。

 一方でドコモ/au/ソフトバンクの場合、パスキーによる認証を設定するとスマートフォンがなければマイページに入れないこともあり、キャリアショップでの対応が原則となる。そして、これらの会社ではオンラインでは無料だが、キャリアショップでの対応では手数料は有料なので、4~5000円の費用がかかり、ショップに赴く時間もかかることになる。

24時間対応でないケースも さらにMVNOでは何日もかかる可能性

  対応時間の問題もある。調べた限りではほぼ24時間対応をしているのはMNO4社くらいだ(povo2.0の音声SIMを除く)。夜間はオンラインで受け付けていても、対応は翌日というところが中心で、本人確認をする場合はさらに日数がかかることもある。

 さらに端末の故障などでまったく使えなくなると、コールセンターの開始時刻まで待つことになるし、再審査やキャリアショップに行くなど、どんどん時間が必要だ。なお、iPhoneやAndroidの転送についても基本同じ。今後はMVNOの格安SIMでもぜひ対応が進んでほしい。

 そこで現在の各通信事業者のeSIM再発行についての状況をまとめた。

現時点で楽天モバイル以外のeSIMはできれば避けたいのが本音

 筆者がこれまで使ってきた経験からすれば、24時間対応かつ無料でeSIMの再発行ができ、マイページへのログイン条件が必要以上に厳しくない楽天モバイル以外は、できればeSIMは使いたくないというのが正直なところだ。

 現在のところ、iPhone 17シリーズのようにeSIM専用のスマートフォンや、デュアルSIMをするために片方をeSIMにしなければならないスマートフォンがあるため“仕方なく”と思いながら、eSIMを使っている。

 それでも手続きの無料化やeSIM転送機能の対応機種が徐々に増えてきたことで、eSIMのデメリットが減ってきているのも事実。オンラインで完結するという本来のメリットを活かし、さらにeSIMを利用するための環境が整ってくれば、物理SIMよりもeSIMがいいという状況になってくるはずだ。早くそんな時代になってほしい。

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