フェラーリ、初のEV「Ferrari Luce」発表 元Appleデザイナー、ジョニー・アイブ氏のLoveFromがデザイン担当
イタリアの自動車メーカー、フェラーリは、完全電動の新型車「Ferrari Luce」を発表した。同社初のEV(電気自動車)として、特許を取得した60を超える新技術を投入。デザインは元Apple最高デザイン責任者のジョナサン(ジョニー)・アイブ氏らが設立したクリエイティブ集団「LoveFrom」に委託する異例の体制で開発した。
Ferrari Luceは、各車輪に1基ずつ、計4基のモーターを搭載。最高出力1050cv(約1050馬力)、0-100km/h加速2.5秒、最高速度310km/h、満充電時の航続距離は530kmとなっている。新開発の「車両制御ユニット(VCU)」が全システムを統合制御し、各ホイールを横、縦、垂直方向の3軸すべてにおいてかつてないほど自在に制御できるようになっているという。
モーターユニットの出力はフロントが210kW、リアは620kW。ホイールでの合計トルクは7750Nmに達する。フロントモーターの最高回転数は30000rpmで、ゼロから最高回転数までを1秒足らずで到達できるという。
デザインを担当したLoveFromは、元Apple最高デザイン責任者のジョニー・アイブ氏と工業デザイナーのマーク・ニューソン氏が共同創設したスタジオ。フェラーリのジョン・エルカン会長とジョニー・アイブ氏らは以前から親交があり、「型破りで多分野にわたる視点を持っている」と評価しているという。
Ferrari Luceは5人乗りのハッチバックタイプで、ドアは後部ヒンジ式を採用。フロントウィンドウはボンネットへと滑らかにつながる流れるようなデザインで、ワイパーは中央ではなく両側で立つ独自設計だ。インテリアもLoveFromが手がけ、3本スポークのステアリングホイールは再生アルミニウム製、計器類にはOLEDを採用した。
EV化に伴い消えてしまう「エンジン音」も独自に表現する。降臨に精密な加速度計を設置し、回転部品の固有振動数を捉えて増幅。EVながらフェラーリらしいサウンドを実現するという。
また、二次アルミニウム合金(再生アルミニウム)の活用により、製造段階でのCO2排出量を70%削減。フェラーリのベネデット・ヴィーニャCEOは「現在そして未来のフェラーリファンのために、他に類を見ないドライビングエモーションと卓越したパフォーマンス、走る喜び、そして快適性を兼ね備えた車を創り上げた」としている。
フェラーリ初のEV「Ferrari Luce」 デザインは元アップルのアイブ氏
フェラーリは、元Appleの最高デザイン責任者であるジョニー・アイブ氏率いるLoveFromがデザインした新型EV「Ferrari Luce」を発表した。LoveFromの起用は、異なる分野間の交流を促し、新たなデザイン言語を生み出すという役割を担ったとしている。
各車輪に1基ずつ、計4基の電気モーターを搭載し、最高出力は1,050cv、0-100km/h加速は2.5秒、最高速度は310km/h、満充電時の航続距離は530km。使用するバッテリーパックは122kWhで、800V。重量は2,260kg。
フェラーリは同車を、これまでとは異なるタイプのフェラーリであり、従来とは異なる顧客層に向けたモデルとしている。車両はハッチバックタイプで、車内には5人分のスペースがある。ドアは後部ヒンジ式。ワイパーは中央ではなく、両側で停止するなど独自の仕様も備える。
「車両制御ユニット」(VCU)は、すべてのシステムをネットワーク化し、1秒間に200回の制御目標を更新。フロントモーターの出力はアクスルにおいて210kWで、リヤの出力は620kW。ホイール上で合計7,750Nmというトルクを発揮する。
フロントモーターの最高回転数は30,000rpmで、ゼロから最高回転数までは1秒足らずで到達可能。
その他の特長としては、独立した弾性マウント式サブフレームを採用。フェラーリ車として初めて採用したもので、不要な振動を最小限に抑えることができる。また、EVはエンジン音がないことから、駆動系から実際に出ている微細な振動をセンサーで拾い、それを調整・増幅して、フェラーリらしい走行音として感じられるようにしているという。
LoveFromはインテリアも一新している。3本スポークのステアリングホイールは再生アルミニウム製で、19個のCNC加工部品で構成。ダッシュボード全体にアルミニウム製の基材を配置し、その上にエア吹き出し口を設けている。
運転席前方の計器類にはサムスンディスプレイのOLED技術を採用。視差効果のある凸レンズにより、視認性と鮮明さを高めた。計器類の色は、選択されたシャシーモードに応じて変化する。
スピードメーターの針はアルミニウムとポリカーボネート製。その上部のパネルにあるローンチコントロールレバーは、ヘリコプターの計器類から着想を得たデザインで、アナログ計器とデジタル表示、自動車と航空機のデザイン要素を組み合わせたものとなっている。
フェラーリ、初のEV「Luce」発表 元Appleのジョニー・アイブ氏が共同デザイン 株価急落
フェラーリが初の完全電気自動車「Luce(ルーチェ)」を発表した。外装デザインを担当したのは元Appleデザイナーのジョニー・アイブ氏とマーク・ニューソン氏が率いるLoveFromだ。ガラスとアルミニウムを多用したルックは評価が大きく割れ、お披露目翌日の5月26日にはフェラーリ株が約6%下落した。
Luceの構想が明らかになってから、すでに数年が経っていた。ようやく投入される2027年モデルのベース価格は、55万ユーロ(約8800万円)に設定された。
車名の「Luce」はイタリア語で「光」を意味する。4ドア・5人乗りという構成は、フェラーリ車として初の試みだ。ガラスとアルミニウムを多用したルックは、これまでのフェラーリ車から大きく離れ、Apple製品を思わせる質感をまとう。もっとも、新しいブランドイメージを担うはずのこのデザインに対しては、SNS上で「期待外れ」との声が相次ぎ、ほぼ炎上状態となっている。
走行性能は王道のフェラーリだ。最高出力は1035馬力、最高速は約310km/h、0-100km/h加速はわずか2.5秒。1回のフル充電での航続距離は約530kmとされる。フェラーリらしいあの咆哮も健在で、電動アクスル由来の音を増幅して車外に流す方式で再現。車内でも鳴らすことができる。
予約受付は5月末にイタリアで始まる。米国での発売は来春の予定だ。
Luceが発表されたのは、EVを取り巻く環境が微妙なタイミングでもある。米国ではEV販売の伸びが止まる一方、ガソリン価格の上昇でEVが再び見直される可能性も指摘されている。
とくに高級ブランドではポルシェやランボルギーニなどが、EVモデルの投入計画を撤回・延期している。EV市場の成熟を見極めるまではハイブリッド車のラインアップ拡充を優先する、という姿勢のメーカーも目立つ。
フェラーリ自身も、2019年にハイブリッドモデルを投入し、2022年には「2030年までに販売車種の40%をEVにする」と表明していた。だが現状を見るかぎり、この目標達成は厳しい。
ネットの反応は真っ二つ
実走レビューはまだ出ていないものの、Luceは早くもネット上で評価を割っている。圧倒的なスペックや、物理ボタンを多用したレトロ調の車内を支持する声は少なくない。米メディア「InsideEVs」のTim Levin氏は外装を「先進的」と評し、内装については「『車のスクリーン化』への明確なノーだ」と特に高く評価した。
一方、外装デザインを酷評する声も目立つ。英自動車メディア「Carwow」のMat Watson氏は動画でフェラーリの選択に疑問を呈し、デザインを「ひどい出来だ」と切り捨てた。Redditのフェラーリ関連コミュニティでは「フェラーリ史上もっとも醜い車では?」といった辛辣な投稿が並び、なかにはCEOのBenedetto Vigna氏の辞任を求める書き込みまで現れた。
ブルームバーグのCraig Trudell記者は番組内で「フェラーリにとっては、大量に売り捌く必要はない。富裕層に十分行き渡れば『勝ち』を宣言できる」と指摘している。富裕層の購買が見込めるのであれば、ネット上の批判が販売面で大きな問題になることはなさそうだ。
フェラーリ、初のEV「ルーチェ」発表
イタリアの高級車メーカー、フェラーリが初の完全電動モデル「ルーチェ(Luce)」を発表した。ポルシェやランボルギーニなどのライバル勢に後れを取る形となったが、クリーンエネルギーでも変わらない「走る歓び」を提供する。
「ルーチェ」(イタリア語で「光」)の最高速度は、時速310キロを超える。1回の充電で走行できる距離は530キロ以上だと同社は25日遅くに発表した。
0ー100km/時加速は2.5秒。搭載するバッテリーの容量は122kWh。全体の重量は2.26トンと同社のモデルの中で最も重い。
また、同社史上、2モデル目となる4ドア仕様で、初の5人乗りとなった。
新たに発表されたルーチェについて、ジョン・エルカン会長は「われわれのビジョンを現実に変え、フェラーリの伝統を強化する新たな章を開いている」と述べた。
今回の新型車投入は、市場の需要低迷により自動車業界全体で「EVシフト」の勢いが鈍化し、他の高級車ブランドがEV展開に相次いでブレーキをかける中で行われた。
フェラーリは昨年、2030年までに販売ラインナップに占めるEVの割合を20%とする見通しを示した。これは、それまでの目標だった40%からの下方修正となる。
新たな選択肢──新型フェラーリ・ルーチェ詳報
1.ローマで発表する意義
フェラーリ初のEV、ルーチェが現地時間の5月25日夜遅くにローマで発表された。
ちょうど79年前にあたるこの日、そして同じローマで、フェラーリの名を冠した初のモデルである「125S」がローマGPと呼ばれるレースで優勝した。これが現代にまで連なる栄光の歴史の第一歩となったわけだが、EVという新たな歴史を刻むことになったフェラーリが、それから79年後に同じローマで第一歩を踏み出すのは、大きな意義を感じずにはいられない。
もっとも、ルーチェを発売したからといって、今後デビューするすべてのフェラーリがEVになってしまうわけではない。
それどころか、昨年10月にマラネロで行われた機関投資家向けのキャピタル・マーケッツデイにおいて、フェラーリは2030年断面でのEV比率が20%となることを言明。2022年のビジネスプランで掲げた40%から大幅に目標を下方修正するとともに、エンジン車やハイブリッド車を今後も作り続ける姿勢を鮮明にした。
2.シンプルでありながら個性的なデザイン
発表されたルーチェのスタイリングは、かねてより報道されていたとおりジョニー・アイブとマーク・ニューソンが率いるクリエイティブ集団“LoveFrom”が手がけたもの。アップルの最高デザイン責任者だったアイブが初代iMacや初代iPhoneを手がけ、工業デザイン界に衝撃を与えたことは皆さんもご存知のとおり。なるほど洗練された曲面で覆われ、大きなガラスエリアが設けられたルーチェのエクステリア・デザインは、いかにもアイブの作品らしく、シンプルでありながら個性的な仕上がりを見せる。
インテリアについては一部がすでに発表されているが、操作系はiPhoneやiPadに似ているようでいて、決定的に異なる部分がある。
それは、iPhoneやiPadとは異なり、クルマのコントロール系はドライバーが運転中に操作するものであるという前提に立ってデザインされたこと。一部にトグルスイッチやダイヤルといった物理スイッチが用いられたり、トグルスイッチの下にアルミ製のバーを設けて手のひらを支えるようにしたのは、すべて運転中に操作することを考え抜いた結果。
いっぽうで、かつてとは比べものにならないくらい機能が豊富になった現代の自動車を、物理スイッチだけで操作するようにすればコクピット周りは航空機さながらの複雑な様相を呈し、操作性とデザイン性が損なわれる。そこで、物理スイッチとして残す部分と、タッチディスプレイ式スイッチで操作する部分は慎重に区別され、それぞれにとって最適な操作性を実現したという。
3.驚異的な力強さ
ルーチェの最高出力は1050ps。0-100km/h加速:2.5秒、0-200km/h加速6.8秒と最新のスーパースポーツカーさえ凌駕する動力性能を実現。また最高速度は310km/hと、EVとしては異例の速さを誇る。これはフロント:30,000rpm、リア:25,500rpmという超高回転型のラジアル・フラックス型永久磁石モーターによって可能になったスペックだ。
なお、モーターの出力は減速機を経て車輪を駆動するため、モーター自身の最大トルクはフロント:280Nm、リア:710Nmでも、駆動輪のトルクとしてはフロント:3400Nm、リア:7750Nmと驚異的な力強さを発揮する。
ルーチェの駆動系でもうひとつ注目されるのが、4輪を4基のモーターで独立して駆動する点にある。エンジンとは比べものにならないくらい反応速度が速いモーターで、4輪をダイレクトに駆動するため、エンジン車とは別次元のトルクベクタリングが可能となり、2260kgとされる車重が信じられないほど軽快なハンドリングを実現した模様。
そのほかにも4輪アクティブ・サスペンション、後輪は左右独立で操舵できる4WS、ブレーキトルクベクタリング、ABS evoなどを装備。これらもEVの常識を覆すアジリティを実現するうえで大きな効果を発揮するものと見られる。
バッテリー容量は122kWhと量産型EVのなかでは際立って大きく、航続距離は530km以上になる見込み。グランドツーリズモとして十分以上の性能といえる。またバッテリーには800Vテクノロジーを採用。許容できる最大の充電電力は350kWで、ロングツーリングに必要な高速充電性も確保されている。
そのあまりに美しい音色からフェラーリ・ミュージックと称されたエンジン・サウンドをEVのルーチェは発することができないが、そのかわりに、技術陣は電動アクスルの近くに振動を拾い上げるセンサーを装着。ここで得た電気信号にフィルターとイコライザーをかけることで、EVでありながら美しい音色を奏でることに成功したとフェラーリは主張する。ここで彼らがこだわったのは、ホンモノであることと、それが機能として役立つという点。また、リアルなモーターの振動をベースとしていることから深い味わいのサウンドに仕上がったことも重要なポイントといえる。
4.総評
ルーチェの開発に最新鋭の技術を惜しみなく投入したフェラーリだが、冒頭で述べたとおり、EVは彼らが提供するアーキテクチャーのひとつに過ぎず、今後もエンジン車やハイブリッド車を作り続けるそうだ。
つまり、ルーチェはEVという新たな選択肢を顧客に提供するものであって、ドライビング・スリルを追求する彼らの姿勢に変わりはないというから、“ティフォシ”たちは大いに安心していいだろう。
