インテルの最新24コア「Core Ultra 9 290HX Plus」がスピード違反レベルだった=「Alienware 16X Aurora」実機レビュー
デルはAlienware(エイリアンウェア)ブランドの最新モデルから、主力の16型「Alienware 16x Aurora」をテストしてみました。
デルはAlienware(エイリアンウェア)ブランドの新型ゲーミングノート3製品を発売した。16型が「Alienware 16x Aurora」「Alienware 16 Area-51」の2モデルで、18型が「Alienware 18 Area-51」だ。
最高で24コア爆速CPU「Core Ultra 9 290HX Plus」に、NVIDIA GeForce RTX 50シリーズGPUを組み合わせた最新の超高性能モデルで、16型ではAlienwareとして初めて反射防止OLEDディスプレーを搭載、最大240Hz表示や高コントラストを実現している。
Auroraは16型の主力モデルで、最大155Wの性能設計と静音性を意識した新冷却構造を搭載、Area-51は、より上位のGPUを積むフラッグシップである。
AlienwareはゲーミングノートPCだが、日常的な低負荷のAI処理はNPUにまかせて、大規模言語モデルなどの重いタスクはパワフルなディスクリートGPUで実行するといった使い分けができる。実用性を重視した「もうひとつのAI PC」として、極めて魅力的な選択肢だ。
Dellから「Alienware 16X Aurora」の試用機を借りたので実機レビューをお届けしよう。
最上では「Core Ultra 9 290HX Plus」に
「GeForce RTX 5070 Ti」を選択可能
Auroraのプロセッサーは、
「Core Ultra 7 255HX」
「Core Ultra 9 275HX」
「Core Ultra 7 270HX Plus」
「Core Ultra 9 290HX Plus」
を選択可能。
GPUは、
「GeForce RTX 5060」
「GeForce RTX 5070」
「GeForce RTX 5070 Ti」
になる。
メモリーは16GB/32GB/64GB(DDR5-5600)、ストレージは1TB/2TB/4TBから選択できる。
ディスプレーは2種類で、
・16型WQXGA液晶:2560×1600ドット、240Hz、100% DCI-P3、500ニト、コントラスト比1000:1
・16型WQXGA OLED:2560×1600ドット、240Hz、100% DCI-P3、HDRピーク輝度620ニト[SDR時400ニト]、コントラスト比100万:1
となる。
ディスプレー上部には1080pウェブカメラ(Windows Hello顔認証対応IRカメラ)とデュアルアレイマイクを内蔵。また2W×2のステレオスピーカーを装備している。
インターフェースは、
Thunderbolt 4(40Gbps、Power Delivery、Display Port 2.1)
USB 3.2 Gen2 Type-C(10Gbps)
USB 3.2 Gen1 Type-A(5Gbps)×2
HDMI 2.1
有線LAN(1Gbps)
3.5mmコンボジャック
を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 7とBluetooth 5.4をサポートしている。
本体サイズは356.98×265.43×19.20〜23.40mm、重量は2.57〜2.61kg。バッテリーは96Whのリチウムイオンを内蔵している。バッテリー駆動時間は非公表だ。
本製品はゲーミングノートPCとしては比較的軽量な部類だが、システム構成によって同梱されるACアダプターが異なる。スペック表によれば、「180W電源アダプター」(0.58kg)と「280W電源アダプター」(0.95kg)の2種類が用意されており、構成に応じて自動的に選択される。
当然、ハイパワーなプロセッサーや上位のディスクリートGPUを選択した場合には、容量が大きく、重い後者が同梱される。トータルでの機動性も重視するのであれば、あえてミドルレンジクラスの構成に留めておくというのも、選択肢のひとつとなるだろう。
コスパ重視なら液晶
ゲーム&クリエイティブ環境を求めるならOLED
本製品には2種類のディスプレーが用意されている。リフレッシュレートはいずれも240Hzだ。どちらを選ぶかは用途によって異なるが、画質の面ではOLEDに軍配が上がる。100万:1という圧倒的なコントラスト比により、暗いシーンでの視認性は抜群。また、レスポンスタイムも0.2msと液晶パネルに比べて一桁以上速いため、FPSなどの対戦ゲームにおいて有利だ。さらに「DisplayHDR True Black 500」認定を受けており、HDRコンテンツの制作や鑑賞にももってこいである。
一方、液晶ディスプレーにも、最大消費電力が4Wと低い、焼き付きの心配が少ないといったメリットがある。常用輝度についても、標準で500ニトとOLEDのSDR時400ニトを上回っており、明るい環境での視認性は上だ。
価格的には、OLEDを選択すると自動的に上位プロセッサーが選択されるので、当然予算が上がる。液晶モデルでもゲームには十分すぎるほどのリフレッシュレートを備えているので、コスパを重視するなら液晶、究極のゲーム体験やプロレベルのクリエイティブ環境を求めるのならOLEDを選択するのがよいだろう。
キーボードはテンキー付きで、日本語配列と英語配列を選択できる。筐体そのものの剛性が高いおかげで、タイピング時にキーボード面がたわむような不安感はない。パームレストも安定感が高く、長時間の作業でもしっかりと手首を預けられる。
テンキーのスペースを確保するため、キーピッチは横18.70mm、縦18.05mmとわずかにタイトだが、キーストロークは実測1.4mmを確保。適度なクリック感があり、打鍵感は良好だ。また、底打ちの音も抑えられており、よほど強く叩かない限り周囲を気にする必要はない。
タッチパッドは115×70mmとゆとりあるスペースを確保している。ゲームにはさすがにマウスが必要だが、それ以外の用途であれば快適に操作できる入力デバイスに仕上がっている。
本製品が搭載する1080pウェブカメラは、RGBカメラとIRカメラのレンズおよびセンサーを個別に備えた独立タイプだ。実際にWindows 11の「カメラ」アプリでテストしたが、室内灯下でも十分な明るさが確保されており、発色も自然だ。ホワイトバランスの正確さは、手に持ったクーピーペンシルのパッケージからも確認できる。
一方で、全体的にフォーカスが甘い印象があり、背景の黒いケース部分にはわずかなノイズも見受けられた。ビデオ会議などの一般的な用途であれば十分だが、高画質な動画配信などを行なうのであれば、別途外付けカメラを用意したほうがいいだろう。
さすが24コア「Core Ultra 9 290HX Plus」の威力
「RTX 5070Ti」は高コスパGPUだ
最後にパフォーマンスをチェックしよう。試用機のスペックは、Core Ultra 9 290HX Plus/GeForce RTX 5070 Ti/メモリー32GB/SSD 1TBだ。今回は比較対象機種として、下記の6機種をとりあげている。
・「Core Ultra X9 388H」搭載
「ASUS Zenbook DUO (UX8407)」
・「Core Ultra X7 358H」搭載
「New XPS 16 ノートパソコン (2026)」
・「Core Ultra 7 255H」搭載
「ASUS Zenbook 14 OLED」
・「Core Ultra 7 355」搭載
「Lenovo Yoga Slim 7i Ultra Gen 11 Aura Edition」
・「Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100」搭載
「ASUS Zenbook SORA 16 UX3607OA」
・「AMD Ryzen AI 7 445」搭載
「FMV A79-L1」
CPU性能については、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は2003pts、CPU(Single Core)は139pts、「CINEBENCH 2026」のGPUは71807pts、CPU(Multiple Threads)は8073pts、CPU(Single Thread)は571ptsを記録した。
CINEBENCH 2026の結果が圧巻だ。マルチスレッドスコアは比較機種中でトップ。2位の「Zenbook SORA 16」を大きく引き離した。CINEBENCH 2024のマルチスレッドスコアでもデスクトップ級のパワーを発揮している。
「Core Ultra 9 290HX Plus」は今年3月に発表となった最新CPUで、Arrow Lake-HX Refreshの最上位モデルだ。Pコア×8にEコア×16の24コアで24スレッド。ベースパワーは55Wで最大ターボパワーは160Wある。
同じく最新のインテルCPU、Panther Lakeの「Core Ultra X9 388H」は4P+8E+4LPEの16コア16スレッドで最高80Wなので、ここまで差が開くのは納得だ。
これだけのパワーがあれば、8K動画のエンコードや3D CGのレンダリングを実用的にこなせる。
3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のPort Royalは11044、Time Spyは16791、Fire Strikeは35947、Wild Lifeは95282だ。
「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは23765(非常に快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは21113(非常に快適)を記録した。
ほかの6機種を大きく引き離した理由は、言うまでもなくGPUを搭載しているから。ほかのインテグレーテッドGPU搭載機をダブルスコア以上で圧倒している。これは最新の重量級タイトルを高品質設定で快適に遊べる性能だ。「GeForce RTX 5070 Ti」のパワーは、高解像度動画のプレビューや生成AIによる画像作成においても、決定的なアドバンテージとなる。
ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「PVC10 SK hynix 1024GB」を搭載しており、「CrystalDiskMark 9」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6586MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5787MB/sを記録した。リードについてはトップスコアではないものの、PCIe Gen4 x4接続SSDとして優秀な部類に入ることは間違いない。
AI性能については、「UL Procyon」のAI Computer Vision Benchmark(NPU)のIntegerは737、float16は390、AI Computer Vision Benchmark(GPU)のIntegerは3264、float16は2491、float32は1213を記録した。
NPU単体の演算性能については、AI特化型の「Zenbook SORA 16」と比較するとたしかに見劣りする。しかし、「Alienware 16X Aurora」の本領は、強力なGPUを組み合わせたトータルのAI演算能力にある。
ウェブ会議の背景ぼかしといった日常的な省電力処理はNPUが担当し、大規模言語モデル(LLM)のローカル実行や画像生成といった重量級のタスクはディスクリートGPUで回すというハイブリッドな運用ができる点は、本製品の大きなメリットだ。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度、ボリュームともに40%に設定し、バッテリー残量100%から開始してYouTube動画を連続再生したところ、バッテリー残量が3%に減るまで6時間19分4秒動作した。
単純計算では、0%まで使い切るのであれば約6時間30分48秒動作することになる。16インチのハイエンドゲーミングノートPCとしてはかなり健闘しており、モバイルでの利用もありだ。
爆速の「Core Ultra 9 290HX Plus」にdGPUで
ローカルAIも楽勝だ
24コアの「Core Ultra 9 290HX Plus」は爆速、ディスクリートGPUがもたらす恩恵は大きい。重量級ゲームを最高画質で堪能できるのはもちろんのこと、8K動画編集や3D CG制作においてもデスクトップPCクラスのレスポンスを発揮する。
なにより、負荷の高いAIタスクをローカル環境で高速処理できる「AI PC」としての価値は見逃せない。あらゆる高負荷作業を1台で完結させたいユーザーにとって、「Alienware 16X Aurora」は魅力的な選択肢だ。
